良品計画、2026年8月期通期決算、営業利益40%増で初の1000億円突破、海外事業が牽引

良品計画の2026年8月期通期決算は、営業収益 923,592百万円(前期比 17.7%増)、営業利益 103,436百万円(同 40.1%増)、純利益 76,422百万円(同 50.3%増)となり、営業利益が初の1000億円突破を達成しました。海外事業の拡大と円安効果に加え、生産内製化による原価低減が寄与し、全段階で過去最高益を更新しています。通期配当も従来予想から 6円増額 の年間 38円 とするなど、株主還元を強化しました。

決算の数字通期
1年間の確定値(前年比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 今期予想 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 9,236億円 | +17.7% | 1.0兆円 |
| 営業利益 | 1,034億円 | +40.1% | 1,140億円 |
| 純利益 | 764億円 | +50.3% | 730億円 |
| 営業利益率 | 11.2% | ||
業績のポイント
株式会社良品計画(良品計画)は2026年10月14日、2026年8月期(2025年9月1日~2026年8月31日)の通期決算を発表しました。営業収益は 923,592百万円(前期比 17.7%増)、営業利益は 103,436百万円(同 40.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は 76,422百万円(同 50.3%増)となり、全段階で過去最高益を更新しました。
営業利益は 1,000億円 を初めて突破し、営業利益率は前期の 9.4% から 11.2% へ改善しました。増収増益の主因は、海外事業の成長と円安効果に加え、生産体制の内製化による原価低減と値下げ抑制です。国内外の出店効果もあり、無印良品の期末店舗数は前年比 83店舗増 の 1,486店舗 に拡大しました。
純利益は営業利益の増益に加え、為替差益 3,214百万円 や政策保有株式売却益 2,367百万円、在外子会社での繰延税金資産計上など一時的要因も寄与しました。年間配当は従来予想の 32円 から 38円 へ増額し、前期実質(株式分割考慮後)から 13円の実質増配 となります。
セグメント別動向
報告セグメントは国内事業、東アジア事業、東南アジア・オセアニア事業、欧米事業の4つです。すべてのセグメントが増収増益となりました。
| セグメント | 営業収益 | 前期比 | セグメント利益 | 前期比 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 国内事業 | 510,993百万円 | +8.7% | 63,390百万円 | +21.6% | 12.4% |
| 東アジア事業 | 293,783百万円 | +32.2% | 61,690百万円 | +44.2% | 21.0% |
| 東南アジア・オセアニア事業 | 66,519百万円 | +32.8% | 9,163百万円 | +64.1% | 13.8% |
| 欧米事業 | 52,295百万円 | +24.1% | 8,097百万円 | +17.0% | 15.5% |
国内事業 は、郊外の生活圏を中心に 50店舗 を出店、プロモーション施策が奏功し増収となりました。上期のECシステム障害の影響でEC売上は前年を下回りましたが、店舗売上が補い合計では前年超え。生産内製化による原価低減と店舗運営効率化で利益率が改善しました。
東アジア事業 は、中国大陸で生活雑貨と食品を中心に全部門が伸長し、台湾・香港・韓国も増収増益。営業総利益率の改善と販管費率の低下により、利益率 21.0% と全セグメントで最も高い収益性を維持しました。
東南アジア・オセアニア事業 は、タイとベトナムの旗艦店を中心とした出店と品揃え拡大が寄与。売上伸長に伴う販管費率の改善で、利益は 64.1%増 と大きく伸びました。
欧米事業 は、欧州・北米とも既存店とECが好調でした。2027年8月期出店予定の欧州旗艦店に係る先行経費が発生したものの、利益は 17.0%増 を確保しています。北米でも出店を再開しました。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 国内事業 | 5,110億円 | 55% | 634億円 | 12.4% |
| 東アジア事業 | 2,938億円 | 32% | 617億円 | 21.0% |
| 東南アジア・オセアニア事業 | 665億円 | 7% | 92億円 | 13.8% |
| 欧米事業 | 523億円 | 6% | 81億円 | 15.5% |
財務状況と資本政策
当期末の総資産は 672,299百万円 となり、前期末から 109,550百万円 増加しました。現金及び預金が 337億48百万円 増加し、商品在庫が 355億69百万円 増加、有形固定資産も 206億48百万円 増えています。純資産は 419,265百万円 に拡大し、自己資本比率は 59.0% から 61.1% へ上昇しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは 99,396百万円(前年 73,355百万円)と好調でした。投資活動では店舗やソフトウエアへの投資などで 30,124百万円 の支出、財務活動では借入金返済やリース債務返済、配当支払いなどで 43,771百万円 の支出となり、期末現金及び現金同等物は 169,188百万円 に増加しました。
配当は、2025年9月1日付の 1株→2株の株式分割 を考慮した基準で年間 38円(中間 16円・期末 22円)とし、前期実績(分割後換算25円)から 13円増配 しました。連結配当性向は 26.4%、純資産配当率(DOE)は 5.4% と、株主還元を着実に強化しています。次期も年間 38円 を予定しています。
リスクと課題
会社が示す今後の見通しでは、地政学情勢の不安定化や物価上昇、燃料・原材料等の供給および価格を巡る不確実性により、景気の先行きは不透明としています。
具体的なリスクとしては、以下が挙げられます。
- 海外事業の比率が高いため、為替変動や各国の規制・政治リスクの影響を受けやすい
- 円安や原材料価格上昇による調達コスト増加
- 中国を中心とした東アジア事業への依存度が高く、消費動向の変化や競争激化の影響
- 2027年8月期は一時的要因の反動で純利益が減益予想であり、投資家心理への影響
一方、国内ではECシステム障害のようなオペレーショナルリスクも顕在化しており、システム投資と運用体制の強化が求められます。
通期見通し
2027年8月期の連結業績予想は、営業収益 1,014,000百万円(前期比 +9.8%)、営業利益 114,000百万円(同 +10.2%)、経常利益 111,000百万円(同 +6.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益 73,000百万円(同 -4.5%)です。
| 項目 | 2027年8月期予想 | 2026年8月期実績 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 1,014,000百万円 | 923,592百万円 | +9.8% |
| 営業利益 | 114,000百万円 | 103,436百万円 | +10.2% |
| 経常利益 | 111,000百万円 | 104,670百万円 | +6.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 73,000百万円 | 76,422百万円 | -4.5% |
営業収益は国内外の既存店売上の伸長と店舗数の増加により、初の1兆円超えとなる見通しです。営業利益も4期連続で過去最高を更新する計画で、生産内製化による原価低減や海外事業の売上構成比上昇が寄与します。ただし、純利益は当期に計上した為替差益や政策保有株式売却益、繰延税金資産計上などの一過性利益の反動により減益となる見込みです。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/14)
4,387円
最新終値(2026/10/23)
4,715円+7.5%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#良品計画#決算#通期決算#決算分析#増収増益#海外展開#配当増額#過去最高益#営業利益1000億円突破#上方修正
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コメント
良品計画の2026年8月期は、海外事業の成長が明確に利益を牽引し、営業利益率が11.2%まで改善した点が最大のポジティブサプライズです。特に東アジア事業は売上利益率21.0%と極めて高く、中国大陸の全カテゴリーでの伸長が確認できました。
一方、2027年8月期の純利益減益予想は一過性要因の反動によるもので、事業の実力低下を示すものではありません。むしろ営業利益は2桁増を見込んでおり、利益の質は向上しています。ただし、為替や地政学リスク、中国依存度の高さには引き続き注意が必要です。海外比率の高まりと原価低減の定着が今後の焦点となるでしょう。
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