大塚商会、2026年12月期第3四半期決算、増収増益で4年連続最高更新

大塚商会の2026年12月期第3四半期決算は、企業のIT投資需要を捉え、売上高が前年同期比8.8%増、営業利益が4.7%増、純利益が7.0%増となりました。AIやセキュリティを軸にしたDX支援が伸び、売上高と各利益は第3四半期累計として4年連続で過去最高を更新。通期予想は据え置き、年間配当は前期比15円増の105円を見込みます。

決算の数字第3四半期累計
期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1.1兆円 | +8.8% | 1.4兆円 | 79% |
| 営業利益 | 696億円 | +4.7% | 943億円 | 74% |
| 純利益 | 498億円 | +7.0% | 649億円 | 77% |
| 営業利益率 | 6.4% | |||
この決算のポイント
- 1システムインテグレーション事業はパッケージソフトの伸びを受け、売上高が前年同期比9.6%増
- 2サービス&サポート事業は「たのめーる」「たよれーる」などが寄与し、売上高は7.0%増
- 3通期売上高予想は1兆3,790億円で据え置き、9カ月累計の進捗率は79.3%
- 4年間配当予想は105円と前期の90円から15円増、自己資本比率は52.4%
- 5営業キャッシュフローは棚卸資産の増加などで140億円に減少、前年同期を380億円下回る
業績のポイント
大塚商会(株式会社大塚商会)は2026年1〜9月、売上高1兆943億円、営業利益696億円、親会社株主に帰属する純利益497億円を計上しました。いずれも前年同期を上回り、第3四半期累計として4年連続の過去最高を更新しました。
- 売上高: 8.8%増。底堅い企業のIT投資需要を取り込みました。
- 営業利益: 4.7%増。販管費は増えたものの、売上総利益の増加が利益を押し上げました。
- 経常利益: 6.3%増。営業外収益の増加も寄与しました。
- 純利益: 7.0%増。税引前利益の増加を背景に、増益を確保しました。
2025年の高い伸びに比べると増収増益率は落ち着いたものの、企業のソフトウエア投資や省人化、業務効率化、セキュリティ対策への需要が業績を支えています。営業利益率は6.4%で、売上の拡大が利益の伸びにつながった一方、販管費の増加は引き続き注視点です。4年連続で第3四半期最高を更新したことは、IT需要を幅広い提案につなげる営業基盤の強さを示しています。
セグメント別動向
両事業とも増収となりましたが、売上高の伸びはシステムインテグレーション事業が上回りました。一方、セグメント利益ではサービス&サポート事業が前年同期を下回り、売上の伸びが利益に直結していない点が対照的です。
| セグメント | 売上高前年比 | セグメント利益前年比 |
|---|---|---|
| システムインテグレーション | +9.6% | +7.6% |
| サービス&サポート | +7.0% | -2.1% |
システムインテグレーション事業は、売上高7,648億円、セグメント利益584億円でした。パッケージソフトが高い伸びとなり、コンサルティングから設計・開発、ネットワーク構築までを含む幅広い提案が売上を支えました。企業の生産性向上や競争力強化に向けたIT投資が続くなか、主力事業の成長が全体をけん引しています。
サービス&サポート事業は、売上高3,294億円、セグメント利益216億円でした。「たのめーる」の通信販売や「たよれーる」の保守・サポートなど、継続利用につながるストックビジネスが売上を伸ばしました。ただ、利益は減少しており、今後はサービスの利便性向上や販売競争力の強化を通じ、増収を収益性の改善にも結びつけられるかが焦点です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| システムインテグレーション事業 | 7,649億円 | 70% | 585億円 | 7.6% |
| サービス&サポート事業 | 3,294億円 | 30% | 216億円 | 6.6% |
通期見通し
大塚商会は2026年12月期の通期業績予想を据え置きました。9カ月累計の進捗率は売上高が79.3%、営業利益が73.9%、純利益が76.7%です。
| 指標 | 通期予想 | 前年比 | 9カ月進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 1,379,000 | +4.2% | 79.3% |
| 営業利益(百万円) | 94,300 | +4.8% | 73.9% |
| 経常利益(百万円) | 96,100 | +5.0% | 75.3% |
| 純利益(百万円) | 64,900 | +0.9% | 76.7% |
今回の短信では、直近に公表した業績予想からの修正はありません。会社は、企業のAI導入やセキュリティ対策、生産性向上を目的とするIT投資が底堅く推移すると見込む一方、中東情勢の長期化や米国の外交・通商政策、メモリー供給不足などを懸念材料に挙げています。中堅・中小企業が導入しやすいAIソリューションや、業務効率化につながる提案を強化し、予想達成を目指す方針です。
財務状況と資本政策
9月末の総資産は7,725億円で、2025年12月末から433億円増加しました。自己資本比率は52.4%となり、前期末の54.1%から低下しています。
| 項目 | 2026年9月末・1〜9月 | 前年同期・前期末との比較 |
|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 772,541 | 前期末比 +43,341 |
| 自己資本比率 | 52.4% | 前期末比 -1.7ポイント |
| 営業CF(百万円) | 14,078 | 前年同期比 -38,092 |
| 投資CF(百万円) | -25,109 | 前年同期より支出増 |
| 財務CF(百万円) | -38,190 | 前年同期より支出減 |
| 年間配当予想(円) | 105 | 前期実績90円から15円増 |
営業キャッシュフローの減少は、棚卸資産の増減が前年同期の資金増加要因から資金の流出要因に転じたことなどが主因です。投資キャッシュフローでは定期預金の預け入れが増え、現金及び現金同等物は期首から492億円減少しました。配当は中間55円、期末予想50円で、前期から増配する計画です。短信に自社株買いの発表はなく、利益還元では配当の拡充が目立ちます。
リスクと課題
IT投資需要は堅調ですが、会社は国内外の景気や調達環境に不透明さが残るとみています。営業キャッシュフローの減少や、サービス事業の利益動向も含め、売上成長を利益と資金創出につなげられるかが課題です。
- 地政学リスク: 中東での紛争長期化は資源供給の制約や価格高騰につながり、企業の投資判断や国内外の景気を下押しする可能性があります。
- 米国の政策・市場変動: 米国の外交・通商政策や金融資本市場の変動が世界経済に影響し、顧客企業のIT投資計画を左右するおそれがあります。
- 部材の供給不足: メモリー供給不足が続けば、IT機器の調達や納品に影響し、システム導入案件の進行を妨げる可能性があります。
- 在庫と資金繰り: 棚卸資産の増加が営業キャッシュフローを押し下げました。在庫の積み上がりが続く場合、資金効率への影響が懸念されます。
- サービス事業の採算: ストックビジネスは増収を維持した一方、セグメント利益は前年同期を下回りました。継続的な売上成長と収益性の両立が問われます。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/30)
4,352円
最新終値(2026/10/30)
4,352円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
大塚商会をライバルと比較
年収・業績・株価を並べてITサービス業界の今
掲載31社大塚商会はITサービス業界の掲載31社中、売上高で2位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +4.6%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +29.6%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 9社下方 0社
- 営業利益率(業界)
- 14.5%
- 大塚商会+42.7%
- ITサービス(業界平均)+4.6%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第2四半期累計は11社合計で売上高+10.5%・営業利益+14.1%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は2社、下回る企業は11社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは9社、下方修正は0社。修正幅が最も大きいのはAppier(営業利益+16.7%)。





タグ#大塚商会#決算#決算分析#四半期決算#増収増益#AIソリューション#DX支援#たのめーる#配当増額
この記事はいかがでしたか?
登録不要・匿名で送信コメント
大塚商会の強みは、機器やソフトの導入に加えて、保守・サポートやオフィス用品まで顧客接点を広く持つことです。AIやセキュリティの導入需要を、システム販売だけでなく継続サービスにも結びつけられるかが、成長の持続性を左右しそうです。
一方、増収でもサービス&サポート事業の利益が減り、棚卸資産の増加で営業キャッシュフローも縮小しました。売上成長を利益とキャッシュに転換できるかを、次の決算で確認したいところです。
Googleで業界ダイジェストを優先表示
Google検索の「トップニュース」やAIによる概要で、当サイトの記事が見つけやすくなります。
この記事を引用・シェアする
転載・引用は無料・許可不要(出典明記のみでOK)
https://www.gyokaidigest.com/companies/otsuka-shokai/report/2026-Q3
関連記事
同社の関連記事
B2B通販・MROの最新記事
- 決算解説アスクル2027年5月期 第1四半期アスクル、2027年5月期第1四半期決算、売上高8.2%減も通期予想維持で経営正常化進める

- 決算解説モノタロウ2026年12月期 第2四半期(中間期)モノタロウ、2026年12月期第2四半期決算、売上高20.6%増・営業利益24.9%増で通期予想据え置き

- 決算解説ミスミ2027年3月期 第2四半期(中間期)ミスミ、2027年3月期第2四半期決算、営業利益89.8%増で通期予想を上方修正

- 決算解説トラスコ2026年12月期 第3四半期トラスコ、2026年12月期第3四半期決算、売上高12%増も利益は伸び悩み

- 月次業績発表モノタロウ9月10日MonotaRO8月度売上高前期比19.3%増、新規顧客獲得数も堅調な推移でBtoBEC市場での成長勢いが加速していることを示す。

- 業績予想修正ミスミ10月30日ミスミグループ本社、27年3月期営業利益を780億円に上方修正、前期実績も上回る

掲載企業

株式会社大塚商会
東証 4768
これが最新の決算解説です
次回の決算発表
同業他社の発表予定
今後2週間に609社が決算発表 · 注目企業と進捗率を見る他の決算期
4期- 2026年12月期 第3四半期
- 2026年12月期 第2四半期(中間期)
- 2026年12月期 第1四半期
- 2025年12月期 通期



