東京製鐵が2027年3月期業績予想を上方修正、通期営業利益は10億円へ黒字転換も前期比では減益
東京製鐵は2026年10月16日、2027年3月期の通期個別業績予想の上方修正を発表した。通期の売上高を3,260億円、営業利益を従来の40億円の赤字から10億円の黒字(前期は72.30億円の黒字)へ見直した。製品価格の改定浸透や鉄スクラップ価格の低下が寄与する。前回予想からの急回復となる一方、前期実績比では大幅な減益水準にとどまり、上方修正も前期比減益となる。

開示の要点
- 通期売上高
- 3,260億円(前回比+3.5%)
- 通期営業利益
- 10億円(黒字転換)
- 通期純利益
- 70億円(前回比+600.0%)
- 中間純利益
- 22.50億円(前回比+125.0%)
通期営業利益は黒字へ一転、純利益は70億円に増額
東京製鐵は2027年3月期通期の個別業績予想を大幅に引き上げた。通期営業利益は従来予想の40億円の赤字から10億円の黒字へ改善し、当期純利益も従来の10億円から70億円へと大きく上振れる見通しだ。
製品出荷単価の上昇と主原料コストの抑制が収益を押し上げる。7〜9月期において鉄スクラップの購入価格が想定を下回ったことに加え、実施済みの価格改定が今後も順次反映される見込みとなった。
前回公表(2026年7月17日)時点の慎重見通しから一転して黒字化を確保したことで、短期的な業績懸念は和らぐ形となった。
業績予想数値の修正比較
通期および第2四半期累計(中間期)の修正数値と、比較対象となる前回予想・前期実績は以下の通りである。
通期個別業績予想の比較(2026年4月1日〜2027年3月31日)
| 指標 | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 3,150.00 | 3,260.00 | 2,680.95 |
| 営業利益(億円) | -40.00 | 10.00 | 72.30 |
| 経常利益(億円) | -25.00 | 20.00 | 86.32 |
| 当期純利益(億円) | 10.00 | 70.00 | 115.57 |
| 1株当たり利益(円) | 9.81 | 69.28 | 112.56 |
第2四半期累計個別業績予想の比較(2026年4月1日〜2026年9月30日)
| 指標 | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 1,550.00 | 1,504.00 | 1,338.94 |
| 営業利益(億円) | -40.00 | -35.00 | 60.45 |
| 経常利益(億円) | -30.00 | -31.50 | 69.83 |
| 中間純利益(億円) | 10.00 | 22.50 | 45.68 |
| 1株当たり利益(円) | 9.81 | 22.09 | 44.43 |
修正後の数値では、通期の売上高が前期実績比で21.6%増の伸ばしを見せる一方、営業利益は前期実績の72.30億円に対して大幅な低水準が続く。
収益改善の要因と経営コスト削減施策
業績予想を引き上げた主な要因および今後の取り組みは以下の通り。
- 製品出荷単価の上昇: 第2四半期累計(7〜9月期)において出荷単価が想定通りに推移し、採算性が改善。
- 主原料価格の下落: 主原料である鉄スクラップの購入価格が当初想定よりも低水準で推移。
- 資産売却による最終益押し上げ: 資産売却を進めた結果、中間純利益が大幅に計画を超過。
- 価格改定のさらなる浸透: 実施済みの価格改定が下半期にかけて順次反映され、通期営業黒字を後押し。
- 全社的なコスト削減: 原材料の使用量削減や国内外の需給変動に応じた柔軟な生産体制の構築を推進。
同社は引き続き採算重視の販売方針を維持する構えだ。原料事情の変化に対して迅速に対応できる体制を強化し、収益基盤の改善を図る。
単価改善と原料安によるダブルの追い風が奏功したものの、外部環境への依存度は依然として高い状態だ。
上方修正の評価と投資家・就活生への視点
今回の発表は、従来予想の営業赤字回避という点では株式市場にとってポジティブなサプライズとなる。当期純利益は前回予想比7倍の70億円に膨らみ、大幅な赤字回避を印象づけた。
一方で、前期実績との比較では厳しい現実が残る。通期営業利益は前期実績の72.30億円から86.2%減となり、純利益も前期の115.57億円から39.4%減にとどまる見込みだ。
就職活動中の学生や投資家は、単なる前回予想からの上振れだけでなく、同社の業績が前期比でなお低空飛行を続けている点に注意したい。鉄スクラップ市況や鋼材需給の変化によるボラティリティの高さが同社の業績構造に大きく影響している。
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/10/16)
1,688円
最新終値(2026/10/23)
1,650円-2.3%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#東京製鐵#5423#業績予想修正#上方修正#鉄鋼#東証プライム
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コメント
前回公表時の通期営業赤字(-40億円)から一転して10億円の黒字化を果たした点は、市場の懸念を払拭する好材料です。主原料である鉄スクラップ価格の下落と単価上昇の相乗効果が現れました。しかし、前期実績の営業利益72.30億円と比較すると前期比86%超の営業減益であり、市況回復の足取りは依然として途上です。価格改定の浸透度合いとスクラップ市況の先行きが今後の焦点となります。
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