新明和、2027年3月期第2四半期決算、航空機好調で営業益40%増

新明和の2027年3月期第2四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比9.4%増、営業利益は40.0%増、純利益は53.6%増となり、増収増益でした。航空機事業の利益が大きく伸びたほか、特装車や流体事業も増益に寄与しました。通期予想は売上高と営業利益などを上方修正し、年間配当予想も前期より2円増の58円としています。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,345億円 | +9.4% | 3,120億円 | 43% |
| 営業利益 | 64億円 | +40.0% | 175億円 | 37% |
| 純利益 | 43億円 | +53.6% | 105億円 | 41% |
| 営業利益率 | 4.8% | |||
この決算のポイント
- 1航空機の営業利益は前年同期比143.9%増。受注残高も52.0%増の768億円に拡大
- 2特装車は売上高が8.0%増、営業利益が14.9%増。保守・修理の受注と売上も増加
- 3産機・環境システムは営業損失6億円。前年同期の2億円の損失から赤字が拡大
- 4通期営業利益予想を175億円へ上方修正。前回予想から5億円引き上げ
- 5年間配当予想は58円。前期実績56円から2円増額する見込み
業績のポイント
新明和(新明和工業)の2027年3月期中間期は、売上高1,345億円(前年同期比9.4%増)、営業利益64億円(同40.0%増)、親会社株主に帰属する中間純利益42億円(同53.6%増)でした。受注高は1,564億円(同8.8%増)、期末受注残高は3,839億円(同13.5%増)です。
- 航空機事業: 売上高は前年同期比21.3%増、営業利益は143.9%増。利益の伸びが全体の増益を押し上げました。
- 特装車事業: 車体などの売上に加え、保守・修理事業の受注と売上が増加し、営業利益は14.9%増でした。
- 流体事業: 国内外で需要が堅調に推移し、売上高は8.1%増、営業利益は61.2%増となりました。
- 産機・環境システム: 環境関連事業は増収でしたが、メカトロニクス製品の売上減少もあり、営業損失が前年同期より拡大しました。
航空機の大幅増益が全体をけん引した一方、すべての事業が一様に伸びたわけではありません。売上高の増加に加え、航空機や特装車、流体の利益改善が営業増益につながりました。受注残も積み上がっており、今後の売上を支える材料ですが、産機・環境システムの赤字縮小が課題です。
セグメント別動向
航空機事業は、売上高が前年同期比21.3%増、営業利益が143.9%増でした。防衛省向けは受注が増えた一方で売上は減少しましたが、民需関連は受注・売上ともに増加し、期末受注残高は52.0%増となりました。受注残の増加が今後の事業を下支えする可能性があります。
特装車は売上高が8.0%増、営業利益が14.9%増でした。車体などの受注は前年同期並みながら売上が増加し、保守・修理事業や林業用機械なども受注・売上が伸びました。パーキングシステムは売上高が2.4%増でしたが、営業利益は4.1%減です。機械式駐車設備は受注増・売上減、航空旅客搭乗橋は受注・売上ともに増加しました。
流体は国内外の堅調な需要を背景に、売上高が8.1%増、営業利益が61.2%増となりました。産機・環境システムは売上高が8.7%増でしたが、線処理機の売上減少などから営業損失は6億円に拡大しました。その他事業は建設事業の受注が減った一方、売上高は14.3%増、営業利益は9.6%増です。
| セグメント | 期末受注残高(億円) | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 特装車 | 1,483 | +6.8% |
| パーキングシステム | 556 | -2.7% |
| 産機・環境システム | 657 | +11.6% |
| 流体 | 162 | +11.8% |
| 航空機 | 769 | +52.0% |
| その他 | 213 | +15.3% |
受注残の増加率では航空機が目立ち、特装車や流体なども前年を上回りました。一方、パーキングシステムは受注残が減少しており、同事業の利益率改善と合わせて今後の受注・売上の推移が焦点になります。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 特装車 | 582億円 | 43% | 30億円 | 5.1% |
| パーキングシステム | 230億円 | 17% | 23億円 | 9.8% |
| 産機・環境システム | 116億円 | 9% | -6億円 | -5.5% |
| 流体 | 112億円 | 8% | 5億円 | 4.1% |
| 航空機 | 220億円 | 16% | 23億円 | 10.3% |
| その他 | 85億円 | 6% | 6億円 | 6.8% |
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は2,916億円で、前期末から45億円減少しました。自己資本比率は43.4%となり、前期末の42.2%から上昇しています。中間配当は1株29円で、前年同期の27円から2円増えました。
| 項目 | 2027年3月期中間期末・実績 | 比較・会社予想 |
|---|---|---|
| 総資産 | 2,916億円 | 前期末比45億円減 |
| 自己資本比率 | 43.4% | 前期末42.2% |
| 営業キャッシュ・フロー | -39億円 | 前年同期は-28億円 |
| 投資キャッシュ・フロー | -46億円 | 前年同期は-48億円 |
| 財務キャッシュ・フロー | +11億円 | 前年同期は+29億円 |
| 年間配当 | 58円予想 | 前期実績56円 |
営業キャッシュ・フローは、棚卸資産の増加や法人税の支払いなどでマイナスでした。設備投資などによる支出も続く一方、長期借入れによる資金調達があり、期末の現金及び現金同等物は286億円と前期末から73億円減少しました。会社は年間配当を前期比2円増の58円と予想しています。短信には自社株買いの発表は記載されていません。
通期見通し
新明和は2027年3月期の通期予想を修正し、売上高を3,120億円、営業利益を175億円へ引き上げました。前回予想から売上高は20億円、営業利益は5億円の上方修正です。親会社株主に帰属する当期純利益は105億円で据え置きました。
| 項目(億円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,100 | 3,120 | 2,850 |
| 営業利益 | 170 | 175 | 163 |
| 経常利益 | 155 | 160 | 163 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 105 | 105 | 115 |
今回予想は前期実績に対し、売上高9.5%増、営業利益7.2%増を見込む一方、経常利益は2.0%減、純利益は8.8%減の計画です。修正理由について会社は中間期の実績と今後の見通しを勘案したと説明しており、個別の事業別修正要因は決算補足説明資料に示すとしています。11月以降の為替前提は1米ドル150円です。
リスクと課題
増収増益と通期予想の上方修正が示された一方、会社は物価上昇や為替変動、地政学リスクなどを挙げ、先行きは不透明としています。受注残の売上化や、赤字事業の収益改善も今後の業績を左右します。
- 地政学・為替変動: 中東情勢を含む地政学リスクや為替の変動が続けば、調達コストや海外事業の採算に影響する可能性があります。会社は11月以降の為替前提を1米ドル150円としています。
- 物価上昇とコスト管理: 物価上昇が継続する環境では、材料費や人件費などの上昇が利益を圧迫するおそれがあります。
- 産機・環境システムの赤字: 売上高は前年同期を上回ったものの、営業損失が拡大しました。線処理機などの売上減少を踏まえ、採算の改善が課題です。
- 運転資金と現金の減少: 棚卸資産の増加などで営業キャッシュ・フローは赤字となり、現金及び現金同等物も前期末から減少しました。受注増を売上・回収につなげられるかが重要です。
受注残の積み上がりは先行きの支えになりますが、受注を利益とキャッシュに結びつける必要があります。とくに棚卸資産の増加を抑えながら納期と採算を管理できるかが、通期計画の達成度をみるうえでのポイントです。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/30)
1,798円
最新終値(2026/10/30)
1,798円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
新明和をライバルと比較
年収・業績・株価を並べて重工業業界の今
掲載7社新明和は重工業業界の掲載7社中、売上高で7位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- −13.0%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +18.6%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 3社下方 0社
- 営業利益率(業界)
- 8.0%
- 新明和−10.5%
- 重工業(業界平均)−13.0%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第1四半期累計は3社合計で売上高+14.3%・営業利益+98.0%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は0社、下回る企業は2社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは3社、下方修正は0社。修正幅が最も大きいのはコマツ(営業利益+15.2%)。






タグ#新明和#決算#決算分析#四半期決算#増収増益#航空機事業#通期予想上方修正#受注残高#配当
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航空機事業の利益急伸と受注残の増加は、今回の決算で最も前向きな材料です。防衛向けの受注増に加え、民需も伸びており、特定分野だけに依存しない受注の広がりが続くか注目されます。
一方、営業増益でも営業キャッシュ・フローは赤字で、棚卸資産の増加が資金を押し下げています。通期予想の上方修正を評価しつつ、下期に受注残を売上へ転換し、産機・環境システムの赤字と運転資金を改善できるかを確認したい決算です。
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