島精機、2027年3月期第2四半期決算、横編機不振で営業赤字拡大

島精機の2027年3月期中間決算は、売上高が前年同期比17.5%減の149億18百万円となり、営業損失は21億85百万円に拡大しました。主力の横編機でバングラデシュや中国の設備投資が鈍り、販売が減少したことが響き、前年同期の黒字から17億90百万円の純損失に転落。下期は新モデルの本格展開と構造改革を進める一方、通期予想も修正しており、回復の進み具合が焦点です。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 149億円 | -17.5% | 343億円 | 43% |
| 営業利益 | -22億円 | — | -48億円 | — |
| 純利益 | -18億円 | — | -51億円 | — |
| 営業利益率 | -14.6% | |||
この決算のポイント
- 1横編機の販売減少で中間期売上高は前年同期比17.5%減、営業損失は21億85百万円に拡大
- 2横編機の売上高は前年同期比23.0%減、バングラデシュ・中国で設備投資に慎重な姿勢
- 3デザインシステム関連の売上高は0.5%増、APEXFizと自動裁断機P-CAMの販売が増加
- 4中間期の受注高は前年同期比6.5%増、受注残高は24.4%増の49億86百万円
- 5年間配当予想は前期と同じ20円、通期業績予想は修正したが修正前の数値は短信に未掲載
業績のポイント
島精機(島精機製作所)は中間期に減収となり、営業損失・純損失がともに拡大しました。売上高は前年同期比17.5%減、営業損失は前年同期の79百万円から21億85百万円へ、親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期の6億72百万円の黒字から17億90百万円の赤字へ転じました。
- 主力事業の販売減: 横編機の販売台数が減少し、売上高を押し下げました。特にアジアの主要市場であるバングラデシュと中国では、競争が厳しく、顧客の設備投資に慎重な姿勢が続いています。
- 新モデルの寄与は限定的: コストパフォーマンスを重視した成型機は下期の本格展開に向けて販売活動中で、中間期の業績への貢献は限られました。製品ラインアップの移行に伴い、従来機種の販売も前年を下回りました。
- 費用負担が利益を圧迫: 売上総利益率は改善したものの、売上高の減少に加え、販売費及び一般管理費が前年同期の64億41百万円から75億98百万円に増加し、営業赤字が膨らみました。
主力の横編機が減収を主導し、利益面では赤字幅の拡大が目立ちます。会社は開発・調達・製造・販売サービスの見直しを進めており、下期に新モデルの販売拡大と構造改革の効果をどこまで出せるかが、通期計画の達成を左右します。
セグメント別動向
事業別では、売上の中心である横編機の落ち込みが大きく、デザインシステム関連とその他事業は前年を上回りました。受注では売上と異なる動きも出ており、受注残の積み上がりが今後の出荷につながるかが注目されます。
横編機事業は売上高が前年同期比23.0%減でした。バングラデシュと中国で設備投資に慎重な姿勢が続き、販売台数が減少しました。欧州のイタリアでは成型機が堅調でしたが、ホールガーメント横編機は前年を下回り、全体の減収を補えませんでした。
デザインシステム関連事業は売上高が前年同期比0.5%増でした。デザインソフト「APEXFiz」と自動裁断機「P-CAM」の販売が増えた一方、コンピュータ横編機の売上減少を受けて「SDS-ONE APEX」の販売は減少しました。
- 手袋靴下編機: 売上高は前年同期比66.5%減と低調でした。
- その他事業: 編機・デザインシステム用部品、修理・保守事業などを含み、売上高は前年同期比2.9%増でした。
- 受注状況: 全体の受注高は前年同期比6.5%増、受注残高は24.4%増でした。横編機の受注残高も21.7%増となっています。
横編機の受注高・受注残高が前年を上回った点は、販売低迷の底打ちを探る材料です。ただし、受注が売上として計上される時期や採算は明らかでなく、コストパフォーマンスモデルの販売拡大と合わせて確認する必要があります。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 横編機 | 104億円 | 70% | 5億円 | 5.1% |
| デザインシステム関連 | 14億円 | 9% | 2億円 | 16.3% |
| 手袋靴下編機 | 83百万円 | 1% | -24百万円 | -28.9% |
| その他 | 31億円 | 21% | 5億円 | 15.7% |
通期見通し
島精機は2027年3月期の通期連結業績予想を修正しました。今回の予想は売上高343億円、営業損失48億円、親会社株主に帰属する当期純損失51億円で、短信には修正前の予想数値や前期実績が掲載されていないため、比較できる数値は限られます。
| 項目 | 今回予想 | 中間期実績 | 前回予想・前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 34,300 | 14,918 | 短信に数値記載なし |
| 営業利益(百万円) | -4,800 | -2,185 | 短信に数値記載なし |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | -5,100 | -1,790 | 短信に数値記載なし |
会社は修正の詳細を別途公表した「通期業績予想の修正に関するお知らせ」に委ねており、この短信だけでは修正幅や修正理由を確認できません。中間期までの売上高は通期予想の約43.5%にとどまり、下期に新型機の本格展開を予定するものの、販売回復と構造改革の進捗が計画の前提になります。
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は前期末から増加した一方、自己資本比率は低下しました。営業キャッシュフローは黒字を確保し、現金及び現金同等物も前期末を上回っています。
| 項目 | 2027年3月期中間期末・実績 | 比較・前年同期 |
|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 109,960 | 前期末比+429 |
| 自己資本比率 | 73.4% | 前期末比-1.8ポイント |
| 営業キャッシュフロー(百万円) | 2,924 | 前年同期は1,656 |
| 投資キャッシュフロー(百万円) | -3,083 | 前年同期は-5,334 |
| 現金及び現金同等物(百万円) | 15,752 | 前期末比+134 |
営業キャッシュフローの増加には、売上債権の回収や棚卸資産の減少が寄与しました。投資キャッシュフローの支出は主に定期預金の預け入れによるもので、短期借入金の増加などを含む財務キャッシュフローは538百万円のプラスでした。
配当は中間10円、期末予想10円で、年間予想は20円と前期実績から変更ありません。短信に新たな自社株買いの発表はなく、厳しい業績環境のもとでも配当予想を維持する一方、短期借入金は前期末から増加しており、収益回復と資金需要の両面を見極める必要があります。
戦略トピック
島精機は中期経営計画「Ever Onward 2026」の最終年度に、経営基盤の再構築や横編機事業の再生、自動裁断機事業の拡大などを重点施策に掲げています。第1四半期に構造改革本部を立ち上げ、事業運営の見直しを進めています。
- 構造改革: 開発、調達、製造、販売・サービスの全領域で抜本的な見直しを進め、収益力の向上を目指します。
- 横編機の販売回復: 下期からコストパフォーマンスモデルの本格展開を予定しています。中間期の業績寄与は限定的で、今後は販売台数と採算の改善が問われます。
- ソリューションと自動裁断機: サステナブルなものづくりを支援する製品・サービスを提案し、自動裁断機「P-CAM」などの販売拡大を図ります。
市場環境が厳しい中、単に機械を販売するだけでなく、顧客の生産を支えるソリューションを広げる方針です。構造改革による固定費・業務の見直しと、新製品の市場投入を並行して進める点が、今後の業績回復の鍵となります。
リスクと課題
中間期は主力機種の需要減が大きく、通期も営業・純損失を見込んでいます。業績回復には、海外市場の需要や競争環境に加え、社内改革と新モデルの実行力が影響します。
- 設備投資の停滞: バングラデシュや中国で顧客が設備投資に慎重な姿勢を続けると、主力の横編機の販売台数や売上高がさらに下振れする可能性があります。
- 競争の激化: アジアの主要市場で競争が厳しさを増しています。価格競争が強まれば、新モデルを販売しても利益率の改善が遅れるおそれがあります。
- 新モデルの立ち上げ: コストパフォーマンスモデルの販売本格化は下期の計画です。販売時期や顧客の反応が想定に届かなければ、通期予想の達成や横編機事業の再生に影響します。
- 世界経済と為替: 中東情勢の緊迫化、物価上昇、為替変動などで先行きは不透明です。為替差損も中間期の損益に表れており、外部環境の変化が利益を左右する可能性があります。
- 赤字継続と財務負担: 通期も営業損失を予想し、短期借入金は前期末から増えています。自己資本比率は高水準を保つものの、赤字が長引けば資金面や投資余力への影響が課題になります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/30)
854円
最新終値(2026/10/30)
854円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
島精機をライバルと比較
年収・業績・株価を並べて機械業界の今
掲載54社島精機は機械業界の掲載54社中、売上高で52位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +14.9%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +14.5%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 19社下方 4社
- 営業利益率(業界)
- 9.6%
- 島精機−14.0%
- 機械(業界平均)+14.9%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第1四半期累計は27社合計で売上高+14.6%・営業利益+24.4%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は7社、下回る企業は18社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは19社、下方修正は4社。修正幅が最も大きいのはTHK(営業利益+84.6%)。






タグ#島精機#決算#決算分析#四半期決算#横編機#構造改革#受注残高#自動裁断機#業績予想修正
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受注高と受注残高が前年を上回ったことは、主力の横編機事業にとって明るい材料です。ただし、販売は大きく落ち込み、営業赤字も拡大しています。受注の増加が下期の出荷や利益に結びつくかを、慎重に見たい決算です。
構造改革と新モデルの本格展開を同時に進める方針は合理的ですが、どちらも効果が数字に表れるまでには時間がかかる可能性があります。配当維持だけでなく、横編機の採算改善や販売回復が確認できるかが、投資家にも就活生にも注目点です。
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株式会社島精機製作所
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