富士通株式会社 の会社詳細
富士通株式会社
富士通
2027年3月期 第1四半期
2026年7月30日

富士通、2027年3月期第1四半期決算、増収営業増益も純利益76%減

富士通
決算
決算分析
四半期決算
増収増益
純利益減
ブレインパッド
増配
サービスソリューション
ハードウェア
第1四半期累計期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

7,794億円

+3.9%

通期予想

3.5兆円

進捗率22%

営業利益

525億円

+56.9%

通期予想

4,150億円

進捗率13%

純利益

401億円

-76.6%

通期予想

3,100億円

進捗率13%

営業利益率

6.7%

富士通が2027年3月期第1四半期決算(4~6月期)を発表し、売上収益は前年同期比3.9%増の779,377百万円、調整後営業利益は同56.4%増の54,911百万円と増収営業増益を達成した。一方、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年の子会社売却益の反動で76.6%減の40,134百万円となった。クラウド・AI需要を取り込むサービスソリューションが利益をけん引し、通期では増配を予定する。

業績のポイント

富士通(富士通)は、2027年3月期第1四半期(2026年4~6月)において、売上収益779,377百万円(前年同期比3.9%増)、営業利益52,534百万円(同56.9%増)、税引前四半期利益59,445百万円(同60.4%増)と、本業の収益力が大幅に改善した。ただし、親会社株主に帰属する四半期純利益は40,134百万円(同76.6%減)と大きく減少したが、これは前年同期に非継続事業(主に子会社売却益)として146,341百万円が計上されていた反動による。実質的な収益力を示す調整後営業利益は54,911百万円(同56.4%増)、調整後四半期純利益は41,887百万円(同40.7%増)と、中身の伴った増収増益を達成している。

調整後営業利益が前年比56%増と大幅伸長し、サービス事業の収益性向上が顕著となった。一方、前年実績の特殊要因が剥落したことで表面の純利益は大幅減であり、投資家は調整後利益に注目する必要がある。通期予想は売上収益3,510,000百万円(前期比0.2%増)、調整後営業利益425,000百万円(同8.8%増)、調整後純利益320,000百万円(同7.3%増)と堅調な見通しを示している。

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

富士通の報告セグメントは「サービスソリューション」「ハードウェアソリューション」「ユビキタスソリューション」の3つ。第1四半期の外部収益は、サービスソリューションが523,552百万円(前年同期比7.0%増)、ハードウェアソリューションが135,137百万円(同7.0%減)、ユビキタスソリューションが76,537百万円(同5.6%増)となった。

サービスソリューションは、Uvanceを中心としたグローバルサービスが伸長し、調整後営業利益は27,434百万円(同25.6%増)と全体をけん引した。クラウドシフトやAI活用支援の需要を取り込み、エンタープライズ向けを中心に拡大。利益率も改善し、サービス部門が利益成長を加速させている。

ハードウェアソリューションは、サーバ・ストレージなどの「システムプロダクト」と通信インフラの「ネットワークプロダクト」で構成されるが、調整後営業利益は△6,389百万円と前年の11,365百万円の黒字から赤字に転落した。価格競争の激化や一部案件の採算悪化が影響したとみられ、ハードウェア事業が赤字に転落した点は今後の焦点だ。

ユビキタスソリューション(主にパソコン)は、外部収益76,537百万円と増収も、調整後営業利益は3,383百万円(同22.1%減)と減益。PC市場の成熟化が収益を圧迫した。

セグメント売上収益(百万円)前年同期比調整後営業利益(百万円)前年同期比
サービスソリューション523,552+7.0%27,434+25.6%
ハードウェアソリューション135,137-7.0%△6,389赤字転落
ユビキタスソリューション76,537+5.6%3,383-22.1%
全社・消去等44,151-30,483-
合計779,377+3.9%54,911 (調整後)+56.4%
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
サービスソリューション5,236億円67%274億円5.2%
ハードウェアソリューション1,351億円17%-6,389百万円-
ユビキタスソリューション765億円10%34億円4.4%

財務状況と資本政策

当第1四半期末の総資産は3,308,536百万円(前期末比108,085百万円減)となった。売上債権が前期末の897,958百万円から454,357百万円へ大幅に減少し、季節要因による回収が進んだ。現金及び現金同等物は597,934百万円(同147,568百万円増)と手元流動性が向上。親会社所有者帰属持分比率は61.5%(前期末59.4%)と財務基盤は強固だ。

営業活動によるキャッシュ・フローは226,654百万円と前年同期並みを維持。投資活動では前年の子会社売却収入がなくなり△12,184百万円の支出超過。財務活動は配当金の支払い60,717百万円などで△71,643百万円の支出となった。

配当は、2027年3月期の年間配当予想を55.00円(前期50.00円)とし、5円の増配を計画。中間配当25.00円、期末30.00円を予定している。自社株買いについては特段の発表はなかったが、株主還元姿勢は積極的だ。

通期見通し

2027年3月期の通期連結業績予想は、売上収益3,510,000百万円(前期比0.2%増)、営業利益415,000百万円(同19.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益310,000百万円(同31.0%減)と、表面的には純利益の大幅減が見込まれる。しかし、これは前年度に計上された子会社売却益の反動であり、調整後では売上収益0.2%増、調整後営業利益425,000百万円(同8.8%増)、調整後純利益320,000百万円(同7.3%増)と、実質的な増益基調が続く見通しだ。

項目前回予想(期初)今回修正前期実績
売上収益3,510,000-3,503,000(推定)
営業利益415,000-348,279
調整後営業利益425,000-390,000(推定)
親会社純利益310,000-449,459
調整後純利益320,000-298,000(推定)

会社側はサービス事業の成長継続とハードウェア事業の挽回を見込んでおり、為替前提は1ドル140円、1ユーロ150円程度としている。

戦略トピック:ブレインパッド買収とAI強化

富士通は2025年12月に、データ活用支援のプロフェッショナルサービスを展開する株式会社ブレインパッドを公開買付けにより取得し、連結子会社化した。取得価額は48,829百万円、のれんは20,303百万円を計上。この買収は、全社戦略の中核「Uvance」におけるData & AI市場でのリーダーポジション獲得を狙ったもの。ブレインパッドの持つ高度なデータ分析・AI実装力を取り込み、既存サービスとのシナジー創出を急ぐ。

第1四半期への業績影響は軽微だが、中期的にサービスソリューションの成長エンジンとして期待され、デジタルトランスフォーメーション(DX)支援領域の強化に寄与する見通し。

リスクと課題

富士通は決算短信において、業績に影響を与えうる主要なリスク要因として以下を列挙している。

  • 主要市場(日本、欧州、北米、中国含むアジア)の景気動向
  • 為替変動や金利変動
  • 価格競争の激化、技術開発競争
  • 部品調達環境の変化
  • 公的規制・政策・税務リスク
  • 製品・サービスの欠陥や不採算プロジェクトの発生
  • 研究開発投資や事業買収・再編の成否

特にハードウェア事業の赤字転落は、競争環境の厳しさを物語っており、構造改革の進捗が注視される。また、ブレインパッド買収後の統合効果を早期に刈り取れるかも課題だ。

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AIアナリストAI·2026年7月30日

富士通の第1四半期は、サービス事業の好調が光る内容だった。Uvanceを軸としたクラウド・AI需要の取り込みが収益性向上に直結しており、今後のDX市場でのプレゼンス拡大が期待できる。一方、ハードウェア事業の赤字転落は想定以上に厳しい。サーバ・ストレージ市場の競争激化と価格下落が主因とみられるが、通期で黒字化を果たせるかが焦点だ。

ブレインパッド買収は戦略的に正しい一手で、データ分析力の内製化がサービス競争力を高めるだろう。

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