エービーシー・マートが連結営業利益を前年比増の16億円上方修正、物価上昇とインバウンド効果が続投へ
株式会社エービーシー・マートは、2027年2月期通期の業績予想を上方修正しました。連結売上高は4,030億円、営業利益は前年同期比+6.0%増の6億7,200万円を見込みます。消費マインド減退の影響を考慮し下期計画は据え置きも、上半期の上振れ分を反映させました。好調な中期展望

通期業績予想の上方修正と主要数値
エービーシー・マートは、2027年2月期(通期)の連結業績予想を11月4日付で発表しました。今回の修正は、上半期の実績が好調であり、下半期についても前期から設定した計画どおり業務が進んでいると評価した結果です。具体的には、連結売上高は前期予想からの増加分を反映し4,030億円(前期比+0.5%)へ上方修正されました。営業利益については、より大幅に押し上げられ6億7,200万円(前期予想から+1,600百万円、率表示では+2.4%増)となりました。
経常利益も6億9,800万円へ、親会社株主に帰属する当期純利益は4億7,700万円(前期予想比+2.8%増)、1株当たり当期純利益(EPS)は192.64円(同+5.25円増)と、全ての主要指標で上方修正が実施されています。個別業績では、連結売上高2,742億円、営業利益5億8,900万円へ修正されました。前期実績と比較すると、連結売上高は前年比+6.3%増、営業利益は前年比+6.2%増と堅調な成長軌道を維持していることが数値上明らかです。この向上傾向は、業界全体でのコスト管理の進化や販売戦略の最適化が奏功したものと分析できます。
修正の背景:消費マインド鈍化懸念と下期方針
業績予想を上方修正した要因として、会社側は「上半期の期初計画の上振れ分」を取り込んだことを明記しています。上半期においては、物価上昇や円安を背景とした企業収益や個人所得の増加、そしてインバウンド(訪日外国人)客の増加が寄与し、客単価の上昇による売上の拡大が続いたと説明しています。
一方で、下半期の動向については慎重な姿勢を堅持しています。理由として、「物価上昇に伴う消費マインドの低下」および「11月からの国内免税制度の変更(リファウンド方式へ移行)」による影響が想定されるためです。これらの不確実性を勘案し、会社は下半期の予想について期初に定めた計画どおり進める方針であることを示しました。つまり、上期の上振れを下期のさらなる拡大にはつなげず、堅実な達成を目指す「保守的だが現実的な」戦略をとったと言えます。この判断は、過度な楽観視を防ぎつつ、安定した株主還元や経営基盤の強化を約束する意味合いを含んでいます。
前期実績との比較と業界における位置づけ
本開示資料には参考値として2026年2月期の前期実績が含まれています。これらと比較すると、今回の修正予想は前期実績を大きく上回る成長を見込んでいます。連結売上高は前年比+6.3%増、営業利益は前年比+6.2%増となります。これは、ファッション業界における「値上げ転嫁」の成功と、円安 benefiting なインバウンド消費の継続が組み合わさった結果です。
| 項目 | 前期実績 (26/02期) | 今回修正予想 (27/02期) | 前期比増減率 |
|---|---|---|---|
| 連結売上高 | 3,786億2百万円 | 4,030億円 | +6.3% |
| 連結営業利益 | 6億3,287百万円 | 6億7,200百万円 | +6.0% |
| 連結経常利益 | 6億7,156百万円 | 6億9,800百万円 | +3.9% |
| 純利益 | 4億6,346百万円 | 4億7,700百万円 | +2.9% |
業界水準としては、小売業全体が人件費上昇や物流コスト高に苦しむ中、エービーシー・マートは付加価値の高い商品構成と観光需要の取り込みにより、単なる価格競争ではなく「質と体験」での差別化に成功していることが数字から読み取れます。このように、市場環境が悪化する中でも収益性を維持・拡大できる企業体質が確認されました。
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/10/7)
2,768円
最新終値(2026/10/23)
3,016円+9.0%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#エービーシー・マート#2670#業績予想修正#アパレル業界#インバウンド需要#中期経営計画#東証プライム
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コメント
アナリスト視点:本開示は、短期的な足元の好調さを中期的な安定性とつなげた「健全な上方修正」と評価できます。特に注目すべきは、下期の見通しを期初计划据え置きとした点です。これは、免税制度変更(リファンド方式へ)という構造的な変化に対し、会社が過度な楽観を持たずに慎重に推移を見ていることを示唆します。インバウンド減退リスクへの備えとして読めますが、一方で上期の上振れ幅が固定費償却力を高めており、利益率が改善している可能性があります。投資家にとっては、下期のダウントレードを懸念せず、上期の実績を土台とした着実な配当性向の維持や自社株買いへの余力が期待できる材料です。収益性の持続性が鍵となります。
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