HOYA、2027年3月期第2四半期決算、営業利益32%増で大幅増益

HOYAの2027年3月期第2四半期決算は、売上収益が前年同期比13.4%増の5,158億円、営業利益が31.6%増の1,734億円、親会社株主に帰属する中間利益が27.3%増の1,365億円となりました。ライフケア事業の収益性改善に加え、半導体関連やデータセンター向け製品が伸びた情報・通信事業が利益を押し上げ、両事業の成長が増益をけん引しました。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,159億円 | +13.4% | 1.0兆円 | 49% |
| 営業利益 | 1,734億円 | +31.6% | — | — |
| 純利益 | 1,365億円 | +27.3% | — | — |
| 営業利益率 | 33.6% | |||
この決算のポイント
- 1情報・通信事業は半導体用マスクブランクスなどが伸び、売上収益が前年同期比23.1%増。
- 2ライフケア事業は売上収益が前年同期比8.5%増、セグメント利益は24.8%増。
- 3通期売上収益予想は初公表で1兆430億円、前期比10.1%増。利益予想は非開示。
- 4中間配当は1株160円で、前年同期の125円から35円増。年間配当予想は未定。
- 5営業キャッシュフローは1,582億円と前年同期比で増加、自己株式取得の支出は781億円。
業績のポイント
HOYA(HOYA株式会社)の2027年3月期中間期は、売上収益が前年同期比13.4%増、営業利益が31.6%増、親会社の所有者に帰属する中間利益が27.3%増となりました。営業利益の増加率が売上の伸びを上回り、利益率も改善しています。
- 増収の中心: ライフケアと情報・通信の両事業が好調で、全体の売上を押し上げました。
- 利益率の改善: ライフケア事業の収益性向上と、利益率の高い情報・通信事業の売上拡大が寄与しました。
- 1株利益: 基本的1株当たり中間利益は408.44円と、前年同期の313.19円から増加しました。
- 会計表示の変更: IFRS第18号を早期適用し、前年同期の営業利益は遡及修正後の数値です。
増収を上回る利益成長の背景には、半導体・データセンター向けの需要拡大と、ライフケア事業の採算改善があります。中間期の税引前利益率は前年同期から3.8ポイント上昇し34.4%となり、売上規模の拡大だけでなく収益力も強まりました。一方、営業利益の前年比較は会計基準の変更後の数値に基づくため、前年公表値との単純比較には注意が必要です。
セグメント別動向
ライフケア事業は売上収益が前年同期比8.5%増、セグメント利益が24.8%増でした。メガネレンズではチェーン店向け販売が好調で、欧州・中国・南米を中心に高付加価値レンズ「MiYOSMART」も伸長しました。コンタクトレンズは高付加価値品やプライベートブランド「hoyaONE」が堅調でした。
情報・通信事業は売上収益が前年同期比23.1%増、セグメント利益が27.9%増となりました。半導体用マスクブランクスはEUV向け先端品の需要やハイエンド品の構成比上昇が追い風となり、ハードディスク用ガラスサブストレートもデータセンター向けニアラインストレージ需要を受けて大幅に伸びました。FPD用フォトマスクは中国工場の立ち上がりに伴い販売が拡大し、光学ソリューションでは交換レンズ向けやCUPOの販売が伸びました。
ライフケアでは白内障用眼内レンズのプレミアム製品が好調だった一方、米国の医療用内視鏡は販売が停滞し、構造改革を続けています。情報・通信の伸びが全社業績を強く支えた一方で、ライフケアはヘルスケア製品の堅調さと医療機器の課題が併存しています。なお、音声合成ソフトウェア事業は2025年10月に譲渡を完了しており、当中間期の「その他」事業の売上はありません。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ライフケア | 3,082億円 | 60% | 626億円 | 20.3% |
| 情報・通信 | 2,077億円 | 40% | 1,145億円 | 55.1% |
通期見通し
HOYAは2027年3月期の通期売上収益を1兆430億円、前期比10.1%増と初めて公表しました。通期予想のうち、営業利益や親会社株主に帰属する当期利益は開示していません。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益(百万円) | 初回公表 | 1,043,000 | +10.1% |
| 営業利益(百万円) | 未公表 | 非開示 | 非開示 |
| 親会社帰属当期利益(百万円) | 未公表 | 非開示 | 非開示 |
今回の売上収益予想は、前回予想からの上方修正ではなく、この期間について初めて公表されたものです。会社は前期実績との差が開示基準に達する可能性が出てきたため、売上収益のみを示しました。情報・通信事業の製品は中間生産材・部材が中心で、最終製品市場の景況や為替によって需要が変動しやすく、会社は第3四半期決算発表時に通期の業績予想を公表する方針です。
財務状況と資本政策
2026年9月末の総資産は1兆3,012億円で、2026年3月末からほぼ横ばいでした。親会社所有者帰属持分比率は77.8%と、期末から0.6ポイント低下しています。
| 項目 | 2027年3月期中間期 | 前年同期・前期との比較 |
|---|---|---|
| 営業活動CF(百万円) | 158,189 | 前年同期比で増加 |
| 投資活動CF(百万円) | -22,484 | 前年同期は18,013百万円の収入 |
| 財務活動CF(百万円) | -143,105 | 前年同期より支出が増加 |
| 期末現金(百万円) | 561,941 | 前期末から減少 |
| 中間配当(1株) | 160円 | 前年同期の125円から35円増 |
営業キャッシュフローは営業利益の増加を主因に前年同期を上回りました。一方、投資活動は前年同期にあった投資売却収入がなく支出超過となり、財務活動では配当金の支払いと自己株式の取得が資金流出を押し上げました。自己株式取得による支出は78,057百万円で、前年同期の48,550百万円から増加しています。期末配当を含む年間配当予想は未定で、会社は設備投資・研究開発・企業買収などの資金需要や経済環境を踏まえて決定するとしています。
リスクと課題
中間期は両事業が伸びましたが、情報・通信事業の需要は顧客の製品市場や世界景気に左右され、海外売上比率の高さから為替変動の影響も受けます。会社が通期の利益予想を示していない点も、業績の振れ幅を見極めるうえで重要です。
- 半導体・電子部品市場: 情報・通信事業の製品は中間生産材や部材が多く、ハイテク部品や最終消費財の景況悪化が需要の減速につながる可能性があります。
- 為替変動: 海外売上比率が高く、為替の変動は売上や利益に影響します。中間期には営業区分の為替差損益がマイナスとなりました。
- 医療用内視鏡: 米国で販売が停滞しており、構造改革の進捗と採算改善が引き続き課題です。
- 通期業績の不確実性: 会社は通期の売上収益のみを予想し、利益は開示していません。市場環境や為替を踏まえた次回予想の更新が焦点です。
これらのリスクは、好調な半導体・データセンター関連の勢いが続くかどうかに加え、ライフケア事業の医療機器分野で改善が進むかを通じて業績に表れます。次の四半期では、需要の持続性と通期見通しの公表内容を確認する必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/30)
26,210円
最新終値(2026/10/30)
26,210円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
HOYAをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて電機業界の今
掲載59社HOYAは電機業界の掲載59社中、売上高で18位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +15.4%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +22.9%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 23社下方 3社
- 営業利益率(業界)
- 10.6%
- HOYA+4.5%
- 電機(業界平均)+15.4%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第1四半期累計は25社合計で売上高+9.2%・営業利益+57.8%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は13社、下回る企業は21社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは23社、下方修正は3社。修正幅が最も大きいのは村田製作所(営業利益+36.8%)。






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今回の決算は、半導体用マスクブランクスやデータセンター向け製品の成長が、HOYAの高い利益率をさらに押し上げた点が印象的です。ライフケアも増益ですが、米国の内視鏡販売には課題が残り、事業ごとの温度差は注視したいところです。
通期は売上予想だけを初公表し、利益予想は示していません。中間期の好調さが下期も続くかは、電子部品市場と為替の動きに左右されるため、次回の通期見通しで会社がどこまで収益の確度を示すかが焦点です。
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- 2027年3月期 第1四半期
- 2026年3月期 通期
- 2026年3月期 第3四半期




