MIXI、2027年3月期第2四半期決算、純利益101%増で増配へ

MIXIの2027年3月期第2四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比42.4%増、営業利益は74.4%増、親会社株主に帰属する中間純利益は101.5%増となりました。主力の「モンスターストライク」が増収増益となったほか、PointsBet Holdingsの連結化などでスポーツ事業が伸長。通期予想は据え置き、年間配当は前期の120円から155円に増やす計画です。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 960億円 | +42.4% | 1,850億円 | 52% |
| 営業利益 | 126億円 | +74.4% | 195億円 | 65% |
| 純利益 | 99億円 | +101.5% | 250億円 | 40% |
| 営業利益率 | 13.1% | |||
この決算のポイント
- 1スポーツ事業はPointsBetの連結化や競輪関連事業の伸びで、売上高が前年同期比86.4%増
- 2モンスターストライクはMAUが減る一方、ARPU上昇とコスト効率化で事業利益が47.1%増
- 3通期予想は据え置き、年間配当は前期の120円から155円へ増配する計画
- 4ビットバンク株式の売却を10月1日に完了し、第3四半期に売却益125億8,100万円を計上する見込み
- 5営業キャッシュフローは前年同期の40億8,200万円の支出から、169億7,100万円の収入に転じた
業績のポイント
MIXI(MIXI)は中間期に増収増益となり、売上高と利益がそろって大幅に伸長しました。売上高は960億2,000万円(前年同期比42.4%増)、営業利益は125億8,200万円(同74.4%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は98億7,800万円(同101.5%増)です。
- EBITDA: 190億500万円(前年同期比98.2%増)。営業利益を上回る伸びとなりました。
- 経常利益: 120億7,000万円(前年同期比67.3%増)。営業利益の増加に伴い、前年同期から拡大しました。
- 利益率: 営業利益率は13.1%で、前年同期の10.7%から上昇しました。
主力ゲーム「モンスターストライク」は利用者数を示すMAUが減少したものの、ユーザー1人当たりの売上高を示すARPUが上昇し、コスト効率化も利益を押し上げました。加えてスポーツ事業の連結範囲拡大が売上成長に寄与しており、ゲーム単独ではなく複数事業が増益を支えた中間決算です。
セグメント別動向
主要事業では、デジタルエンターテインメントとスポーツが増収増益をけん引しました。スポーツは連結範囲の変化も大きいため、成長率の高さを既存事業だけの伸びと捉えないことが重要です。
デジタルエンターテインメント事業は、売上高が前年同期比22.2%増、セグメント利益が47.1%増でした。「モンスターストライク」はMAUが減少しましたが、ARPU上昇に加え、コスト効率化が利益の伸びにつながりました。
スポーツ事業は、売上高が86.4%増、セグメント利益が520.8%増となりました。PointsBet Holdingsの連結子会社化に加え、チャリ・ロトの競輪場包括受託運営やネットドリーマーズの車券販売が伸長。前年同期にPointsBetの取得関連費用を計上していた反動も利益を押し上げました。FC東京では移籍金収入とチケット販売が寄与し、決算期変更により今回は8カ月分を連結しています。
ライフスタイル事業は、売上高が18.8%増となり、前年同期に72百万円だったセグメント利益は905百万円に増えました。「家族アルバム みてね」のプレミアム、写真プリント、GPS、広告や、「minimo」の売上が伸びています。
- 投資事業: 売上高は14.3%増でしたが、セグメント利益は39.5%減。保有株式の売却や出資ファンドの損益を取り込んだものの、利益は前年同期を下回りました。
スポーツ事業の急伸には買収による連結効果や前年の取得費用の反動が含まれます。一方、ゲーム事業は利用者数の減少をARPUとコスト管理で補っており、今後は収益性を保ちながら利用者基盤をどう維持するかが焦点です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| デジタルエンターテインメント事業 | 436億円 | 45% | 244億円 | 55.9% |
| スポーツ事業 | 410億円 | 43% | 27億円 | 6.7% |
| ライフスタイル事業 | 84億円 | 9% | 9億円 | 10.7% |
| 投資事業 | 30億円 | 3% | 9億円 | 29.4% |
通期見通し
2027年3月期の連結業績予想は、2026年7月31日に公表した内容から変更ありません。中間期は大幅増益となりましたが、通期では営業利益が前期比で減る見通しを維持しています。
| 項目 | 今回予想 | 前期比 | 7月公表予想からの変更 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 185,000 | +8.0% | 変更なし |
| EBITDA(百万円) | 31,500 | +1.0% | 変更なし |
| 営業利益(百万円) | 19,500 | -12.4% | 変更なし |
| 経常利益(百万円) | 20,000 | -19.0% | 変更なし |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 25,000 | +44.8% | 変更なし |
短信には前回予想の金額と前期実績の金額が再掲されていないため、表では公表された予想額と前期比を示しています。中間期の利益成長だけで判断せず、通期営業利益が減益予想である点も確認したいところです。なお、親会社株主に帰属する当期純利益の大幅増加には、後述するビットバンク株式売却益の計上見込みが影響します。
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は前期末から増加し、自己資本比率も小幅に上昇しました。営業キャッシュフローが前年同期の支出から収入に転じた一方、投資有価証券の取得などで投資キャッシュフローは支出となっています。
| 項目 | 2026年9月末・中間期 | 比較・前年同期 |
|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 294,609 | 前期末比+14,204 |
| 自己資本比率 | 65.0% | 前期末64.7% |
| 営業キャッシュフロー(百万円) | +16,971 | 前年同期は-4,082 |
| 投資キャッシュフロー(百万円) | -14,957 | 前年同期は-30,262 |
| 財務キャッシュフロー(百万円) | -3,508 | 前年同期は+11,129 |
- 配当: 中間配当は1株60円。期末予想は95円で、年間配当は155円となる見込みです。前期の年間120円から35円増となります。
- 自己株式: 2026年5月に自己株式280万株を消却しました。当中間期の自己株式取得によるキャッシュ支出はありません。
営業活動で得た資金を確保しつつ、投資有価証券の取得や株主還元を進めています。現金及び現金同等物は中間期末に1,095億7,100万円で、前期末から16億1,900万円減りました。配当増額は株主還元の強化を示しますが、今後は買収後の事業投資と還元の両立が問われます。
戦略トピック
MIXIは保有するビットバンク株式の全てを売却し、暗号資産関連事業への出資関係を解消しました。売却は中間期末後の2026年10月1日に完了しており、2027年3月期第3四半期に一時的な利益を計上する見込みです。
- 売却価額: 155億9,000万円。売却した株式は普通株式とB種優先株式の計25,150株です。
- 売却益の見込み: 125億8,100万円を第3四半期の特別利益に計上する見通しです。
- 売却後の持分比率: 0%。ビットバンクは9月30日付で持分法適用の範囲から外れました。
会社は、ビットバンクとMIXIグループ双方の中期的な成長や企業価値向上の観点から売却を決めたと説明しています。売却益は当期純利益を押し上げる一方、通常の事業収益とは性質が異なるため、投資家は営業利益など本業の動向と分けて評価する必要があります。
リスクと課題
中間期は大幅増益となりましたが、事業ごとの成長要因には一時的な連結効果や市況の変化も含まれます。会社も業績予想にはリスクや不確実性があり、実際の結果はさまざまな要因で変動するとしています。
- ゲームの利用者動向: 「モンスターストライク」はMAUが減少しています。ARPUの上昇が続かなければ、売上高や利益の伸びが鈍る可能性があります。
- 買収後の統合と償却負担: PointsBetの連結化でスポーツ事業は拡大しましたが、取得に伴うのれんや償却費が発生しています。事業の成長が買収関連コストを上回るかが課題です。
- 投資収益の変動: 投資事業の利益は前年同期比で減少しました。保有株式の売却やファンド損益に左右されるため、利益の再現性には注意が必要です。
- 一時利益への依存: ビットバンク株式の売却益は特別利益として計上される見込みです。これを除いた本業の収益力も継続して確認する必要があります。
とくにスポーツ事業の成長率は買収や比較対象となる前年の費用に影響されています。ゲームの利用者基盤、買収事業の利益貢献、そして一時利益を除いた通期の稼ぐ力が、次の決算での確認点です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/30)
3,800円
最新終値(2026/10/30)
3,800円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
MIXIをライバルと比較
年収・業績・株価を並べてインターネットサービス業界の今
掲載12社MIXIはインターネットサービス業界の掲載12社中、売上高で5位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- −3.6%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +2.7%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 2社下方 0社
- 営業利益率(業界)
- 6.0%
- MIXI+22.0%
- インターネットサービス(業界平均)−3.6%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第1四半期累計は4社合計で売上高+1.5%・営業利益−28.2%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は4社、下回る企業は1社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは2社、下方修正は0社。修正幅が最も大きいのはさくらインターネット(営業利益+173.3%)。






タグ#MIXI#決算#決算分析#四半期決算#増収増益#モンスターストライク#スポーツ事業#増配#ビットバンク株式売却
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中間期の増益は、モンスターストライクのARPU上昇とコスト効率化に加え、スポーツ事業の連結拡大が重なった結果です。ただし、スポーツの急成長率には買収効果や前年の取得費用の反動が含まれるため、同じ勢いが続くかは慎重に見たいところです。
第3四半期にはビットバンク株式の売却益が入り、純利益を押し上げる見通しです。投資家は特別利益と本業の利益を分けて捉え、ゲームの利用者動向やPointsBetの利益貢献が続くかを確認するのがよいでしょう。
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