パソナ、2027年5月期第1四半期決算、営業利益93百万円で黒字化と高付加価値事業の伸長が目指せる

プロ人材戦略が奏功し営業利益転換。人材サービス大手パソナは2027年5月期第1四半期決算を発表しました。決算分析の結果、大型案件終了の影響を吸収する形で=高付加価値BPO事業が牽引=したと読み取れます。売上高は793億2,700万円で前年同期比3.1%増となりました。営業利益は前期の損失5億6,800万円から9億300万円へ黒字に転じ、大幅な改善を示しました。V字回復の兆しを明確に示したこの決算は、DX推進需要を取り込む戦略が実を結びつつあることを意味します。特に「ProShare」に代表されるプロ人材事業の成長が核心にあると見られます。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 793億円 | +3.1% | 3,250億円 | 24% |
| 営業利益 | 93百万円 | — | 15億円 | 6% |
| 純利益 | 5億円 | — | -1,000百万円 | — |
| 営業利益率 | 0.1% | |||
業績のポイント
パソナ(パソナグループ)は、2027年5月期第1四半期の連結業績において、黒字化を確実なものとしました。売上高は793億2,700万円となり、対前年同期比で3.1%増となりました。これは個人消費の持ち直しや企業収益の改善といった緩やかな景気回復が背景にあります。
営業利益は前期同四半期の損失5億6,800万円から当期は利益9億300万円へ転換しました。経常利益も損失6億400万円から利益9,400万円となり、黒字を維持しました。さらに、株式売却益などの特別利益を計上したことで、親会社株主に帰属する四半期純利益は損失6億600万円から利益4億9,600万円へと大幅に拡大しました。
この業績改善の最大の要因は、高付加価値事業であるBPO(業務委託)およびエキスパート(人材派遣)セグメントの堅調な推移です。特にDX(デジタルトランスフォーメーション)推進や経営課題解決を支援する「ProShare」などのサービスが拡大し、単価上昇と売上増に寄与しました。一方で、キャリアソリューション(人材紹介)は前年同期との比較で減少しましたが、AI活用による業務効率化で回復基調にあります。
セグメント別の営業利益率を見ると、HRソリューション全体では5.6%となり、前期の赤字から大幅に改善しました。特にBPOソリューションとエキスパートソリューションの併合的な効果により、収益構造が強化されていることが数値から明らかです。
セグメント別動向
※上記テーブルはHRソリューション内の主要BPOとエキスパートに焦点を当てた比較です。実際には両者合わせても営業利益ベースで大きな黒字となっています。
ライフソリューション(子育て支援等)も売上高25億7,900万円(同+15.7%)、営業利益1億1,500万円と改善しました。東京都内の学童クラブ利用率の向上や、新規委託案件の開始が寄与しています。
全体として、パソナの戦略は「プロ人材」へ移行しつつあり、単なる人員供給から課題解決型サービスへのシフトが収益性を支えています。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| HRソリューション(BPO・エキスパート) | 693億円 | 87% | 34億円 | 4.8% |
| キャリアソリューション | 33億円 | 4% | 7億円 | 22.2% |
| グローバルソリューション | 31億円 | 4% | 1億円 | 4.6% |
| ライフソリューション | 26億円 | 3% | 1億円 | 4.5% |
| 地方創生・観光ソリューション | 23億円 | 3% | -783百万円 | -34.7% |
財務状況と資本政策
財政状態において、総資産は2,286億6,700万円となりました。これは前連結会計年度末と比較して約68億円の減少です。主な要因は有価証券の償還や配当金支出による現金減少ですが、受取手形や売掛金の増加が見られます。
自己資本比率は54.4%となり、前年度末の53.9%から改善しました。受託案件に係る預り金(約108億円)を控除して純粋な実力だけで見ても、自己資本比率は57.1%と依然として高水準を維持しており、資金基盤は非常に健全です。
配当政策については、2026年5月期期末の配当金は1株あたり75円(普通15円+特別60円)でした。2027年5月期の通期予想配当も同様に75円とされています。中間配当は0円、期末配当が予定されており、安定した株主還元を維持しています。
キャッシュ・フロー面では、減価償却費が増加傾向にあり(当期約11億1,500万円)、のれん償却額も増加しています。これはM&Aなどによる買収活動が過去にあったことの表れであり、将来の費用負担増にも留意が必要です。ただし、利益構造そのものは改善しており、内部留保の蓄積が進むでしょう。
リスクと課題
パソナが直面する主なリスクと今後の課題は以下の通りです。
まず、公的調査への対応です。子会社のパソナ株式会社が、労働者派遣における料金設定を巡り公正取引委員会から調査対象となっています。これは業界全体のルール変更やペナルティにつながる可能性があり、今後の業務運営に影響を与える懸念材料となります。全面的に協力していますが、結果次第では影響がでる可能性があります。
また、地方創生・観光ソリューションの黒字化のタイミングです。「ニジゲンノモリ」関連の大型投資は収益性を圧迫しています。施設利用者のさらなる増加や物販の拡大により、いつ黒字転換するのか注視が必要です。
さらに、マクロ経済要因として中東情勢などの地政学的リスクや為替変動が海外セグメントに与える影響も考慮する必要があります。グローバルソリューションは現在好調ですが、円高進行等により収益性が損なわれるリスクもあります。
通期見通し
パソナは前期公表から通期の業績予想に変更はありませんでした。2027年5月期の通期予想は以下の通りです。
| 項目 | 前回予想 | 今回修正 | 前年同期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,250億円 | 3,250億円 | 3,147億円 |
| 営業利益 | 15億円 | 15億円 | -5.68億円 |
| 経常利益 | 15億円 | 15億円 | -0.64億円 |
| 純利益 | -10億円(赤字) | -10億円(赤字) | -6.06億円 |
売上高は前期比+5.3%増の3,250億円を予想しています。これはBPO事業や海外事業が牽引すると見られています。
注目すべきは、営業利益と経常利益は黒字化(15億円)を目指す一方で、純利益が赤字(-10億円)になるという点です。これは一時的な特別損失や税効果、あるいは前期の大型減損などの影響を考慮したもので、実質的な経営体力は通期でも回復傾向にあります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/15)
1,468円
最新終値(2026/10/23)
1,458円-0.7%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#パソナ#決算#決算分析#2168#プロ人材#BPO事業#ProShare#黒字転換#労働者派遣#公正取引委員会
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コメント
パソナの手元にある決算は、単なる「減収」ではなく「質的転換」の過程にあると評価できます。大きなポイントは2つです。
1. プロ人材戦略の確立: BPOセグメントが微減でも営業利益を大幅に増やしたのは、単価の高い「ProShare」等の成功です。これにより、パソナは従来人材量で語られがちだった側面から、DX支援などの高付加価値領域へシフトしつつあることを示しています。
2. V字回復の基盤: 前期が大型公共案件終了とキャリアセグメントの不振で赤字だったため、その反動で今期は好決算に見えます。しかし、グローバル事業やライフソリューションも伸びており、一過性のものではない可能性が高いです。
懸念点としては、公正取引委員会による労働者派遣料金の調査結果があります。これが業界全体の価格破壊を終わらせるか、パソナへの制裁となるかで株価への影響は大きいです。また、ニジゲンノモリ関連の支出増が収益性を圧迫しているのも短期間の見方として注意が必要です。
結論として、プロ人材ビジネスへの変革期と捉えるべきでしょう。長期的な企業価値向上の可能性を秘めていますが、短期的な規制リスクと投資効果の不確実性を見極める必要があります。
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掲載企業

株式会社パソナグループ
東証 2168
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他の決算期
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- 2026年5月期
- 2026年5月期 第3四半期
- 2026年5月期 第2四半期





