日本冶金工業、27年3月期営業利益を185億円に上方修正、年間配当も265円へ引き上げ
日本冶金工業は2026年10月30日、2027年3月期の連結営業利益予想を前回の160億円から185億円に引き上げた。売上高は1,740億円から1,770億円、純利益は90億円から105億円に上方修正し、年間配当も220円から265円へ増やす。半導体関連やオイル・ガス向けの需要を見込む一方、営業利益の増額には在庫評価益の拡大が寄与する。前期実績との比較でも、営業利益、純利益とも上回る計画だ。

開示の要点
- 売上高
- 1,770億円
- 営業利益
- 185億円
- 純利益
- 105億円
- 年間配当
- 265円
- 期末配当
- 155円
27年3月期、営業利益を185億円に上方修正
売上高、営業利益、経常利益、純利益のすべてを上方修正した。修正後の各利益は前期実績も上回る見通しだ。
| 指標 | 前回予想(億円) | 今回予想(億円) | 前期実績(億円) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,740 | 1,770 | 1,508.66 |
| 営業利益 | 160 | 185 | 109.73 |
| 経常利益 | 145 | 165 | 96.57 |
| 親会社株主に帰属する純利益 | 90 | 105 | 72.15 |
営業利益の前回予想比は15.6%増、純利益は16.7%増となる。1株当たり当期純利益は649.65円から757.51円に修正し、前期実績の519.86円を上回る見通し。
需要は堅調、利益の増額には在庫評価益も寄与
業績予想の引き上げには、半導体関連やオイル・ガス向けを中心とした受注環境の良さを織り込んだ。もっとも、営業利益の修正幅には在庫評価益の増加も含まれる。
- 需要見通し: 高機能材は半導体関連の需要拡大や、オイル・ガス分野の大型プロジェクトの進展を見込む。ステンレス一般材も、半導体関連を中心に実需が底堅く推移する予想。
- 販売量と単価: 通期の高機能材販売量は65千トンと、前回予想の67千トンから減る一方、単価は1,263円/kgから1,370円/kgへ上がる見込み。一般材は販売量を117千トンから122千トンに引き上げ、単価は544円/kgで据え置いた。
- 在庫評価益: 営業利益予想185億円のうち、在庫評価損益は71億円。これを除く営業利益は114億円で、前回予想の124億円を下回る。
- コスト要因: 在庫評価損益を除く営業利益の変動要因では、販売価格が69億円のプラス要因となる一方、原料などのコストは82億円のマイナス要因と見込む。
利益の上方修正には在庫評価益が寄与する一方、在庫評価損益を除いた利益は前回予想を下回る。需要や販売価格の改善だけでなく、原料コストや在庫評価の動向も、実際の業績を左右する要素となる。
年間配当は265円、前回予想から45円増額
2027年3月期の年間配当予想を220円から265円に引き上げた。期末配当は110円から155円に変更し、前期実績の年間220円を上回る計画だ。
| 配当 | 前回予想(円) | 今回予想(円) | 前期実績(円) |
|---|---|---|---|
| 中間 | 110 | 110 | 110 |
| 期末 | 110 | 155 | 110 |
| 年間合計 | 220 | 265 | 220 |
会社は、事業基盤の整備に必要な投資や業績見通しを考慮し、財務体質の強化を図りながら安定配当を実施する方針を掲げる。今回の増配は、上方修正した業績予想を踏まえたもの。業績見通しの引き上げを配当に反映した形となる。
為替155円、ニッケル7.0ドルを前提に
会社は今回の業績予想について、為替レートを1ドル=155円、ニッケル価格を1ポンド当たり7.0ドルとする前提を示した。予想は発表日時点で入手可能な情報に基づいており、今後の要因によって実績が予想と異なる可能性があるとしている。
上方修正と増配は株主にとって前向きな材料となる一方、利益予想の内訳では、在庫評価損益を除く営業利益が前回予想を下回る。業績の持続力を見極めるうえでは、半導体・エネルギー分野の需要に加え、原料コストや在庫評価の変化にも目を向けたい。
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/10/30)
5,030円
最新終値(2026/10/30)
5,030円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
日本冶金をライバルと比較
年収・業績・株価を並べて鉄鋼業界の今
掲載15社日本冶金は鉄鋼業界の掲載15社中、売上高で12位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +6.9%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +71.1%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 6社下方 4社
- 営業利益率(業界)
- 3.5%
- 日本冶金+17.5%
- 鉄鋼(業界平均)+6.9%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第2四半期累計は8社合計で売上高+11.8%・営業利益+16.5%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は2社、下回る企業は5社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは6社、下方修正は4社。修正幅が最も大きいのは東京製鐵(営業利益+125.0%)。




タグ#日本冶金工業#5480#業績予想修正#配当予想修正#ステンレス#高機能材#半導体関連
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営業利益は前回予想から25億円上積みされるが、補足資料では在庫評価損益を除く営業利益が124億円から114億円へ低下する見通し。販売価格の上昇が原料などのコスト増を吸収しきれない構図が示されている。増配は業績見通しの改善を株主還元に反映したものだが、利益の伸びが在庫評価益にどこまで依存するか、今後の実績で確認する必要がある。
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