小糸製作所、2027年3月期第2四半期決算、営業益55%増で通期予想を上方修正

小糸製作所の2027年3月期第2四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比7.0%増の4,781億円、営業利益は同54.8%増の307億円となり、増収増益でした。新規受注や販売数量の増加、各地域での合理化が利益を押し上げ、通期予想も上方修正。中国事業の整理や部品価格の高騰といった課題を抱えながら、年間配当予想も64円へ引き上げました。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,782億円 | +7.0% | 9,550億円 | 50% |
| 営業利益 | 307億円 | +54.8% | 610億円 | 50% |
| 純利益 | 224億円 | +89.0% | 430億円 | 52% |
| 営業利益率 | 6.4% | |||
この決算のポイント
- 1米州の売上高は前年同期比15.5%増、営業利益は約5倍に拡大し、全体の利益成長をけん引
- 2中国は売上高が前年同期比33.7%減り、営業損益も8億円の黒字から7億円の赤字に転落
- 3通期営業利益予想を610億円に修正し、前期比18.6%増を見込む。下期は電子部品高が重荷
- 4年間配当予想は前期の56円から64円へ増額、自己株式取得は中間期に192億円を実施
- 5営業キャッシュフローは前年同期の455億円から397億円に減少、投資・株主還元で現金残高も減少
業績のポイント
小糸製作所(株式会社小糸製作所)の2027年3月期中間期は、売上高が前年同期比7.0%増の4,781億円、営業利益が54.8%増の307億円、親会社株主に帰属する中間純利益が89.0%増の223億円でした。経常利益も48.2%増の338億円となり、利益の伸びが売上高の伸びを大きく上回りました。
- 販売・受注: 日本、米州、アジアでの新規受注や受注車種の販売増が売上高を押し上げました。為替換算の影響も増収に寄与しました。
- 合理化: 各地域で改善や合理化を進め、販売数量の増加とともに営業利益を押し上げました。
- コスト: 中東情勢の悪化に伴う原材料価格の高騰は利益の重荷でしたが、増益基調を崩すには至りませんでした。
- 会計方針の変更: 建物・構築物の減価償却を定率法から定額法に変更し、営業利益を3億円押し上げました。
利益の伸びが売上成長を上回る結果となった一方、営業利益の増加には減価償却方法の変更による押し上げも含まれます。世界の自動車生産台数は前年同期並みで、中国の景気減速や日本車販売の低迷も続いており、販売数量の拡大だけでなく、合理化を継続できるかが今後の利益維持の焦点です。
セグメント別動向
地域別では、米州とアジアの増収が目立つ一方、中国は売上高・利益ともに悪化しました。下表は各地域の前年同期比で、営業利益は中国の赤字転落と欧州の黒字転換を含むため、前年が赤字の欧州は増減率ではなく損益の変化を示しています。
| 地域 | 売上高の前年比 | 営業利益の前年比・変化 |
|---|---|---|
| 日本 | +5.3% | +78.3% |
| 米州 | +15.5% | 約5.0倍 |
| 中国 | -33.7% | 黒字から赤字へ |
| アジア | +11.5% | +24.0% |
| 欧州 | -7.3% | 赤字から黒字へ |
米州は新規受注や受注車種の販売増を背景に、売上高が前年同期比15.5%増、営業利益は約5倍に伸びました。日本も増収増益で、営業利益は前年同期比78.3%増。アジアはインドなどの市場拡大を追い風に、売上高・営業利益がともに増えました。
一方、中国は景気減速などを受けて売上高が大きく減り、営業赤字となりました。会社は湖北小糸の解散を含め、需要規模に応じた生産体制の再構築を進めています。欧州は減収ながら営業損益が黒字に転じましたが、利益水準は小さく、各地域の需要動向と固定費の管理が引き続き重要です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 1,793億円 | 38% | 128億円 | 7.1% |
| 米州 | 1,769億円 | 37% | 60億円 | 3.4% |
| 中国 | 182億円 | 4% | -7億円 | -4.0% |
| アジア | 881億円 | 18% | 116億円 | 13.2% |
| 欧州 | 156億円 | 3% | 2億円 | 1.2% |
通期見通し
小糸製作所は2027年3月期の通期業績予想を修正し、営業利益610億円、親会社株主に帰属する当期純利益430億円を見込みます。会社が示した前期比は売上高0.8%増、営業利益18.6%増、純利益160.0%増です。
| 指標 | 2027年3月期予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高(億円) | 9,550 | +0.8% |
| 営業利益(億円) | 610 | +18.6% |
| 経常利益(億円) | 675 | +14.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(億円) | 430 | +160.0% |
会社は世界の自動車生産台数を前期比で微減と見込むものの、為替換算や新規受注の寄与で売上高は微増を計画しています。利益面では樹脂材価格の上昇に加え、特に下期に電子部品価格の高騰が響く見通しです。これに対し、中国での生産体制再構築、部品工程の自動化、固定費削減などを継続し、利益成長を目指します。
増収は小幅でも利益の回復を計画しています。通期予想は上方修正されましたが、短信に前回予想の具体的な数値は記載されていないため、ここでは会社が公表した前期比と今回予想を示しました。為替前提は1ドル155円、1元22.8円です。
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は前期末比147億円減の8,915億円、自己資本比率は68.1%から67.6%へ0.5ポイント低下しました。営業活動で資金を確保した一方、設備投資や自己株式取得、配当支払いなどで現金及び現金同等物は減少しています。
| 項目 | 2027年3月期中間期末・実績 | 比較対象 |
|---|---|---|
| 総資産 | 8,915億円 | 前期末比 -147億円 |
| 自己資本比率 | 67.6% | 前期末比 -0.5ポイント |
| 営業キャッシュフロー | 397億円 | 前年同期は455億円 |
| 投資キャッシュフロー | -317億円 | 前年同期は191億円の収入 |
| 財務キャッシュフロー | -319億円 | 前年同期は282億円の支出 |
| 現金及び現金同等物 | 1,001億円 | 前期末比 -251億円 |
中間配当は1株32円で、前年同期の28円から4円増えました。期末配当予想も32円とし、年間配当予想は前期の56円から64円へ増額。自己株式取得は中間期に192億円を実施し、2026年6月から2027年5月までの取得枠は上限500億円、2,500万株です。
株主還元を強める一方、設備投資に237億円を投じ、中国事業の再構築も進めています。自己資本比率はなお高水準ですが、投資と還元を並行するなかで、営業キャッシュフローを安定して確保できるかが資本政策の持続性を左右します。
リスクと課題
通期予想には自動車生産の微減やコスト上昇が織り込まれています。地域ごとの需要差に加え、為替や地政学情勢の変化が販売・調達コストに影響する可能性があります。
- 中国市場の縮小: 景気減速や販売低迷が続けば、売上高の減少や生産設備の稼働率低下につながります。湖北小糸の解散などを通じた体制再構築の効果が問われます。
- 原材料・電子部品の価格上昇: 樹脂材価格の上昇に加え、会社は下期以降の電子部品価格高騰を見込んでいます。価格転嫁や合理化が遅れれば、通期利益を下押しするおそれがあります。
- 地政学リスクとエネルギー価格: 中東情勢などの緊張が長期化すれば、原材料・エネルギー費や物流費の上昇を通じて収益を圧迫する可能性があります。
- 自動車生産・為替の変動: 中国や日本の販売動向などから世界生産は微減の想定です。通期予想は1ドル155円、1元22.8円を前提としており、前提からの乖離は業績に影響します。
- 利益成長の持続性: 減価償却方法の変更は中間期の営業利益を3億円押し上げました。今後は一時的な会計影響を除いた合理化や受注の実績が、利益水準を保つうえで重要です。
中国の構造改革とコスト吸収力が当面の主要課題です。会社は自動化や固定費削減を進める方針ですが、下期の部品価格上昇が想定を超えた場合、上方修正後の通期利益予想を達成できるか注意が必要です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/28)
2,508.5円
最新終値(2026/10/28)
2,508.5円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/28更新
小糸製作所をライバルと比較
年収・業績・株価を並べて自動車業界の今
掲載29社小糸製作所は自動車業界の掲載29社中、売上高で15位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- −1.0%全業界 +17.1%
- 今期計画 営業利益
- +2.5%全業界 +11.4%
- 予想の上方修正
- 6社下方 3社
- 営業利益率(業界)
- 4.3%
- 小糸製作所+6.7%
- 自動車(業界平均)−1.0%
- 全業界+17.1%
- 足元の業績今期第1四半期累計は21社合計で売上高+11.2%・営業利益+10.7%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は7社、下回る企業は7社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは6社、下方修正は3社。修正幅が最も大きいのは日野(営業利益+87.5%)。





タグ#小糸製作所#決算#決算分析#四半期決算#自動車部品#自動車照明#増収増益#配当増額#中国事業再編
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利益の伸びは力強く、米州の収益改善や各地域の合理化が成果として表れています。ただし、建物・構築物の減価償却方法変更による利益押し上げも含まれるため、見た目の増益率だけで本業の改善度を判断しない姿勢が必要です。
今後の注目点は、中国事業の縮小を進めながら、米州・アジアの受注増をどこまで利益に結びつけられるかです。株主還元の拡充は前向きな材料ですが、電子部品高や中国の需要低迷を吸収し、営業キャッシュフローを維持できるかが通期予想の達成を左右しそうです。
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株式会社小糸製作所
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- 2027年3月期 第1四半期
- 2026年3月期 通期
- 2026年3月期 第3四半期





