ディスコ、2027年3月期第2四半期決算、生成AI需要で営業利益47.9%増

ディスコの2027年3月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比32.1%増、営業利益が47.9%増、純利益が43.7%増と大幅な増収増益でした。生成AI向けデータセンター投資を背景に、先端ロジックやHBM向けの高付加価値装置の出荷が伸び、製品構成の改善などで利益率も上昇しました。会社は新たに2026年4〜12月期の業績予想を公表し、出荷額は前年同期を大きく上回る見通しです。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 2,571億円 | +32.1% |
| 営業利益 | 1,166億円 | +47.9% |
| 純利益 | 804億円 | +43.7% |
| 営業利益率 | 45.4% |
この決算のポイント
- 1出荷額は前年同期比37.2%増。生成AI向け投資を背景に高性能半導体向け製品が伸長
- 2営業利益率は45.4%となり、前年同期の40.5%から4.9ポイント上昇
- 34〜12月期の売上高予想は3,895億円、前年同期比28.2%増。期末配当は未定
- 4中間配当は1株186円と前年同期の129円から増額。年間配当は現時点で未定
- 5営業キャッシュフローは1,117億円の収入。設備取得や定期預金の増加で投資CFは支出
業績のポイント
ディスコ(株式会社ディスコ)の中間期は、売上高が前年同期比32.1%増、営業利益が47.9%増、親会社株主に帰属する中間純利益が43.7%増でした。売上高の増加額は前年同期から625億円、営業利益は377億円、純利益は244億円となり、営業利益率も前年同期の約40.5%から45.4%へ上昇しました。
- 需要: 生成AIの普及を受けたデータセンター投資が続き、先端ロジックやHBMなど高性能半導体向け需要が高水準で推移しました。
- 出荷: 精密加工装置は高付加価値製品を中心に好調で、出荷額は前年同期比37.2%増の2,845億84百万円でした。
- 利益率: 為替の影響や高付加価値製品の増加で売上総利益率が上昇し、人件費や研究開発費など販管費の増加を吸収しました。
- 売上計上: 機械装置の検収が進んだことも売上高の前年同期比増加につながりました。
高性能半導体向けの成長が利益率を押し上げたことが、この決算の中心です。出荷額の伸びが売上高を上回っており、出荷から検収・売上計上までのタイミングにも注目が必要です。経常利益は前年同期比44.0%増でしたが、為替差損の計上があり、営業利益の伸び率を下回りました。
セグメント別動向
決算短信では、事業セグメント別の売上高や営業利益は開示されていません。製品別では、精密加工装置と消耗品の精密加工ツールがともに前年同期を上回り、特に高性能半導体向け装置の出荷が業績をけん引しました。
- 精密加工装置: 高性能半導体向けの高付加価値製品を中心に出荷が好調でした。生成AI向けデータセンター投資や、先端ロジック、HBMの需要が追い風です。
- 精密加工ツール: 顧客の設備稼働率などに連動する消耗品で、出荷は高水準で推移しました。装置需要だけでなく、稼働中の設備から生じる需要も業績を支えています。
装置と消耗品の双方が堅調だったことは、半導体メーカーの設備投資と工場稼働の両面で需要が強かったことを示します。一方、セグメント別の数値がないため、地域別・製品別の利益貢献や伸びの差はこの短信だけでは判断できません。今後は補足説明資料で、製品構成や受注・出荷の動きがどこまで示されるかが確認点です。
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は前期末から811億円増え、自己資本比率は76.1%でした。営業活動で資金を確保する一方、工場設備の取得や定期預金への振り替え、配当金の支払いがありました。
| 項目 | 2027年3月期中間期末・累計 | 前期末・前年同期との比較 |
|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 824,584 | 前期末743,410 |
| 自己資本比率(%) | 76.1 | 前期末から2.8ポイント低下 |
| 営業CF(百万円) | 111,708 | 前年同期比181.5%増 |
| 投資CF(百万円) | -54,814 | 支出額は前年同期比258.9%増 |
| フリーCF(百万円) | 56,893 | 前年同期は24,409百万円の収入 |
| 中間配当(円/株) | 186 | 前年同期の129円から増額 |
営業キャッシュフローの増加には、税引前利益の伸びや契約負債の増加が寄与しました。投資キャッシュフローの支出には定期預金の増加と有形固定資産の取得が含まれ、期末の現金及び現金同等物は2,006億27百万円です。中間配当は増額された一方、期末配当と年間配当の予想は未定で、自社株買いについてはこの短信に記載がありません。
通期見通し
会社は、これまで未開示だった2026年4〜12月期の連結業績予想を新たに公表しました。売上高は前年同期比28.2%増、営業利益は38.4%増を見込み、出荷額は4,342億円を想定しています。
| 指標 | 2026年4〜12月期予想 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 389,500 | +28.2% |
| 営業利益(百万円) | 174,700 | +38.4% |
| 経常利益(百万円) | 173,400 | +37.1% |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益(百万円) | 121,900 | +31.6% |
| 出荷額(億円) | 4,342 | 短信に記載なし |
この予想は4〜12月の累計で、2027年3月期通期の業績予想ではありません。10〜12月期の想定為替レートは1ドル151円で、会社は半導体・電子部品業界の市場環境と直近の業績動向を踏まえて予測を精査したと説明しています。AI関連投資の継続が前提となる一方、会社自身も実際の業績はさまざまな要因で大きく異なる可能性があるとしています。
リスクと課題
足元の業績は半導体需要の強さに支えられていますが、顧客の設備投資や工場稼働の変化が装置・消耗品の出荷に影響します。会社は予想の達成を約束するものではなく、実際の業績は複数の要因で変動し得ると説明しています。
- 半導体投資の変動: データセンターやAI関連の設備投資が減速すれば、高性能半導体向け装置の需要や出荷が弱まる可能性があります。
- 顧客の設備稼働率: 精密加工ツールの需要は顧客の設備稼働率などに連動するため、工場稼働の低下が消耗品の出荷に影響します。
- 為替変動: 会社は10〜12月期の想定為替レートを1ドル151円としています。想定からの円高・円安のずれは、業績に影響する可能性があります。
- 売上計上の時期: 機械装置の検収進捗が売上高に関係するため、検収の時期によって四半期ごとの業績が変動する場合があります。
とくに注視したいのは、生成AI向けの強い需要が続くかどうかと、出荷が実際の売上計上へ結びつくペースです。会社予想は四半期累計で示されているため、次回以降の実績との比較では、需要だけでなく検収の進み方も確認する必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/22)
51,230円
最新終値(2026/10/23)
49,290円-3.8%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#ディスコ#決算#決算分析#四半期決算#半導体製造装置#生成AI#HBM#増収増益#配当
この記事はいかがでしたか?
クリックで反応を送信(登録不要)
コメント
AIデータセンター投資の恩恵が、装置だけでなく稼働に伴う消耗品にも及んでいる点は、需要の裾野の広さを示しています。高付加価値製品の増加が販管費の伸びを吸収し、営業利益率を押し上げたことも、今回の業績の質を評価する材料です。
ただし、開示された予想は通期ではなく4〜12月期までです。中間期の強い伸びをそのまま通期の着地に当てはめず、AI関連の設備投資の持続性、装置の検収時期、為替の影響を分けて追う必要があります。
Googleで業界ダイジェストを優先表示
Google検索の「トップニュース」やAIによる概要で、当サイトの記事が見つけやすくなります。
この記事を引用・シェアする
転載・引用は無料・許可不要(出典明記のみでOK)
https://www.gyokaidigest.com/companies/disco/report/2027-Q2
関連記事
同社の関連記事
- 業界比較2026年3月期 第3四半期半導体製造装置5社・2026年3月期Q3——生成AIが分けた明暗、アドバンテスト「利益2.1倍」の独走劇
- 業界比較2026年3月期 第3四半期半導体製造装置5社・2026年3月期Q3——生成AIが分けた明暗、アドバンテストが利益2倍の独走
- 業績速報発表10月6日ディスコ、上期売上高2136億円で前期比33%増。生成AI関連需要が牽引し予想を大幅上回る
- 業績予想修正・配当予想7月23日ディスコ、4~6月期営業益49%増 中間配当171円に増配 半導体需要拡大で上期も好調
- 業績速報7月6日株式会社ディスコ、2027年3月期第1四半期は売上高が市場予想上回り着地、出荷額は四半期過去最高を更新
半導体製造装置の最新記事
- 決算解説東京エレクトロン2026年3月期 通期東京エレクトロン・2026年3月期通期、純利益5.6%増の5,744億円——AI需要が牽引、次期は大幅な増収増益を予想

- 決算解説アドバンテスト2027年3月期 第1四半期アドバンテスト、2027年3月期第1四半期決算、営業利益53%増で通期予想を上方修正

- 決算解説レーザーテック2026年6月期 通期レーザーテック、2026年6月期通期決算、売上高8.3%減も受注高回復で来期増収増益予想

- 決算解説SCREEN2027年3月期 第1四半期SCREEN、2027年3月期第1四半期決算、営業利益41%減も通期上方修正

- 自己株式の取得枠設定東京エレクトロン5月29日東京エレクトロン、1500億円の自己株式取得枠を設定 資本効率向上と株主還元を強化

- 自己株式の処分アドバンテスト9月30日アドバンテストが自己株式を37億6千万円で処分、海外役員や従業員へ付与へ

掲載企業

株式会社ディスコ
東証 6146
これが最新の決算解説です
他の決算期
4期- 2027年3月期 第2四半期(中間期)
- 2027年3月期 第1四半期
- 2026年3月期 通期
- 2026年3月期 第3四半期





