東京エレクトロン、2027年3月期第2四半期決算、AI需要で営業利益67%増

東京エレクトロンの2027年3月期第2四半期決算を分析すると、4〜9月期はAI向け半導体製造装置の需要拡大を追い風に、売上高が前年同期比41.3%増、営業利益が67.2%増となりました。通期業績予想も新たに公表し、売上高3兆7,000億円、営業利益1兆1,690億円を見込みます。AI関連投資が中間期の大幅増益をけん引する一方、需要や為替など不確実な要因への目配りも必要です。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1.7兆円 | +41.3% | 3.7兆円 | 45% |
| 営業利益 | 5,068億円 | +67.2% | 1.2兆円 | 43% |
| 純利益 | 3,769億円 | +56.0% | 8,650億円 | 44% |
| 営業利益率 | 30.4% | |||
この決算のポイント
- 1親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期比56.0%増の3,769億円
- 2通期営業利益予想は1兆1,690億円、前期比87.1%増を見込む
- 310月1日に1株を5株に分割、期末配当予想は分割後で1株108円
- 4自己資本比率は前期末の71.5%から68.2%へ低下、総資産は3兆1,775億円
業績のポイント
東京エレクトロン(東京エレクトロン株式会社)は、2026年4〜9月期に売上高、営業利益、親会社株主に帰属する中間純利益のいずれも前年同期を大きく上回りました。利益の伸びが売上高の伸びを上回り、営業利益率は前年同期の約25.7%から約30.4%へ上昇しています。
| 指標(百万円) | 前年同期 | 当中間期 | 増加額 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,179,668 | 1,667,455 | 487,787 |
| 営業利益 | 303,153 | 506,776 | 203,623 |
| 経常利益 | 306,896 | 514,401 | 207,505 |
| 中間純利益 | 241,626 | 376,929 | 135,303 |
会社は、半導体製造装置市場でAI用途向けの設備投資が顕著に伸びたと説明しています。特にデータセンター向けAIサーバー需要の拡大が半導体市場全体の成長をけん引し、装置需要を押し上げました。情報通信技術の進展や生産性向上に向けたAI活用、脱炭素社会への取り組みも中長期の需要を支える要素と位置付けています。
増収を上回る利益成長で採算が改善した点は、売上規模の拡大だけでなく利益面でも勢いが出ていることを示します。一方、前年同期の利益は減益だったため、AI投資の継続性や顧客の設備投資計画が今後の業績を左右します。
セグメント別動向
東京エレクトロンは半導体製造装置の単一セグメントで事業を展開しているため、決算短信では複数セグメントに分けた売上高や利益の比較を開示していません。中間期の連結売上高は1兆6,674億円、営業利益は5,067億円で、いずれも半導体製造装置事業の実績です。
- 主な需要先: AIデータセンター向け半導体の需要拡大を背景に、AI用途の半導体製造装置への設備投資が伸びました。
- 市場全体の背景: AIの進化やデジタル社会への移行により、半導体の役割と技術革新の重要性が高まっています。
- 中長期の見方: 生産性向上や新たな価値の創出、脱炭素に向けた取り組みも半導体需要を支える要素としています。
単一セグメントのため、どの製品や顧客分野が利益をどれだけ押し上げたかを決算短信だけで切り分けることはできません。ただし、会社の説明からはAI関連の設備投資が当期の成長を主導したことが読み取れます。投資家や就活生は、AI向け需要の強さに加え、顧客の投資計画が変化したときに業績へ与える影響にも注目したいところです。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 半導体製造装置 | 1.7兆円 | 100% | 5,068億円 | 30.4% |
通期見通し
東京エレクトロンは、2027年3月期の通期業績予想を今回新たに公表しました。売上高3兆7,000億円、営業利益1兆1,690億円、親会社株主に帰属する当期純利益8,650億円を見込み、いずれも前期実績を上回る計画です。
| 指標 | 前回予想 | 今回予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 未公表 | 3兆7,000億円 | +51.4% |
| 営業利益 | 未公表 | 1兆1,690億円 | +87.1% |
| 当期純利益 | 未公表 | 8,650億円 | +50.6% |
会社は、最新の顧客設備投資動向を踏まえて予想を公表し、AIサーバー向け需要の拡大を背景に増収増益を見込んでいます。中間期の実績は会社予想を上回ったと説明していますが、決算短信には今回公表した通期予想との比較に使える前回予想はありません。通期計画の達成には、AI関連投資が下期も続くかが重要になります。
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は前期末から3,165億円増の3兆1,775億円となりました。自己資本比率は前期末から3.3ポイント低下して68.2%です。
| 項目 | 2026年3月期末 | 2027年3月期中間期末 |
|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 2,860,997 | 3,177,495 |
| 純資産(百万円) | 2,069,996 | 2,194,666 |
| 自己資本比率 | 71.5% | 68.2% |
| 中間配当(1株、株式分割前) | 264円 | 415円 |
営業活動によるキャッシュフローは収入となり、投資活動では有形固定資産の取得などで支出、財務活動では配当と自己株式取得などで支出となりました。キャッシュフローの金額は、提供された決算短信テキストでは確認できません。
配当は業績連動型を基本とし、親会社株主に帰属する当期純利益に対する配当性向を目安としています。中間配当は株式分割前の1株415円で、10月1日実施の1株を5株とする分割後では1株83円相当です。期末配当予想は分割後で1株108円、分割前換算の年間配当予想は1株955円となり、前期の628円を上回ります。会社は投資単位を引き下げる目的で株式分割を行い、自己株式取得の枠も設定しました。
戦略トピック
東京エレクトロンは2026年10月1日付で普通株式を1株につき5株に分割しました。投資単位を引き下げ、個人投資家が投資しやすい環境を整えることで、投資家層の拡大と株式市場の活性化を目指します。
- 株式分割: 1株を5株に分割し、分割後の株価水準と投資単位を引き下げる狙いです。
- 自己株式取得: 成長投資や財務状況、株式市場の動向などを総合的に勘案し、機動的な取得を可能にする枠を設定しました。
- 配当方針: 業績連動型配当を基本とし、当期純利益に対する配当性向を意識するとしています。
株式分割は株主の持ち分や企業価値を直接変えるものではありませんが、売買のしやすさを高める施策です。自己株式取得の枠と業績連動型配当を併せて示したことで、成長投資と株主還元の両立を図る姿勢がうかがえます。
リスクと課題
AI関連投資が好調な一方、半導体製造装置市場は顧客の投資判断や世界経済の変化に左右されます。会社も、景気や競争状況、新製品の導入と成否、為替などによって実際の業績が予想と大きく異なる可能性を示しています。
- 顧客の設備投資変動: AI向け投資が減速したり、顧客の投資時期が後ろ倒しになったりすれば、装置の受注や売上高に影響します。
- 世界経済と金融環境: 中東の地政学的緊張やエネルギー価格の上昇、欧米のインフレと政策金利の動きが景気を通じて需要に波及する可能性があります。
- 競争と製品開発: 新製品の導入や性能が顧客の期待に届かなければ、競争力や販売機会に影響します。
- 為替変動: 各種通貨の為替レートの変動は、業績予想と実績の差につながる要因です。
中間期の大幅増益をそのまま通期の確実な成長とみなすのではなく、顧客の投資動向や市場環境を継続して確認する必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/30)
9,514円
最新終値(2026/10/30)
9,514円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
東京エレクトロンをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて半導体装置業界の今
掲載15社東京エレクトロンは半導体装置業界の掲載15社中、売上高で1位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +26.0%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +79.4%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 4社下方 0社
- 営業利益率(業界)
- 31.3%
- 東京エレクトロン+39.2%
- 半導体装置(業界平均)+26.0%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第1四半期累計は8社合計で売上高+11.5%・営業利益−3.5%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は1社、下回る企業は5社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは4社、下方修正は0社。修正幅が最も大きいのは日本マイクロ(営業利益+155.3%)。





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AIデータセンター向け投資が業績を強く押し上げ、営業利益の伸びが売上高の伸びを上回った点は、東京エレクトロンの収益力の強さを示しています。
ただし、設備投資が特定の需要テーマに大きく支えられているため、AI関連の投資計画が変わった場合の影響も無視できません。今後は通期予想の達成度だけでなく、顧客の投資継続や受注の広がりを確認したい決算です。
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東京エレクトロン株式会社
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