ネクソン、2026年12月期第2四半期決算、中間純利益2倍も韓国不振続く

ネクソンの2026年12月期第2四半期(中間期)決算を分析すると、売上収益は273,310百万円(前年同期比17.4%増)、親会社株主に帰属する中間利益は86,864百万円(同101.9%増)と大幅増益となった。新作『ARC Raiders』のヒットや為替差益が寄与する一方、主力の韓国セグメントは減収減益となり、地域間の明暗が分かれた。決算分析では、欧州セグメントが黒字転換し、構造改革の成果が見え始めている。
決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 2,733億円 | +17.4% |
| 営業利益 | 894億円 | +12.8% |
| 純利益 | 869億円 | +101.9% |
| 営業利益率 | 32.7% |
業績のポイント
ネクソン(株式会社ネクソン)は8月13日、2026年12月期第2四半期(中間期)決算を発表した。連結売上収益は273,310百万円(前年同期比17.4%増)、営業利益は89,447百万円(同12.8%増)、税引前中間利益は115,798百万円(同71.4%増)、親会社株主に帰属する中間利益は86,864百万円(同101.9%増)で、大幅な増収増益となった。
ただし、第2四半期(4~6月)単独では売上収益121,076百万円(前年同期比1.9%増)にとどまり、営業利益は31,284百万円(同17.0%減)と減益だった。上半期全体の好業績は、第1四半期の好調と為替差益に支えられた面が大きく、中間純利益が前年比2倍となったものの、期後半にかけて費用増が利益を圧迫している。
セグメント別動向
報告セグメントは日本、韓国、中国、北米、欧州、その他の6つ。当中間期の外部売上収益とセグメント利益は以下の通り。
| セグメント | 売上収益 | 前年同期比 | セグメント利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 2,324百万円 | 13.3%減 | -1,738百万円 | - |
| 韓国 | 186,564百万円 | 12.0%減 | 57,346百万円 | 30.7% |
| 中国 | 1,070百万円 | 31.4%増 | 183百万円 | 17.1% |
| 北米 | 22,370百万円 | 58.9%増 | 5,060百万円 | 22.6% |
| 欧州 | 60,535百万円 | 2,033.3%増 | 31,069百万円 | 51.3% |
| その他 | 447百万円 | 54.6%増 | -601百万円 | - |
韓国は最大セグメントながら、売上収益186,564百万円(12.0%減)、セグメント利益57,346百万円(31.5%減)と減収減益。『アラド戦記モバイル』の売上減少や中国PC版『アラド戦記』の新シーズン立ち上がり低調、前年同期の高水準の反動が響いた。
欧州は売上収益60,535百万円(前年同期比2,033.3%増)と急拡大し、セグメント利益も31,069百万円と前年同期の3,537百万円の損失から黒字転換した。2025年10月にグローバルリリースした『ARC Raiders』が牽引。当第2四半期だけで約80万本を追加販売し、累計販売本数は1,630万本を突破している。
北米も売上収益22,370百万円(58.9%増)、利益5,060百万円(342.0%増)と急成長。『ARC Raiders』の追加販売が寄与した。日本は売上収益2,324百万円(13.3%減)で1,738百万円の損失、中国は売上収益1,070百万円(31.4%増)で183百万円の利益と小幅。
フランチャイズ別では、メイプルストーリーが『MapleStory: Idle RPG』や『MapleStory Worlds』の成長で四半期過去最高売上を記録した一方、アラド戦記フランチャイズは減少した。FCフランチャイズも『EA SPORTS FC ONLINE』の集客不足で減収だった。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 23億円 | 1% | -1,738百万円 | -74.8% |
| 韓国 | 1,866億円 | 68% | 573億円 | 30.7% |
| 中国 | 11億円 | 0% | 2億円 | 17.1% |
| 北米 | 224億円 | 8% | 51億円 | 22.6% |
| 欧州 | 605億円 | 22% | 311億円 | 51.3% |
| その他 | 4億円 | 0% | -601百万円 | -134.5% |
財務状況と資本政策
当中間期末の総資産は1,356,395百万円で前期末比53,793百万円減少した。主因はその他の預金の減少(46,368百万円減)など。負債は270,927百万円で73,343百万円減少。親会社所有者帰属持分比率は79.4%(前期末75.0%)に上昇した。
キャッシュフローは、営業活動で37,512百万円の収入(前年同期88,059百万円から半減)。税引前利益は増えたものの、法人所得税支払い49,712百万円やその他流動負債の減少が響いた。投資活動では59,348百万円の収入(有価証券売却・定期預金減少など)、財務活動では45,993百万円の支出(自己株取得27,070百万円、配当22,962百万円)だった。現金及び同等物は546,102百万円に増加。
株主還元では、中間配当を30円(前年同期15円)に増配。通期配当予想は普通配当60円に加え特別配当415円を実施し、年間475円(前期45円)と大幅増配を予定している。さらに、発行済株式の1.7%にあたる13,238,900株の自己株式消却を8月31日に実施すると発表。株主還元を大幅に強化する方針を明確にした。
リスクと課題
ネクソンは通期の連結業績予想を開示していない。PCオンラインゲーム・モバイルゲーム市場は成長速度の予測が難しく、ユーザー嗜好や人気タイトルの有無に収益が大きく左右されるためと説明している。
主なリスクは以下の通り。
- 世界経済の不透明感(中東情勢、金融資本市場の変動)
- 為替変動(売上・利益への影響大。想定レート1円変動で第3四半期売上約778百万円、営業利益約191百万円変動)
- 主力IPの老朽化(アラド戦記フランチャイズの売上減少が継続)
- 競争激化と開発費・マーケティング費の増加
- 新作タイトルのヒット依存
特に韓国セグメントの減収が続いており、老舗IPの再活性化が喫緊の課題だ。第3四半期は費用増が見込まれ、営業減益リスクも残る。
第3四半期(累計)業績予想
通期予想は算定困難として開示せず、第3四半期累計(1~9月)の業績予想のみレンジ形式で公表した。売上収益394,042~406,746百万円(前年同期比12.1~15.7%増)、営業利益112,052~121,716百万円(同4.1%減~4.2%増)、親会社株主に帰属する四半期利益105,088~112,505百万円(同29.4~38.6%増)。
なお、第3四半期単独(7~9月)では、売上収益120,732~133,436百万円(前年同期比1.7~12.4%増)、営業利益22,605~32,269百万円(同39.8~14.0%減)と営業減益を見込む。メイプルストーリーフランチャイズの成長や新作の貢献を見込む一方、プラットフォーム利用料・広告宣伝費・人件費などの費用増が利益を圧迫する。下半期は利益成長が鈍化する見通しだ。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/13)
2,521.5円
最新終値(2026/10/23)
2,773円+10.0%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#ネクソン#決算#決算分析#四半期決算#増収増益#アラド戦記#メイプルストーリー#ARC Raiders#配当修正#自己株式消却
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コメント
ネクソンの第2四半期は、新作『ARC Raiders』の販売が欧州・北米を押し上げ、中間純利益が前年比2倍と見た目には好調だ。しかし、主力の韓国セグメントはアラド戦記の勢いが鈍化し、売上・利益とも減少している。成長のけん引役が新作にシフトしている一方、老舗IPの再活性化が課題だ。
第3四半期は営業利益が前年比減となる見通しで、費用増を吸収できるかが焦点になる。為替差益も業績を押し上げており、持続性には注意が必要だ。
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