野村不動産、2027年3月期第2四半期決算、減収減益も通期利益予想を上方修正
野村不動産の2027年3月期第2四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比4.8%減の3,784億円、営業利益は18.7%減の465億円で減収減益となりました。都市開発の利益減少や販売費の増加が響いた一方、中間期の実績と今後の見通しを踏まえ、会社は通期の営業利益予想を前回から上方修正。年間配当予想も前期比4円増の44円としています。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,785億円 | -4.8% | 1.1兆円 | 35% |
| 営業利益 | 465億円 | -18.7% | 1,460億円 | 32% |
| 純利益 | 273億円 | -12.9% | 860億円 | 32% |
| 営業利益率 | 12.3% | |||
この決算のポイント
- 1都市開発の事業利益は前年同期比59.4%減。セグメント間で利益の明暗が分かれた
- 2運営管理の通期売上高予想を50億円、事業利益予想を20億円引き上げ
- 3通期営業利益予想を前回から60億円増額し、1,460億円に修正
- 4年間配当予想は前期の40円から44円へ増配。中間配当も18円から22円に増加
- 5営業キャッシュフローは762億円の赤字。前年同期より赤字幅が拡大
業績のポイント
野村不動産(野村不動産ホールディングス)の2027年3月期中間期は、売上高が前年同期比4.8%減の3,784億円、営業利益が18.7%減の465億円、親会社株主に帰属する中間純利益が12.9%減の273億円でした。売上高・各利益がそろって前年割れとなり、営業利益の減少率が売上高を上回りました。
- 売上総利益: 前年同期から約59億円減少。売上高の減少に加え、売上原価率の上昇が利益を圧迫
- 販売費及び一般管理費: 前年同期から約48億円増加し、営業利益を押し下げ
- 営業外損益: 支払利息が前年同期より約18億円増え、経常利益は23.2%減の390億円
- 中間純利益: 前年同期比12.9%減。特別利益は20億円あった一方、税引前中間純利益の減少が響く
営業利益の減少は、営業総利益の縮小と販管費の増加が重なった結果です。さらに支払利息の増加で経常利益の落ち込みが営業利益を上回り、金利負担も利益を左右する要因となっています。決算短信は個別事業の増減要因を詳述していないため、販売環境やコスト上昇の背景は決算説明資料での確認が必要です。
セグメント別動向
住宅は増収増益となる一方、都市開発は減収となり、利益が大きく減少しました。セグメント別の事業利益は前年同期比で都市開発の落ち込みが目立ち、住宅がそれを補う形です。
住宅は、売上高が前年同期比8.6%増、営業利益が29.2%増でした。売上高と利益がともに伸びた一方、決算短信には販売戸数や物件構成など、増加の具体的な要因は記載されていません。
都市開発は、売上高が27.7%減、事業利益が59.4%減となりました。前年同期には減損損失が計上されていましたが、今期も営業利益は大きく減少しており、利益面の回復にはなお課題が残ります。個別案件の進捗や売却時期など、詳しい背景は短信本文では説明されていません。
- 海外: 売上高は前年同期比13.9%減。事業利益は前年の黒字から赤字に転じたものの、持分売却益が利益を下支え
- 資産運用: 売上高は9.2%増、事業利益は9.1%増
- 仲介・CRE: 売上高は4.7%増、事業利益は2.9%増
- 運営管理: 売上高は2.2%減、事業利益は36.5%減
住宅、資産運用、仲介・CREは事業利益が前年同期を上回りましたが、都市開発と運営管理の減益が全体を押し下げました。今後は、住宅の利益成長が続くかに加え、都市開発の収益回復や運営管理の採算改善が通期達成の焦点です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 住宅 | 1,942億円 | 51% | 264億円 | 13.6% |
| 都市開発 | 923億円 | 24% | 95億円 | 10.3% |
| 海外 | 18億円 | 1% | -41億円 | -229.2% |
| 資産運用 | 83億円 | 2% | 54億円 | 65.4% |
| 仲介・CRE | 308億円 | 8% | 97億円 | 31.4% |
| 運営管理 | 509億円 | 14% | 36億円 | 7.1% |
通期見通し
野村不動産は2027年3月期の連結業績予想を上方修正し、営業利益を前回予想から60億円引き上げました。売上高予想も50億円増額し、会社は中間期の業績と今後の見通しを精査した結果と説明しています。
| 項目(百万円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,080,000 | 1,085,000 | 942,505 |
| 営業利益 | 140,000 | 146,000 | 138,242 |
| 事業利益 | 150,000 | 153,000 | 147,384 |
| 経常利益 | 125,000 | 127,000 | 124,807 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 86,000 | 86,000 | 82,880 |
修正後の会社予想は前期比で売上高15.1%増、営業利益5.6%増、純利益3.8%増です。セグメント別では運営管理の売上高予想を50億円、事業利益予想を20億円引き上げる一方、都市開発の事業利益予想は30億円引き下げました。住宅の事業利益予想も40億円増額しており、事業ごとの上げ下げを反映した修正です。
財務状況と資本政策
2026年9月末の総資産は前期末から1,066億円増え、2兆9,186億円となりました。自己資本比率は前期末から0.5ポイント低下し28.0%です。配当は中間・期末を合わせて年間44円を見込み、前期から4円増やす計画です。
| 項目 | 2027年3月期中間期・9月末 | 前期・前年同期 | 比較 |
|---|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 2,918,582 | 2,811,989 | 前期末比 +3.8% |
| 自己資本比率 | 28.0% | 28.5% | -0.5ポイント |
| 営業キャッシュフロー(百万円) | -76,208 | -32,412 | 赤字幅が拡大 |
| 投資キャッシュフロー(百万円) | -15,415 | -86,650 | 支出が縮小 |
| 財務キャッシュフロー(百万円) | 93,033 | 124,045 | 流入が縮小 |
| 年間配当(円) | 44(予想) | 40(実績) | +4円 |
営業キャッシュフローの赤字拡大には、仕入債務の減少や営業エクイティ投資の増加などが影響しました。投資キャッシュフローの支出は前年同期より縮小し、財務キャッシュフローは借入金やコマーシャル・ペーパーの調達などでプラスを確保しています。年間配当の増額は示されましたが、短信に大規模な自社株買いの発表はありません。
リスクと課題
中間期は減収減益となり、営業キャッシュフローの赤字も拡大しました。通期予想は上方修正されたものの、セグメント間の利益差や金利負担、資金繰りの動きには注意が必要です。
- 都市開発の利益変動: 中間期の事業利益は前年同期比59.4%減。通期予想も引き下げられており、案件の進捗や収益回復が課題
- 金利上昇・調達コスト: 支払利息が前年同期より増加。借入金やコマーシャル・ペーパーを活用するため、金利負担の増加は利益を圧迫する可能性
- 営業キャッシュフローの赤字: 赤字幅が前年同期より拡大。棚卸資産や営業エクイティ投資など、運転資金・投資の動向が資金収支を左右
- 業績予想の不確実性: 会社は予想が一定の前提に基づくもので、実際の業績はさまざまな要因で変動し得ると説明
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/29)
863.8円
最新終値(2026/10/29)
863.8円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/29更新
野村不動産をライバルと比較
年収・業績・株価を並べて建設・不動産業界の今
掲載61社野村不動産は建設・不動産業界の掲載61社中、売上高で17位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +4.2%全業界 +16.0%
- 今期計画 営業利益
- +1.1%全業界 +11.7%
- 予想の上方修正
- 8社下方 0社
- 営業利益率(業界)
- 10.1%
- 野村不動産−6.4%
- 建設・不動産(業界平均)+4.2%
- 全業界+16.0%
- 足元の業績今期第1四半期累計は39社合計で売上高+6.6%・営業利益+17.6%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は5社、下回る企業は29社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは8社、下方修正は0社。修正幅が最も大きいのはユアテック(営業利益+16.9%)。






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中間期は都市開発の減益が目立つ一方、住宅は利益を伸ばしており、事業ポートフォリオの強弱がはっきり出た決算です。通期営業利益の上方修正は前向きですが、修正幅の一部は住宅や運営管理の見通し改善によるもので、都市開発の回復が確認されたわけではありません。
投資家は通期予想の達成だけでなく、営業キャッシュフローの赤字が後半にどう改善するか、金利負担が利益をどの程度抑えるかを見極めたいところです。就職活動中の学生にとっては、住宅販売だけでなく運営管理や仲介・CREなど複数の事業が収益を支える構造も注目点です。
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野村不動産ホールディングス株式会社
東証 3231
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4期- 2027年3月期 第2四半期(中間期)
- 2027年3月期 第1四半期
- 2026年3月期 通期
- 2026年3月期 第3四半期





