レーザーテック、2027年6月期第1四半期決算、減収減益も受注見通しは上振れ

レーザーテックの2027年6月期第1四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比25.5%減、営業利益は41.0%減、純利益は43.7%減となりました。半導体関連装置の売上が大きく減った一方、サービスは伸長し、会社は売上高が当初想定通りに進んだと説明しています。AIデータセンター向け投資を背景に半導体業界の設備投資は積極化し、今期の受注見通しは従来想定を上回るとしています。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 404億円 | -25.5% | 2,900億円 | 14% |
| 営業利益 | 158億円 | -41.0% | 1,250億円 | 13% |
| 純利益 | 107億円 | -43.7% | 900億円 | 12% |
| 営業利益率 | 39.1% | |||
この決算のポイント
- 1半導体関連装置の売上高は238億49百万円で、前年同期比42.9%減
- 2サービス売上高は160億11百万円となり、前年同期比31.2%増
- 3通期予想は売上高2,900億円、営業利益1,250億円で据え置き
- 4年間配当予想は351円で、前期実績の329円から22円増額
- 5営業キャッシュフローは391億2百万円の収入で、前年同期の約6.6倍
業績のポイント
レーザーテック(レーザーテック株式会社)の第1四半期は、売上高403億69百万円(前年同期比25.5%減)、営業利益157億69百万円(同41.0%減)、純利益107億34百万円(同43.7%減)でした。経常利益は147億11百万円で同45.8%減となり、売上高の減少に加えて為替差損も利益を押し下げました。
- 装置売上の減少: 半導体関連装置の販売は前年同期から大きく減少しました。
- サービスの伸長: 装置の保守・サポートなどを含むサービス売上は前年同期比で増加しました。
- 為替差損: 営業外費用に12億60百万円の為替差損を計上し、経常利益の減少要因となりました。
- 販管費の増加: 販売費及び一般管理費は前年同期の60億79百万円から82億66百万円に増えました。
売上高は会社の当初想定に沿って進捗した一方、前年同期との比較では装置販売の減少が目立ちます。前年同期は売上高が前年同期比47.5%増、営業利益が同67.9%増だったため、今回の減益には高い比較対象も影響しています。AIデータセンター向けの投資拡大で先端半導体需要が強まっている点を踏まえると、足元の減益だけでなく、受注の強さが今後の売上計上にどう結びつくかが焦点です。
セグメント別動向
レーザーテックは検査・測定装置の設計、製造、販売を行う単一セグメントのため、事業セグメント別の業績は開示していません。品目別では、半導体関連装置の売上が減る一方、サービスが増加し、売上構成の変化が鮮明になりました。
| 品目別売上高 | 当期(百万円) | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 半導体関連装置 | 23,849 | -42.9% |
| その他の製品 | 508 | +134.7% |
| サービス | 16,011 | +31.2% |
半導体関連装置は、売上高が前年同期を下回りました。会社は当期の売上高全体について当初想定通りの進捗と説明しており、受注見通しは従来想定を上回るとしています。サービスは装置販売と異なる動きを示し、既存装置に関連するサービス収入が売上を支えました。先端半導体向け投資が活発ななか、装置の受注から納入・売上計上までの動向と、サービスの伸びが続くかが次の確認点です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 検査・測定装置 | 404億円 | 100% | 158億円 | 39.1% |
財務状況と資本政策
総資産は前期末から増加しました。営業活動によるキャッシュフローが大幅な収入となった一方、投資活動は支出、財務活動も主に配当金の支払いで支出となりました。
| 項目 | 2026年9月末・当期 | 比較・補足 |
|---|---|---|
| 総資産 | 3,664億13百万円 | 前期末比297億62百万円増 |
| 自己資本比率 | 65.4% | 前期末の73.3%から低下 |
| 営業キャッシュフロー | 391億2百万円 | 前年同期は59億37百万円の収入 |
| 投資キャッシュフロー | 7億83百万円の支出 | 前年同期は3億46百万円の支出 |
| 財務キャッシュフロー | 176億70百万円の支出 | 主に配当金の支払い |
現金及び現金同等物は期末に1,107億68百万円となりました。営業キャッシュフローの増加には、前受金の増加や売上債権の減少が寄与した一方、仕掛品の増加や法人税の支払いが資金を使いました。年間配当予想は351円で前期の329円から増える計画ですが、今回の短信に新たな自社株買いの発表はありません。
通期見通し
2027年6月期の通期業績予想は、2026年8月公表値から変更されていません。会社はAIデータセンター向け投資を背景に、CPU、GPU、HBMなど先端半導体の需要が高水準で、顧客の設備投資計画も積極化していると説明しています。
| 項目 | 2027年6月期予想 | 前期実績 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,900億円 | 約2,305億円 | +25.8% |
| 営業利益 | 1,250億円 | 約1,052億円 | +18.8% |
| 経常利益 | 1,250億円 | 約1,079億円 | +15.9% |
| 純利益 | 900億円 | 約774億円 | +16.2% |
第1四半期の売上高は通期予想の約13.9%、営業利益は約12.6%にとどまりますが、会社は受注見通しが従来想定を上回るとしており、業績予想の修正は見送っています。四半期ごとの売上計上には納入時期が影響しうるため、単純な進捗率だけで通期達成の可否を判断せず、今後の受注や出荷の推移を確認する必要があります。
リスクと課題
先端半導体向けの需要は強いものの、装置販売の実績は四半期ごとに振れがあり、世界経済の不透明さも残ります。会社が挙げる外部環境や今回の決算に表れた変動要因を踏まえると、次の点に注意が必要です。
- 設備投資の変動: 顧客である半導体メーカーの投資計画が変われば、装置の受注や売上計上に影響する可能性があります。
- 納入時期の偏り: 半導体関連装置の販売が前年同期を下回っており、四半期ごとの売上や利益が変動するリスクがあります。
- 為替変動: 当期は為替差損を計上しました。為替の動きが営業外損益を通じて経常利益に影響します。
- 世界経済の不透明感: 地政学リスクに伴うエネルギー価格の上昇、インフレ圧力、主要国の金融政策が事業環境を左右します。
足元ではAI関連の投資が追い風ですが、受注見通しが売上や利益に反映される時期は不確実です。会社は業績予想を据え置いているため、受注環境の強さだけでなく、装置の販売実績と利益率の回復を継続して確認したいところです。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/30)
37,700円
最新終値(2026/10/30)
37,700円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
レーザーテックをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて半導体装置業界の今
掲載15社レーザーテックは半導体装置業界の掲載15社中、売上高で8位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +26.0%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +79.4%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 4社下方 0社
- 営業利益率(業界)
- 31.3%
- レーザーテック+32.7%
- 半導体装置(業界平均)+26.0%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第1四半期累計は8社合計で売上高+11.5%・営業利益−3.5%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は1社、下回る企業は5社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは4社、下方修正は0社。修正幅が最も大きいのは日本マイクロ(営業利益+155.3%)。





タグ#レーザーテック#決算#決算分析#四半期決算#半導体製造装置#AIデータセンター#HBM#配当
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装置売上の減少に対し、サービスが伸びている点は収益の支えとして注目できます。一方、通期予想を達成するには、受注見通しの改善が実際の装置売上に結びつくことが重要です。
受注の強さが売上に変わる時期が焦点です。次の四半期では、装置の販売回復に加え、為替差損の影響やサービスの成長が続くかを見たいところです。
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レーザーテック株式会社
東証 6920
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