大塚HD子会社ジパレルチニブFDAへ新薬申請、RTOR制度活用で早期審査視野
米国初販売へ前進 大塚ホールディングスの子会社・大鵬薬品工業は1日、肺がん治療薬「ジパレルチニブ」の米国での新薬承認申請(NDA)を開始したと発表した。 RTOR制度活用 により審査期間の短縮が期待され、2026年末に申請完了を目指す。

FDAへ新薬申請開始:肺がん治療薬ジパレルチニブの北米展開
大塚ホールディングス(本社・東京都港区、代表取締役社長兼CEO・井上眞)は10月2日、子会社の大鵬薬品工業が米国食品医薬品局(FDA)に対し、非小細胞肺がん(NSCLC)治療薬「ジパレルチニブ」の承認申請を開始したと開示しました。対象疾患はEGFRエキソン20挿入変異を伴う未治療の局所進行または転移性NSCLC患者です。
本申請は、リアルタイム・オンコロジー・レビュー(RTOR)プログラムに基づいて行われます。これは完全な申請資料提出に先立ち臨床試験データをFDAへ提出し、有効性や安全性に関するデータの審査を早期に開始できる制度です。大塚HDは本件を「中長期的な企業価値向上に向けた重要な進捗」と位置づけ、ジパレルチニブを今後の成長を牽引する製品群の一つとして重視しています。
申請スケジュールについて、FDAへのNDA提出は2026年末までに完了する予定です。ただし、現時点では当社2026年12月期の連結業績予想に変更はないとしています。早期承認による事業構造の多角化が進む
臨床データの概要:主評価項目達成と併用療法の新たな可能性
今回の申請根拠となったのは、第III相試験「REZILIENT3」の結果です。同試験の中間解析において、ジパレルチニブと化学療法併用群は、化学療法単独群と比較し統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間(PFS)の延長を示しました。主評価項目を達成したことから、併用療法の有用性が実証された形です。
ジパレルチニブはEGFR活性化変異を標的とした経口の低分子化合物で、ex20ins変異を伴うNSCLCに対する次世代型の不可逆的なEGFR阻害剤として開発されました。大鵬薬品およびTaiho Oncology, Inc.が開発を進め、米国ではCullinan Therapeutics, Inc.と提携して進めています。
なお、既存の単剤療法に関するNDAもFDAで審査中であり、 Prescription Drug User Fee Act(PDUFA)に基づく審査目標日は2027年2月27日となっています。併用療法による市場規模拡大の可能性が開ける
疾患背景と市場規模:EGFR変異陽性肺がん患者へのアプローチ
肺がんのなかでも最も多くを占めるNSCLCにおいて、EGFRエキソン20挿入(ex20ins)変異は重要な治療標的となっています。資料によれば、世界ではNSCLCのうち約4%に発現し、米国ではNSCLC患者の約16%にEGFR変異が発現するとされています。
さらに詳細な内訳として、EGFR変異全体の最大12%がex20ins変異であることが報告されています(引用文献: Riess JW et al. J Thorac Oncol. 2018)。このように明確な疾患層があるにもかかわらず、適切な治療選択肢が限られてきた背景があり、新薬の登場による治療オプションの拡大が期待されています。
未だ開拓余地のあるターゲット患者集団がある
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/10/2)
11,320円
最新終値(2026/10/23)
12,455円+10.0%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#大塚HD#大鵬薬品工業#肺がん#FDA#新薬承認申請#ジパレルチニブ#RTOR制度#バイオ医薬品
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コメント
北米市場における承認獲得へ一歩
今回の開示で注目すべきは、単なるNDA提出だけでなく、RTOR(リアルタイム・オンコロジー・レビュー)プログラムを活用している点です。通常の新薬審査は非常に長期化しがちですが、RTOR制度を利用することで早期のデータレビューが可能になり、承認までのリードタイム短縮が期待できます。特に肺がん領域は競合が激しいため、いかに早く市場参入しシェアを確保するかが競争優位性につながります。投資家としては、2026年末の申請完了および2027年2月の審査目標日を節目とし、その後の承認プロセスにおける進捗開示に注目する必要があります。また、併用療法での申請は単剤承認と異なりより広い患者層をカバーできる可能性があるため、市場規模拡大への寄与も視野に入れて評価すべきでしょう。
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