トヨタ紡織、2027年3月期第2四半期決算、増収も営業減益で通期予想を修正

トヨタ紡織の2027年3月期第2四半期決算を分析すると、売上収益は前年同期比9.9%増の1兆683億円となった一方、営業利益は同20.3%減の295億円でした。日本の増産や為替影響で増収を確保したものの、車種構成の変化、中東情勢に伴う市況影響、諸経費の増加が利益を圧迫しました。親会社株主に帰属する中間利益は繰延税金資産の計上もあり29.0%増え、通期予想は修正されています。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1.1兆円 | +9.9% | 2.1兆円 | 51% |
| 営業利益 | 295億円 | -20.3% | 710億円 | 42% |
| 純利益 | 225億円 | +29.0% | 510億円 | 44% |
| 営業利益率 | 2.8% | |||
この決算のポイント
- 1日本の増産や為替影響で売上収益は前年同期比9.9%増の1兆683億円
- 2車種構成や市況、経費増が重荷となり、営業利益は前年同期比20.3%減の295億円
- 3中国は需要変化による減産などで営業利益が前年同期比54.5%減の36億円
- 4通期営業利益予想は710億円、売上収益予想は2兆1,100億円に修正
- 5年間配当予想は前期と同額の86円で、中間配当43円を実施
業績のポイント
トヨタ紡織(トヨタ紡織株式会社)の2027年3月期中間期は、売上収益が前年同期比9.9%増の1兆683億円、営業利益が同20.3%減の295億円、親会社の所有者に帰属する中間利益が同29.0%増の224億円でした。売上は伸びたが本業利益は減少し、純利益の増加には税金費用の減少が寄与しています。
- 売上収益: 日本の生産台数増加や為替影響などを受け、前年同期から960億円増加しました。
- 営業利益: 新製品効果や為替影響があった一方、車種構成の変化、中東情勢に伴う市況影響、諸経費の増加で前年同期から75億円減少しました。
- 親会社帰属利益: 繰延税金資産の計上による法人所得税費用の減少もあり、前年同期から50億円増加しました。
売上総利益は増えたものの、販売費及び一般管理費も増加し、営業利益は減益となりました。中間利益の増加をそのまま本業の改善とみなすのではなく、税金費用の影響と営業段階の収益力を分けて見る必要があります。
セグメント別動向
地域別では、日本とアジアが増益を確保した一方、北中南米、中国、欧州・アフリカで利益が弱含みました。とくに中国の減益と欧州・アフリカの営業赤字が、地域ごとの業績差を広げています。
日本は売上収益が前年同期比7.3%増の4,975億円、営業利益は同5.4%増の80億円でした。車種構成の変化や品質関連費用があったものの、新製品効果と増産効果が利益を押し上げました。
北中南米は売上収益が同16.7%増の3,084億円となりましたが、営業利益は同50.2%減の6億円でした。生産台数増と為替が売上を伸ばした一方、中東情勢に伴う市況影響や諸経費の増加が利益を圧迫しました。
中国は売上収益が同8.4%増の1,062億円、営業利益は同54.5%減の36億円でした。為替影響で売上は増えましたが、需要変化による減産と諸経費の増加が響きました。
アジアは売上収益が同7.3%増の1,547億円、営業利益は同2.6%増の191億円でした。車種構成や費用の逆風を、新車投入効果や為替影響が補いました。
欧州・アフリカは売上収益が同9.5%増の607億円でしたが、営業損失19億円となり、前年同期の営業利益15億円から赤字に転じました。為替影響や合理化があったものの、市況と車種構成の変化が利益を押し下げています。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 4,550億円 | 43% | 80億円 | 1.8% |
| 北中南米 | 3,062億円 | 29% | 6億円 | 0.2% |
| 中国 | 1,019億円 | 10% | 37億円 | 3.6% |
| アジア | 1,459億円 | 14% | 192億円 | 13.2% |
| 欧州・アフリカ | 593億円 | 6% | -19億円 | -3.2% |
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は前期末比69億円増の1兆1,894億円、親会社所有者帰属持分比率は41.7%で、前期末の41.0%から上昇しました。営業キャッシュフローは前年同期を下回り、投資支出を差し引いた資金収支もマイナスでした。
| 項目 | 2027年3月期中間期 | 前年同期・前期比 |
|---|---|---|
| 営業キャッシュフロー(百万円) | 40,949 | 前年同期比 27.8%減 |
| 投資キャッシュフロー(百万円) | -31,306 | 前年同期は -29,820 |
| 財務キャッシュフロー(百万円) | -18,907 | 前年同期は -27,716 |
| 現金及び現金同等物(百万円) | 266,217 | 前期末比 12,290減 |
| 中間配当・年間配当予想(円) | 43・86 | 前期年間配当と同額 |
営業キャッシュフローの減少には、棚卸資産の増加や営業債権の増加などが影響しました。有形固定資産の取得による支出は前年同期より増えており、設備投資を続けながら資金を配分している状況です。年間配当予想は据え置かれ、中間配当43円を支払い、期末も43円を予定しています。決算短信には自社株買いの発表は記載されていません。
通期見通し
トヨタ紡織は2027年3月期の業績予想を修正し、売上収益2兆1,100億円、営業利益710億円、親会社の所有者に帰属する当期利益510億円を見込みます。第2四半期までの実績と、第3四半期以降の顧客の販売動向などを踏まえた見直しです。
| 指標 | 今回予想 | 前期比 | 7月31日公表の前回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|---|
| 売上収益(百万円) | 2,110,000 | +3.6% | 数値記載なし | 数値記載なし |
| 営業利益(百万円) | 71,000 | +31.6% | 数値記載なし | 数値記載なし |
| 税引前利益(百万円) | 75,000 | +21.1% | 数値記載なし | 数値記載なし |
| 親会社帰属当期利益(百万円) | 51,000 | +119.2% | 数値記載なし | 数値記載なし |
短信は前回公表値からの修正を明記していますが、今回のテキストには前回予想と前期実績の金額が載っていないため、比較表では数値を補っていません。通期予想の為替前提は1ドル155円、1ユーロ180円、1人民元23.3円などです。中間期は営業減益だったため、下期に顧客販売の回復や利益率の改善が進むかが予想達成の焦点になります。
リスクと課題
売上収益が増加する一方、複数地域で営業利益が減少しており、販売数量の伸びを利益につなげられるかが課題です。会社は顧客の販売動向などを通期予想の前提に挙げており、外部環境の変化にも注意が必要です。
- 顧客の販売動向: 自動車メーカーの生産・販売計画が変われば、部品需要や稼働率が変動し、売上収益と利益に影響します。
- 地域別の需要変化: 中国では需要変化に伴う減産が利益を押し下げました。北中南米や欧州・アフリカでも市況の変化が採算を左右しています。
- 中東情勢と市況: 中東情勢に伴う市況影響が北中南米などの利益を圧迫しました。情勢の長期化や変化は、販売環境や費用に影響する可能性があります。
- 車種構成と諸経費: 販売車種の構成変化や諸経費の増加が複数地域で利益の重荷となりました。新製品効果や増産効果でこれらを吸収できるかが問われます。
- 為替変動: 通期予想は会社が示した為替レートを前提としています。実際の為替が前提から大きく動けば、売上や利益が予想と異なる可能性があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/29)
2,024円
最新終値(2026/10/29)
2,024円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/29更新
トヨタ紡織をライバルと比較
年収・業績・株価を並べて自動車業界の今
掲載29社トヨタ紡織は自動車業界の掲載29社中、売上高で12位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- −2.6%全業界 +16.0%
- 今期計画 営業利益
- +2.1%全業界 +11.7%
- 予想の上方修正
- 6社下方 4社
- 営業利益率(業界)
- 4.3%
- トヨタ紡織−18.3%
- 自動車(業界平均)−2.6%
- 全業界+16.0%
- 足元の業績今期第1四半期累計は16社合計で売上高+11.6%・営業利益+13.7%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は6社、下回る企業は9社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは6社、下方修正は4社。修正幅が最も大きいのは日野(営業利益+87.5%)。





タグ#トヨタ紡織#決算#決算分析#四半期決算#自動車部品#営業減益#通期業績予想#中国市場#配当
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売上が伸びても利益が減る構図は、単純な生産台数の回復だけでは収益改善が難しいことを示しています。北中南米や中国の減益に加え、欧州・アフリカが黒字から赤字に転じた点は、地域ごとの採算管理が重要になっているサインです。
一方で、日本やアジアでは増産・新製品効果が利益を支えました。通期予想の修正後は、下期に顧客販売の動向を取り込みながら、車種構成や費用増をどこまで抑えられるかに注目したい決算です。
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4期- 2027年3月期 第2四半期(中間期)
- 2027年3月期 第1四半期
- 2026年3月期 通期
- 2026年3月期 第3四半期




