豊田合成、2027年3月期第2四半期決算、増収増益も純利益減と300億円自社株買い

豊田合成の決算を分析すると、2027年3月期中間期は芦森工業の連結子会社化や為替影響、顧客の生産増を受け、売上収益が前年同期比13.5%増の6,081億円、営業利益が16.1%増の382億円となりました。一方、親会社株主に帰属する中間利益は税負担などが重く2.8%減の269億円。通期予想は据え置く一方、最大300億円の自社株買いを決め、株主還元と成長投資を進めます。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 6,081億円 | +13.5% | 1.2兆円 | 51% |
| 営業利益 | 382億円 | +16.1% | 800億円 | 48% |
| 純利益 | 270億円 | -2.8% | 570億円 | 47% |
| 営業利益率 | 6.3% | |||
この決算のポイント
- 1日本と米州の増販や原価改善が寄与し、営業利益は前年同期比16.1%増の382億円
- 2中国は顧客の生産台数減で売上収益が13.7%減、原価改善と固定費削減で営業利益は増加
- 3通期予想は売上収益1兆2,000億円、営業利益800億円で、4月公表値から変更なし
- 410月30日から最大300億円、発行済み株式の6.1%相当を上限に自社株買い
- 510月1日に1株を5株に分割、投資単位を引き下げて投資家層の拡大を目指す
業績のポイント
豊田合成(豊田合成)は2027年3月期中間期に増収増益となり、売上収益は前年同期比13.5%増の6,081億円、営業利益は16.1%増の382億円でした。一方、親会社の所有者に帰属する中間利益は2.8%減の269億円です。営業増益でも最終利益は減少しました。
- 売上拡大: 芦森工業の連結子会社化による影響や為替影響があり、売上収益を押し上げました。
- 営業利益: 顧客の生産増に伴う増販効果と原価改善が寄与し、前年同期比で53億円増えました。
- 税引前利益: 前年同期比8.1%増の386億円でしたが、金融費用は前年同期の14億円から29億円に増加しました。
- 親会社株主利益: 法人所得税費用が前年同期の46億円から88億円に増え、最終利益を押し下げました。
本業の採算改善と売上拡大が進んだ一方、金融費用や税負担の増加が親会社株主利益の減少につながりました。1株当たり中間利益は、10月の株式分割を考慮した比較で46.04円と前年同期の43.64円を上回っています。営業面の改善が最終利益にも定着するかが、下期の焦点です。
セグメント別動向
6地域のうち、中国を除く5地域で売上収益が前年同期を上回りました。営業利益の伸びは中国と日本で大きく、インドは増販効果があったものの昇給影響などで減益でした。
日本は売上収益が前年同期比17.5%増の2,613億円、営業利益は33.0%増の102億円でした。顧客の生産台数増加に加え、原価改善が利益を押し上げました。
米州は売上収益が14.8%増の2,381億円、営業利益は14.1%増の161億円でした。顧客の生産増と原価改善が寄与し、営業利益額は地域別で最も大きくなりました。
中国は売上収益が13.7%減の366億円でしたが、営業利益は前年同期比93.6%増の16億円でした。顧客の生産台数減少は逆風ながら、原価改善や固定費削減で利益を伸ばしました。
アジアは為替影響などで売上収益が20.8%増の846億円、営業利益は9.8%増の73億円でした。インドは顧客の生産増で売上収益が23.8%増の292億円となった一方、昇給影響などで営業利益は13.1%減の22億円でした。欧州・アフリカは為替影響などで売上収益が8.0%増の169億円、原価改善により営業利益は2.7%増の10億円でした。
- 日本+33.0%
- 米州+14.1%
- 欧州アフリカ+2.7%
- 中国+93.6%
- アジア+9.8%
- インド-13.1%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 2,383億円 | 39% | 102億円 | 4.3% |
| 米州 | 2,363億円 | 39% | 161億円 | 6.8% |
| 欧州・アフリカ | 162億円 | 3% | 10億円 | 6.2% |
| 中国 | 340億円 | 6% | 16億円 | 4.7% |
| アジア | 545億円 | 9% | 73億円 | 13.5% |
| インド | 289億円 | 5% | 22億円 | 7.8% |
通期見通し
豊田合成は2027年3月期の連結業績予想を据え置きました。中間期の営業増益を踏まえても、通期の営業利益予想は前期比0.6%増にとどまり、親会社株主に帰属する当期利益は8.1%減を見込んでいます。
| 項目 | 前回予想(4月公表) | 今回予想 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益(百万円) | 1,200,000 | 1,200,000 | +4.6% |
| 営業利益(百万円) | 80,000 | 80,000 | +0.6% |
| 税引前利益(百万円) | 84,000 | 84,000 | -6.9% |
| 親会社株主利益(百万円) | 57,000 | 57,000 | -8.1% |
会社は予想を変更しておらず、今回の中間決算を受けた上方修正はありません。売上収益の拡大を見込む一方、利益面では税引前利益と親会社株主利益が前期を下回る計画です。会社は、経済情勢や株価、為替動向などにより実績が予想と異なる可能性があるとしています。
財務状況と資本政策
9月末の総資産は前期末比99億円減の9,830億円、親会社所有者帰属持分比率は59.4%と前期末から2.1ポイント上昇しました。10月29日には、資本効率の向上や株主還元の拡充などを目的に、最大300億円の自社株買いを決議しました。
| 項目 | 2026年3月末または前年中間期 | 2026年9月末または当中間期 |
|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 992,907 | 982,998 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 57.3% | 59.4% |
| 営業CF(百万円) | 67,083 | 49,099 |
| 投資CF(百万円) | -9,712 | -35,344 |
| 財務CF(百万円) | -9,935 | -26,721 |
- 配当: 中間配当は分割前株式で85円。期末予想は分割後で18円で、分割前換算の年間配当予想は175円です。前期の年間配当138円を上回る計画です。
- 自社株買い: 2026年10月30日から2027年3月31日まで、普通株式を上限3,600万株、総額300億円で市場買付けします。取得株のうち社員向け譲渡制限付株式の原資とする約1,000万株を除き、消却する方針です。
- 株式分割: 2026年10月1日付で1株を5株に分割し、投資単位の引き下げと株式の流動性向上を図りました。
営業キャッシュフローは前年中間期より減少し、投資キャッシュフローの支出は芦森工業の子会社化に伴う支出などで拡大しました。会社は自社株買いと消却に加え、取得株の一部を社員向け株式報酬に使う方針を示しており、株主還元と「人」への投資を並行させます。
戦略トピック
芦森工業の連結子会社化が中間期の売上収益を押し上げる要因となりました。豊田合成は自動車部品の製造・販売を主力とし、今回の決算では地域ごとの顧客生産や原価改善が業績に反映されています。
- 連結範囲の拡大: 芦森工業の連結子会社化による影響が、売上収益の前年同期比13.5%増の要因の一つとなりました。
- 資本効率の向上: 最大300億円の自己株式取得と、取得株の一部を除いた消却を決議しました。
- 従業員への還元: 自社株買いで取得する株式のうち約1,000万株を、社員向け譲渡制限付株式の原資に充てる見込みです。
自己株式の取得について会社は、資本効率と株主還元の向上に加え、成長の源泉である「人」への投資を強化するためと説明しています。買付けは市場動向によって一部または全部が実施されない可能性があり、実際の取得規模も注目点です。
リスクと課題
中間期は売上と営業利益が伸びましたが、地域ごとに顧客の生産動向や利益の出方に差がありました。会社も、経済情勢や株価、為替動向などによって実績が業績予想と異なる可能性を示しています。
- 自動車生産の変動: 顧客の生産台数は地域別業績に影響します。中国では生産減少が売上収益の前年割れにつながりました。
- 為替変動: 会社は為替影響を売上収益の増加要因として挙げています。為替の反転は海外売上の円換算額などに影響する可能性があります。
- 地域ごとの採算差: 中国は売上が減るなか原価改善と固定費削減で増益でしたが、インドは増販効果を昇給影響などが上回り減益でした。
- 最終利益の伸び悩み: 営業利益が増加した一方、金融費用と法人所得税費用が増え、親会社株主に帰属する中間利益は前年同期を下回りました。
- 業績予想の不確実性: 通期予想は据え置きです。会社は経済情勢や株価、為替動向などを実績が予想から変動する要因として挙げています。
地域別の増販が続くかに加え、原価改善が賃金上昇などのコストをどこまで吸収できるかが課題です。売上拡大を営業利益、さらに親会社株主利益へつなげられるかを確認したい決算です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/29)
950.7円
最新終値(2026/10/29)
950.7円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/29更新
豊田合成をライバルと比較
年収・業績・株価を並べてゴム製品業界の今
掲載6社豊田合成はゴム製品業界の掲載6社中、売上高で4位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +12.3%全業界 +16.0%
- 今期計画 営業利益
- +23.1%全業界 +11.7%
- 予想の上方修正
- 2社下方 1社
- 営業利益率(業界)
- 9.2%
- 豊田合成+25.0%
- ゴム製品(業界平均)+12.3%
- 全業界+16.0%
- 足元の業績今期第2四半期累計は3社合計で売上高+10.7%・営業利益+62.1%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は1社、下回る企業は1社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは2社、下方修正は1社。修正幅が最も大きいのは横浜ゴム(営業利益+15.3%)。






タグ#豊田合成#決算#決算分析#四半期決算#自動車部品#増収増益#自社株買い#株式分割#芦森工業
この記事はいかがでしたか?
登録不要・匿名で送信コメント
営業利益は増販と原価改善で伸びましたが、金融費用や税負担の増加で親会社株主利益は減少しました。売上・本業利益の勢いが最終利益に十分つながっていない点は、通期の評価で見落とせません。
最大300億円の自社株買いは株主還元を強める動きです。同時に、取得株の一部を社員向け株式報酬に充てる方針は、資本効率だけでなく人材への投資も意識した判断として注目できます。
下期は中国の顧客生産の回復度合い、インドの人件費上昇への対応、そして中間期に増えた営業利益を最終利益へ結び付けられるかが焦点です。
Googleで業界ダイジェストを優先表示
Google検索の「トップニュース」やAIによる概要で、当サイトの記事が見つけやすくなります。
この記事を引用・シェアする
転載・引用は無料・許可不要(出典明記のみでOK)
https://www.gyokaidigest.com/companies/toyoda-gosei/report/2027-Q2
関連記事
同社の関連記事
自動車部品大手の最新記事
- 決算解説デンソー2027年3月期 第2四半期(中間期)デンソー、2027年3月期第2四半期決算、増収も営業利益19.5%減で通期予想据え置き

- 決算解説アイシン2027年3月期 第2四半期(中間期)アイシン、2027年3月期第2四半期決算、増収も利益下振れで通期予想を下方修正
- 決算解説小糸製作所2027年3月期 第2四半期(中間期)小糸製作所、2027年3月期第2四半期決算、営業益55%増で通期予想を上方修正

- 決算解説ブリヂストン2026年12月期 第1四半期ブリヂストン・2026年12月期Q1、営業利益41.7%増の1,258億円——欧州事業が急回復、プレミアム戦略が奏功

- 自己株式取得・消却デンソー10月29日デンソー、最大2000億円の自己株買いと4億株消却を決定、市場買付で資本効率改善へ

- TOB結果・自己株式取得アイシン6月2日アイシン、約461億円の自己株TOBが完了 買付予定数に達しあん分比例で決済へ
掲載企業

豊田合成株式会社
東証 7282
これが最新の決算解説です
次回の決算発表
同業他社の発表予定
今後2週間に604社が決算発表 · 注目企業と進捗率を見る他の決算期
4期- 2027年3月期 第2四半期(中間決算)
- 2027年3月期 第1四半期
- 2026年3月期 通期
- 2026年3月期 第3四半期




