アマノ、2027年3月期第2四半期決算、増収も営業利益22%減で通期予想を下方修正

アマノの2027年3月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比1.2%増の849億円となった一方、営業利益は同22.4%減の75億円、純利益は同25.4%減の49億円で、増収減益でした。駐車場管理事業や海外売上が伸びたものの、情報システムや環境システムの落ち込み、販管費の増加が利益を圧迫。会社は中間期と通期の業績予想を下方修正し、売上の伸びが利益につながらない決算となりました。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 849億円 | +1.2% | 1,840億円 | 46% |
| 営業利益 | 75億円 | -22.4% | 200億円 | 38% |
| 純利益 | 50億円 | -25.4% | 145億円 | 34% |
| 営業利益率 | 8.9% | |||
この決算のポイント
- 1時間情報システム事業は売上高662億円、前年同期比2.4%増。パーキングシステムがけん引
- 2環境関連システム事業は売上高187億円、前年同期比2.9%減。大型システムの売上計上が減少
- 3海外売上高は428億円、前年同期比6.1%増で連結売上高の50.5%を占めた
- 4通期売上高予想は1,840億円、前期比4.3%増。営業利益予想は200億円、同11.3%減に修正
- 5中間配当は1株55円で前年同期と同額。年間配当予想は180円を維持
業績のポイント
アマノ(アマノ)は2026年4〜9月期に増収減益となり、営業利益は前年同期から21億67百万円減少しました。売上高が小幅に伸びる一方、売上総利益が減り、販売費及び一般管理費が増えたことが利益を押し下げました。
| 項目 | 前年同期比の増減 |
|---|---|
| 売上高 | +10億5百万円 |
| 売上総利益 | -4億55百万円 |
| 販売費及び一般管理費 | +17億12百万円 |
| 営業利益 | -21億67百万円 |
- 売上構成の変化: パーキングシステムや海外事業が伸びた一方、情報システムと環境システムは前年同期を下回りました。
- 費用の増加: 販売費や一般管理費が増え、売上総利益の減少と合わせて営業利益を圧迫しました。
- 会社計画との比較: 中間期の実績は上期公表計画に未達となり、会社は中間期と通期の予想を見直しました。
前年同期はWindows 10のサポート終了に向けた企業のシステム投資が寄与しましたが、当期はその需要に一服感が出ています。設備投資や駐車場運営の需要を取り込み売上を確保したものの、利益率の回復には製品構成の改善や費用の吸収が課題です。増収でも利益率が低下しており、下期に利益をどこまで取り戻せるかが焦点です。
セグメント別動向
売上の柱である時間情報システム事業は増収、環境関連システム事業は減収でした。両事業ともセグメント利益は前年同期を下回り、売上の増減だけでは採算の強さを判断できない内容です。
時間情報システム事業は売上高662億12百万円、前年同期比2.4%増でした。パーキングシステムは459億89百万円で同5.4%増となり、駐車場管理の運営受託や新商材の拡販が寄与しました。受託車室数は投資継続により前期末から2万2,000台増加。一方、情報システムはWindows 10関連投資の一服やソフトウェアの減少で同3.9%減でした。
環境関連システム事業は売上高187億20百万円、前年同期比2.9%減でした。環境システムは大型システムの売上計上時期の影響などで同6.7%減。クリーンシステムは北米の増収を受けて同3.5%増となり、事業内で明暗が分かれました。
- 時間情報システム事業の利益: 79億69百万円で前年同期比17.3%減。増収の一方、採算面には弱さが残りました。
- 環境関連システム事業の利益: 19億3百万円で前年同期比15.0%減。売上減が利益にも響きました。
時間情報システム事業の増収を支えたのは、売上の過半を占めるパーキングシステムです。対して、情報システムは国内ソフトウェアの減少が響き、環境システムは大型案件の計上時期に左右されました。海外では欧州が堅調で、海外売上高は連結売上高の50.5%に達しています。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 時間情報システム事業 | 662億円 | 78% | 80億円 | 12.0% |
| 環境関連システム事業 | 187億円 | 22% | 19億円 | 10.2% |
財務状況と資本政策
2026年9月末の総資産は前期末比33億41百万円減の1,897億54百万円、自己資本比率は71.6%でした。営業キャッシュフローは黒字を保ちましたが、設備投資や配当などを反映し、現金及び現金同等物は期首から減少しています。
| 項目 | 2026年9月末・中間期 | 比較・補足 |
|---|---|---|
| 総資産 | 1,897億54百万円 | 前期末比33億41百万円減 |
| 自己資本比率 | 71.6% | 前期末から0.2ポイント低下 |
| 営業キャッシュフロー | 100億40百万円 | 前年同期比9億81百万円減 |
| 投資キャッシュフロー | -79億2百万円 | 前年同期より支出32億70百万円増 |
| 現金及び現金同等物 | 398億19百万円 | 前期末比90億54百万円減 |
- 配当: 中間配当は1株55円で前年同期と同額。年間予想は180円で、前期実績の年間180円を維持する計画です。
- 自己株式取得: 中間期の自己株式取得による支出は3億85百万円で、前年同期の39億3百万円から縮小しました。
配当方針では連結配当性向60%以上、総還元性向70%以上を目標に掲げ、純資産配当率2.5%を下限としています。現金残高が減少するなかでも年間配当予想を据え置いており、株主還元を重視する姿勢がうかがえます。営業キャッシュフローは確保したものの、投資活動では有形・無形固定資産の取得にも資金を投じており、成長投資と還元の両立が続くか注目されます。
通期見通し
会社は2027年3月期の中間期と通期の業績予想を修正しました。通期は売上高の増加を見込む一方、営業利益と純利益は前期を下回る計画です。
| 指標 | 今回の通期予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,840億円 | +4.3% |
| 営業利益 | 200億円 | -11.3% |
| 経常利益 | 215億円 | -11.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 145億円 | -28.0% |
- 修正の理由: 中間期の進捗や今後の経済環境、市場動向を踏まえ、2026年4月に公表した中間期・通期予想を見直しました。
- 中間期の状況: 実績は前年同期比で増収減益となり、上期公表計画にも届きませんでした。
売上高の伸びに対して営業利益が減る予想で、会社は年度後半も利益回復に慎重な見方を示しています。短信本文には修正前の予想額が記載されていないため、修正前後の差額は確認できません。予想の修正内容と理由の詳細は、会社が2026年10月27日に公表した「第2四半期(中間期)および通期業績予想の修正に関するお知らせ」に示されています。
戦略トピック
アマノは2026年4月に始まった第10次中期経営計画で、データとAIを核とした事業構造への転換を掲げました。ソフトウェア資産やデータ基盤、IoT・AIプラットフォームへの戦略投資を進め、2031年の「100年企業」に向けてサステナブル経営と企業変革を加速する方針です。
- 重点投資: データ基盤やIoT・AIプラットフォームなど、ソフトウェア・デジタル領域への投資を強化します。
- 事業の変革: 製品販売にとどまらず、クラウドサービスや駐車場運営受託など、継続収益につながる事業を伸ばす方向です。
- 進捗を見る指標: 情報システムのクラウド事業や、駐車場の受託車室数の増加が戦略の実行度を測る手掛かりになります。
今回、ソフトウェア取得や有形固定資産の取得に資金を投じていますが、短信では個別の投資案件ごとの金額や回収目標は示されていません。中間期には情報システムの売上が減少した一方、クラウドサービスは堅調と説明しており、既存需要の一服を補う成長源に育てられるかがポイントです。
リスクと課題
企業の省力化・省人化投資は堅調ですが、景気の先行きには不透明感があります。アマノは外部環境に加え、システム投資の変動や案件の売上計上時期が業績に影響する可能性を挙げています。
- 地政学・通商政策: 中東情勢や米国の通商政策、中国経済の停滞が長引けば、顧客企業の投資判断や海外事業に影響するおそれがあります。
- 大型案件の計上時期: 環境システムでは大型システムの売上計上時期が減収要因となりました。案件の遅れが続けば、売上や利益が期ごとに振れる可能性があります。
- システム投資の反動: Windows 10サポート終了に伴う企業のシステム投資に一服感があり、情報システムのソフトウェア売上が減少しました。更新需要の反動を補う継続的な需要づくりが必要です。
- 海外プロジェクトの遅延: 北米では一部のパーキング案件の延伸が続き、減収要因となりました。案件の進捗や地域ごとの需要変化が業績を左右します。
- 利益率の低下: 増収でも営業利益が減少しました。販管費の増加や事業ごとの売上構成が利益を圧迫しており、成長投資と採算改善の両立が課題です。
海外売上高が連結の半分を超えるなか、欧州やアジアの伸びが北米の弱さを補えるかも注目点です。下期は受注案件の計上とクラウド・運営受託の成長が、通期予想の達成を左右します。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/29)
3,590円
最新終値(2026/10/29)
3,590円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/29更新
アマノをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて機械業界の今
掲載54社アマノは機械業界の掲載54社中、売上高で30位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +17.1%全業界 +16.0%
- 今期計画 営業利益
- +14.1%全業界 +11.7%
- 予想の上方修正
- 17社下方 3社
- 営業利益率(業界)
- 9.6%
- アマノ−10.5%
- 機械(業界平均)+17.1%
- 全業界+16.0%
- 足元の業績今期第1四半期累計は31社合計で売上高+14.5%・営業利益+25.8%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は7社、下回る企業は19社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは17社、下方修正は3社。修正幅が最も大きいのはTHK(営業利益+84.6%)。






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アマノの強みは、勤怠管理や駐車場運営のように、導入後も保守・運営収入につながる事業を持つことです。駐車場管理の受託拡大や海外売上の伸びは、事業基盤の広がりを示しています。
一方、当期は売上が伸びても利益が大きく減り、成長の質が問われる決算でした。第10次中期経営計画で掲げるAI・データ投資が、クラウドサービスなどの継続収益と利益率向上に結びつくかを、下期の進捗と合わせて見たいところです。
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4期- 2027年3月期 第2四半期(中間期)
- 2027年3月期 第1四半期
- 2026年3月期 通期
- 2026年3月期 第3四半期




