FPG、2026年9月期通期決算、リース事業が最高益も不動産減速で減収

FPGの2026年9月期決算を分析すると、売上高は818億10百万円と前期比37.0%減だった一方、営業利益は247億35百万円で2.7%減にとどまりました。国内不動産小口化商品の販売減が売上高を押し下げましたが、リースファンド事業は売上総利益が過去最高を更新。2027年9月期は減収減益を見込む一方、リース事業の大型案件や税制改正後の不動産需要の取り込みを目指します。

決算の数字通期
1年間の確定値(前年比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 今期予想 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 818億円 | -37.0% | 673億円 |
| 営業利益 | 247億円 | -2.7% | 221億円 |
| 純利益 | 170億円 | -6.6% | 150億円 |
| 営業利益率 | 30.2% | ||
この決算のポイント
- 1売上高は37.0%減の818億10百万円、売上総利益はほぼ横ばいを確保
- 2リースファンド事業の売上総利益は17.7%増、組成額は57.2%増で過去最高
- 3国内不動産ファンド事業の売上高は48.1%減、税制改正の影響で販売が減少
- 42027年9月期は売上高17.7%減、営業利益10.5%減を予想
- 5年間配当は101円25銭から89円60銭へ減額予想、最大20億円の自社株買いも決議
業績のポイント
FPG(株式会社FPG)の2026年9月期は、売上高が81,810百万円、前期比37.0%減、営業利益が24,735百万円、同2.7%減、親会社株主に帰属する当期純利益が16,957百万円、同6.6%減でした。売上高の大幅減に対し、売上総利益は36,027百万円、同0.1%減とほぼ横ばいです。
- 売上構成の変化: 国内不動産ファンド事業の不動産商品販売額が大きく減り、連結売上高を押し下げました。
- 利益を支えた事業: リースファンド事業では案件組成が拡大し、売上総利益が増加しました。
- 費用面: 人件費はFPG Amentum Limitedの業績好調に伴う賞与増加などで17.0%増となり、利益を圧迫しました。
FPGの売上高は事業ごとに計上方法が異なり、国内不動産ファンド事業では不動産商品販売額が売上高に含まれます。商品販売が減ると売上高は大きく減少しても、商品の簿価との差額である売上総利益への影響は同じ規模にはなりません。今回はリース事業の利益拡大や国内不動産商品の利益率向上、販売済み物件の売却に伴うインセンティブ報酬もあり、売上高の急減を利益面で吸収しました。
セグメント別動向
リースファンド事業は売上高が31,211百万円、前期比4.6%増、売上総利益が27,238百万円、同17.7%増となり、ともに過去最高を更新しました。リース事業組成額は573,815百万円、同57.2%増で通期の過去最高を大幅に更新。旺盛な投資家需要と大型船舶案件の組成が寄与し、販売を調整しながらも利益を伸ばしました。
国内不動産ファンド事業は売上高が49,809百万円、前期比48.1%減、売上総利益が8,831百万円、同12.4%減でした。2027年1月からの税制改正を受け、不動産小口化商品の販売が減少した一方、商品利益率の向上や販売済み不動産の売却に伴う報酬が利益を下支えしました。組成額は都心の大型物件などを取り込み、75,140百万円、同72.1%増でした。
海外不動産ファンド事業は新規案件の組成・販売がなく、売上高は64百万円、前期比98.2%減でした。ただし、翌期の新規案件は組成が確定しています。その他事業は売上高が725百万円、同73.8%増となったものの、プライベートジェット事業などの費用が先行し、売上総損失は104百万円でした。
リース事業の組成額は過去最高となった一方、国内不動産事業では税制改正を見越した販売の慎重化が続きました。次期はリース事業の成長と海外案件の再開が見込まれますが、国内不動産の販売回復が全社業績の焦点です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| リースファンド事業 | 312億円 | 38% | 272億円 | 87.3% |
| 国内不動産ファンド事業 | 498億円 | 61% | 88億円 | 17.7% |
| 海外不動産ファンド事業 | 64百万円 | 0% | 61百万円 | 95.3% |
| その他事業 | 7億円 | 1% | -1億円 | -14.3% |
財務状況と資本政策
期末の総資産は145,195百万円、前期末比14.5%増、自己資本比率は44.6%と前期末から0.4ポイント低下しました。案件組成に伴う在庫と借入金が増えた一方、営業キャッシュ・フローは商品出資金などの増加を受けて前期から縮小しました。
| 指標 | 2026年9月期末・通期 | 前期または前期末 | 比較 |
|---|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 145,195 | 126,857 | +14.5% |
| 自己資本比率 | 44.6% | 45.0% | -0.4ポイント |
| 営業CF(百万円) | 11,576 | 108,246 | 89.3%減 |
| 年間配当(円) | 101.25 | 130.40 | 22.4%減 |
営業CFは積極的な案件組成で商品出資金などが増えたため、前期の大きな資金流入から減少しました。配当方針は連結配当性向50%を目安としており、2026年9月期の配当性向は50.0%です。さらに2026年10月、株主還元と資本効率の向上を目的に、最大120万株、取得総額20億円の自己株式取得を決議しました。取得期間は2026年11月から2027年4月までです。
通期見通し
2027年9月期は、売上高67,343百万円、前期比17.7%減、営業利益22,143百万円、同10.5%減、親会社株主に帰属する当期純利益15,005百万円、同11.5%減を見込みます。国内不動産ファンド事業の販売減を、リース事業の拡大や海外不動産案件の再開で補う計画です。
| 指標(百万円) | 2026年9月期実績 | 2027年9月期予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 81,810 | 67,343 | -17.7% |
| 営業利益 | 24,735 | 22,143 | -10.5% |
| 経常利益 | 24,735 | 22,147 | -10.5% |
| 当期純利益 | 16,957 | 15,005 | -11.5% |
会社はリースファンド事業で大型案件を積み上げ、組成額や販売額の過去最高更新を目指します。国内不動産ファンド事業では税制改正後の需要を見極めながら、不動産商品販売額30,000百万円を計画し、海外不動産ファンド事業では出資金販売額20,000百万円を見込みます。リース事業の増収増益を想定する一方、国内不動産の減速が全社では減収減益となる主因です。
税制改正への対応
不動産小口化商品を巡っては、2025年12月に公表された税制改正大綱により、相続税や贈与税面のメリットが縮小する可能性が生じました。FPGは影響を見極めるため新規販売を一時停止し、その後、新たな販売方針に切り替えて販売を再開しました。
- 投資家ニーズの確認: 会社は税制改正後も不動産小口化商品への根強い需要があると説明しています。
- 販売網と物件の活用: プライム立地の大型物件を組成し、会計事務所や地方銀行との連携を通じて投資家需要を取り込む方針です。
- 商品構成の拡充: 小口化商品に加え、運用ニーズに応える商品や収益性の高い開発案件にも取り組みます。
会社は、税制改正後も一定の相続税圧縮効果が続き、相続対策としての有用性は維持されるとの見方を示しています。一方で、制度変更後の需要や販売ペースはまだ見極めが必要です。売上高を回復させるには、税制面だけに頼らず、物件の魅力や運用収益を含めた商品力を示せるかが問われます。
リスクと課題
業績の振れ幅が大きい不動産商品の販売環境に加え、海外情勢や金利・為替などの変化も事業運営に影響します。会社が示す見通しは一定の前提に基づくもので、実際の業績は変動する可能性があります。
- 税制改正後の販売動向: 相続税・贈与税面のメリット縮小が投資家の購入判断に影響すれば、国内不動産ファンド事業の販売や利益が計画を下回るおそれがあります。
- 案件組成と在庫の資金負担: 組成資産を増やすには先行資金が必要です。販売が遅れれば在庫負担や借入金が膨らみ、資金繰りや利益を圧迫する可能性があります。
- 海外案件の実行リスク: 海外不動産ファンド事業は当期に新規販売がなく、次期の業績は組成確定案件や追加案件の実行状況に左右されます。
- 外部環境の不透明さ: 中東情勢を含む世界経済の不確実性や為替変動は、投資家需要、調達環境、営業外損益に影響する可能性があります。
特に注目されるのは、リース事業で高い組成実績を維持しながら、税制改正後の国内不動産需要をどこまで取り込めるかです。組成の拡大と販売、在庫・借入金の管理を両立できるかが、利益と株主還元の安定性を左右します。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/29)
1,597円
最新終値(2026/10/29)
1,597円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/29更新
FPGをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて金融業界の今
掲載15社FPGは金融業界の掲載15社中、売上高で12位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +6.0%全業界 +16.0%
- 今期計画 営業利益
- −3.6%全業界 +11.7%
- 予想の上方修正
- 1社下方 0社
- 営業利益率(業界)
- 12.5%
- FPG−29.9%
- 金融(業界平均)+6.0%
- 全業界+16.0%
- 足元の業績今期第1四半期累計は4社合計で売上高+2.0%・営業利益−1.3%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は4社、下回る企業は2社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは1社、下方修正は0社。修正幅が最も大きいのはアイフル(営業利益+9.5%)。





タグ#FPG#決算#決算分析#通期決算#リースファンド#不動産小口化商品#税制改正#増配・減配#自社株買い
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売上高の大幅減だけを見ると厳しい決算に映りますが、商品販売額が売上高に大きく影響する事業構造を踏まえると、売上総利益をほぼ維持した点は底堅さを示しています。リース事業の組成額と利益が過去最高となったことも、次期の成長を支える材料です。
一方、国内不動産ファンド事業の販売回復は税制改正後の顧客需要に左右されます。次期の業績予想はリース事業の伸びを織り込みつつも減収減益で、会社自身も国内不動産事業の回復を慎重に見ています。リースの成長を不動産の再構築につなげられるかが、投資家にとっての大きな確認点です。
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