ミスミ、2027年3月期第2四半期決算、営業利益89.8%増で通期予想を上方修正

ミスミの2027年3月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比32.9%増、営業利益が89.8%増、純利益が78.9%増となる大幅な増収増益でした。AI関連投資を背景としたデータセンター・半導体需要や、自動車関連の一部回復を取り込み、デジタル施策も想定を上回って進展。会社は通期予想を上方修正し、年間配当予想も引き上げました。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,736億円 | +32.9% | 5,650億円 | 48% |
| 営業利益 | 371億円 | +89.8% | 780億円 | 48% |
| 純利益 | 250億円 | +78.9% | 524億円 | 48% |
| 営業利益率 | 13.6% | |||
この決算のポイント
- 1FA事業はデータセンター需要とデジタル施策が寄与し、売上高が前年同期比50.2%増
- 2VONA事業は欧州以外の全地域で二桁成長し、営業利益は前年同期比71.2%増
- 3通期営業利益予想を前回の670億円から780億円へ引き上げ、修正幅は110億円
- 4年間配当予想は前期52.98円から70.34円へ増額、自己株式取得に159億円を支出
- 5自己資本比率は前期末81.7%から79.2%に低下、売上債権の増加が営業CFの重荷
業績のポイント
ミスミ(ミスミグループ本社)の2027年3月期中間期は、売上高が前年同期比32.9%増の2,736億円、営業利益が89.8%増の371億円、親会社株主に帰属する中間純利益が78.9%増の250億円でした。売上高の増加額は前年同期比678億円、営業利益の増加額は175億円です。
- 需要の拡大: AI関連投資を背景に、データセンターおよび半導体関連向けの需要が好調に推移しました。
- 自動車関連: 主要顧客産業の一つである自動車関連では、一部に需要の持ち直しが見られました。
- デジタル施策: Fictiv、エコノミーシリーズ、D-JIT、meviyなどの取り組みが業績を押し上げました。
- 利益の伸び: 売上高の拡大に加え、各事業の増収やVONA事業の収益性改善が増益につながりました。
営業利益率は前年同期の約9.5%から約13.6%へ上昇しました。AI・データセンター関連の需要を捉えただけでなく、デジタル施策を含む事業基盤が売上と利益の双方に寄与した点が今回の特徴です。需要増を利益成長につなげた中間決算
セグメント別動向
FA事業は売上高1,092億円、営業利益190億円となり、前年同期比で売上高50.2%増、営業利益135.5%増でした。グローバルの設備投資需要やデータセンター関連需要を取り込み、Fictiv、エコノミーシリーズ、D-JIT、meviyなどのデジタルモデル施策も業績を牽引しました。
金型部品事業は売上高485億円、営業利益56億円で、前年同期比13.9%増収、34.3%増益でした。地域ごとに濃淡はあるものの、事業環境は総じて堅調に推移しました。
VONA事業は売上高1,158億円、営業利益125億円で、前年同期比28.0%増収、71.2%増益でした。ミスミブランド以外の製品も扱う製造・自動化関連部品やMRO(消耗品)などの流通事業で、欧州を除く全地域が二桁成長し、収益性も改善しました。
FA事業は3事業の中で最も高い増益率となり、データセンター需要とデジタル施策の勢いが際立ちました。VONA事業も地域の広がりと採算改善が重なり、全社の増益を支えています。
- FA事業+135.5%
- 金型部品+34.3%
- VONA事業+71.2%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| FA事業 | 1,092億円 | 40% | 190億円 | 17.4% |
| 金型部品事業 | 485億円 | 18% | 56億円 | 11.6% |
| VONA事業 | 1,159億円 | 42% | 125億円 | 10.8% |
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は前期末比2.8%増の4,780億円、自己資本比率は81.7%から79.2%へ低下しました。営業キャッシュフローは前年同期の175億円から323億円に増えた一方、自己株式取得と配当支払いを主因に財務キャッシュフローは264億円の支出でした。
| 指標 | 2027年3月期中間期 | 比較対象 | 増減・内容 |
|---|---|---|---|
| 総資産 | 4,780億円 | 前期末4,649億円 | +2.8% |
| 自己資本比率 | 79.2% | 前期末81.7% | -2.5ポイント |
| 営業CF | 323億円 | 前年同期175億円 | +148億円 |
| 投資CF | -39億円 | 前年同期-343億円 | 支出縮小 |
| 財務CF | -264億円 | 前年同期-177億円 | 支出拡大 |
営業CFは増益を背景に増加しましたが、売上債権の増加による資金流出もありました。自己株式取得は中間期に430万2,600株を実施し、取得支出は159億円でした。配当は中間33.61円を決定し、期末36.73円を合わせた年間予想を70.34円に修正しています。前期の年間配当52.98円から増える計画で、成長投資と並行して株主還元を強める姿勢が表れています。
通期見通し
ミスミは2027年3月期の通期連結業績予想を上方修正しました。売上高予想は前回の5,320億円から5,650億円へ、営業利益予想は670億円から780億円へ引き上げています。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 修正額 | 修正率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,320億円 | 5,650億円 | +330億円 | +6.2% |
| 営業利益 | 670億円 | 780億円 | +110億円 | +16.4% |
| 経常利益 | 673億円 | 778億円 | +105億円 | +15.6% |
| 純利益 | 448億円 | 524億円 | +76億円 | +17.0% |
上方修正の理由として、Fictiv、エコノミーシリーズ、D-JIT、meviyなどのデジタルモデル施策の効果が想定を上回るペースで続いていることと、データセンター・半導体関連投資を背景とした需要の好調を挙げました。一方、地政学リスクを含む不透明な環境は続くと見ており、下期の為替前提は米ドル155円、ユーロ175円、人民元22.5円です。会社は環境変化に応じて予想を見直す可能性も示しています。
リスクと課題
業績は力強く伸びましたが、会社は地政学リスクなどを含む先行き不透明な状況が続くと説明しています。需要の持続性に加え、運転資金や為替の動きにも注意が必要です。
- 地政学リスク: 中東情勢をはじめとする不透明要因が続き、世界経済や顧客の設備投資が変動すれば受注・販売に影響する可能性があります。
- 需要の偏り: 今期の成長を支えたデータセンター・半導体関連投資が弱まれば、特に好調なFA事業の伸びが鈍化するおそれがあります。
- 運転資金の増加: 売上債権は前期末から増加し、営業CFでは債権増加による資金流出が発生しました。売上拡大に伴う資金回収の管理が課題です。
- 為替変動: 下期予想は特定の為替レートを前提としており、実際の為替が前提から大きく離れれば業績予想に影響する可能性があります。
自己資本比率はなお約8割を保つ一方、自己株式取得や事業拡大に伴う資金需要もあります。需要の勢いを維持できるかと、売上成長をキャッシュ創出につなげられるかが、今後の確認点です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/30)
3,925円
最新終値(2026/10/30)
3,925円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
ミスミをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて専門商社業界の今
掲載35社ミスミは専門商社業界の掲載35社中、売上高で20位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +24.7%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +11.0%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 14社下方 2社
- 営業利益率(業界)
- 3.0%
- ミスミ+62.7%
- 専門商社(業界平均)+24.7%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第1四半期累計は18社合計で売上高+12.3%・営業利益+35.3%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は7社、下回る企業は7社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは14社、下方修正は2社。修正幅が最も大きいのはミスミ(営業利益+41.8%)。





タグ#ミスミ#決算#決算分析#四半期決算#増収増益#上方修正#データセンター#半導体需要#株主還元
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データセンター・半導体関連の需要を、FA事業だけでなくVONA事業の地域成長や採算改善にもつなげた点が印象的です。売上の伸び以上に利益が伸びており、デジタル施策が単なる販売拡大ではなく収益性にも寄与しているかが、今後の評価を左右しそうです。
一方で、通期予想の上方修正は好材料ですが、成長の一部は設備投資需要の強さに支えられています。下期に需要が続くか、また売上債権の増加を抑えながら営業キャッシュフローを確保できるかに注目したいです。
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掲載企業

株式会社ミスミグループ本社
東証 9962
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今後2週間に609社が決算発表 · 注目企業と進捗率を見る他の決算期
4期- 2027年3月期 第2四半期(中間期)
- 2027年3月期 第1四半期
- 2026年3月期 通期
- 2026年3月期 第3四半期



