SCREEN、2027年3月期第2四半期決算、半導体装置が伸び増収増益

SCREENの2027年3月期第2四半期決算は、生成AI向け半導体投資を追い風に増収増益となりました。売上高は前年同期比12.5%増の3,084億円、営業利益は17.4%増の545億円、純利益は18.2%増の376億円です。半導体製造装置事業が業績をけん引する一方、ディスプレー関連事業は減益でした。通期予想は据え置き、年間配当予想は株式分割後ベースで前期比増配となっています。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,085億円 | +12.5% | 7,430億円 | 42% |
| 営業利益 | 545億円 | +17.4% | 1,565億円 | 35% |
| 純利益 | 377億円 | +18.2% | 1,150億円 | 33% |
| 営業利益率 | 17.7% | |||
この決算のポイント
- 1半導体製造装置事業の売上高は前年同期比15.0%増、営業利益は18.2%増
- 2ディスプレー製造装置・成膜装置事業は売上高18.9%減、営業利益74.3%減
- 3営業キャッシュフローは19億円の支出、前年同期の308億円の収入から悪化
- 4通期売上高予想7,430億円、営業利益予想1,565億円は7月公表値から据え置き
- 5年間配当予想は株式分割後ベースで183円、前期の146円50銭から増配見込み
業績のポイント
SCREEN(SCREENホールディングス)は、2027年3月期中間期に増収増益を確保しました。売上高は前年同期比12.5%増、営業利益は17.4%増、親会社株主に帰属する中間純利益は18.2%増で、営業利益率も前年同期の16.9%から17.7%へ上昇しました。
- 売上高: 3,084億円。前年同期から341億円増加
- 営業利益: 545億円。前年同期から80億円増加
- 経常利益: 559億円。前年同期比19.5%増
- 1株当たり中間純利益: 199円06銭。前年同期の168円51銭から増加。比較は株式分割後の基準
生成AIの需要拡大を背景に、半導体の微細化や先端パッケージングに向けた投資が活発になり、先端ロジックやメモリー向けの装置需要が伸びました。なかでも営業利益の増加を支えたのは売上高の拡大で、半導体需要を取り込み利益率も上昇しています。一方、中国など一部地域の景気停滞や中東の地政学リスクがあり、世界経済の先行きには不透明感が残ります。
- 半導体装置+15.0%
- グラフィック+12.8%
- ディスプレー-18.9%
- プリント基板+27.6%
セグメント別動向
半導体製造装置事業(SPE)は売上高が2,513億円、営業利益が575億円となり、前年同期を上回りました。ファウンドリー向けは減少したものの、DRAMを中心とするメモリー向けとポストセールスの売上が増加。地域別では台湾向けが減る一方、米国・韓国向けが伸び、生成AI関連の投資需要を取り込みました。
グラフィックアーツ機器事業(GA)は売上高291億円、営業利益17億円で、前年同期比では売上高12.8%増、営業利益40.4%増でした。インクなどの継続収入につながるリカーリングビジネスと装置の販売がともに増加し、利益を押し上げています。
ディスプレー製造装置および成膜装置事業(FT)は売上高190億円、営業利益8億円でした。装置売上の減少に加え固定費が増え、営業利益は前年同期比74.3%減と大きく落ち込みました。
プリント基板関連機器事業(PE)は売上高70億円で、装置販売やポストセールスが増加しましたが、固定費の増加などから営業損失1億円となりました。前年同期の営業損失2億円からは赤字幅が縮小しています。その他事業の営業損失も前年同期の9億円から1億円へ縮小しました。全体ではSPEが成長をけん引する一方、FTの回復が今後の課題です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 半導体製造装置事業(SPE) | 2,514億円 | 82% | 575億円 | 22.9% |
| グラフィックアーツ機器事業(GA) | 290億円 | 9% | 17億円 | 5.9% |
| ディスプレー製造装置および成膜装置事業(FT) | 190億円 | 6% | 9億円 | 4.5% |
| プリント基板関連機器事業(PE) | 71億円 | 2% | -2億円 | -2.3% |
| その他 | 20億円 | 1% | -1億円 | -7.1% |
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は前期末比9.7%増の7,925億円、自己資本比率は65.9%でした。利益の積み上がりで純資産は増えた一方、棚卸資産や契約負債なども増加しています。
| 項目 | 2027年3月期中間期 | 前期末・前年同期 | 増減・補足 |
|---|---|---|---|
| 総資産 | 7,925億円 | 7,224億円 | 前期末比+9.7% |
| 自己資本比率 | 65.9% | 67.4% | 前期末から1.5ポイント低下 |
| 営業キャッシュフロー | -19億円 | 前年同期は308億円の収入 | 棚卸資産増加などが影響 |
| 投資キャッシュフロー | -150億円 | 前年同期は122億円の支出 | 有形固定資産取得など |
| 年間配当予想 | 183円 | 前期は分割後換算146円50銭 | 24.9%増の見込み |
営業キャッシュフローは、棚卸資産の増加やその他流動負債の減少などが響き、前年同期の黒字から赤字に転じました。投資活動では設備取得などに支出し、現金及び現金同等物は期首から293億円減の1,964億円です。年間配当予想に変更はなく、2026年4月の1対2の株式分割を考慮しても前期比増配の計画です。短信に自社株買いの新規決定は記載されていません。
- 営業活動-19億円
- 投資活動-151億円
- 財務活動-147億円
通期見通し
2027年3月期の通期業績予想は、7月28日に公表した水準から変更ありません。売上高7,430億円、営業利益1,565億円、親会社株主に帰属する当期純利益1,150億円を見込み、いずれも前期実績を上回る計画です。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 7,430 | 7,430 | 6,057 |
| 営業利益(億円) | 1,565 | 1,565 | 1,225 |
| 純利益(億円) | 1,150 | 1,150 | 920 |
中間期までの進捗率は売上高41.5%、営業利益34.8%、純利益32.7%です。会社は足元の顧客投資動向を踏まえて予想を維持し、セグメント間の見直しのみ行いました。第3四半期以降の想定為替レートは1米ドル150円、1ユーロ175円で、為替や顧客の設備投資計画の変化が予想達成を左右します。
戦略トピック
SCREENは新規事業分野で進めていた半導体先端パッケージ事業を、SCREENファインテックソリューションズに統合しました。これに伴い、同事業の区分を従来の「その他」からディスプレー製造装置および成膜装置事業(FT)へ変更し、前年同期のセグメント数値も新しい区分に組み替えています。
この変更は事業の集約と管理体制の整理を進める動きです。先端パッケージングは、生成AI向け半導体の高性能化や省エネ化を支える技術領域として重要性が高まっています。統合後の事業が装置販売や収益にどう結び付くかは、今後の開示で確認したいポイントです。
研究開発・成長投資
中間期の研究開発費は前年同期比22.3%増の215億円、設備投資額は110.7%増の255億円でした。減価償却費も前年同期比17.5%増の81億円となり、研究開発と生産・事業基盤への投資を拡大しています。
半導体の微細化や先端パッケージングへの需要を取り込むには、装置の技術開発だけでなく、供給能力やサービス体制の強化も欠かせません。投資額の増加は成長機会への備えとみられる一方、投資に見合う受注や稼働が得られなければ、減価償却費や固定費が利益を圧迫する可能性があります。
リスクと課題
半導体市場の投資拡大が追い風となる一方、SCREENの業績は顧客の設備投資や世界経済の変化に影響されます。中間期に表れた営業キャッシュフローの悪化や事業間の業績差にも注意が必要です。
- 設備投資の変動: 顧客の半導体投資が延期・縮小すれば、主力の半導体製造装置や保守サービスの売上に影響します。
- 地政学・景気の不透明感: 中東の地政学リスクや中国など一部地域の景気停滞が、顧客の投資判断や部材供給に影響する可能性があります。
- 事業ごとの業績差: FTは装置売上の減少と固定費増で大幅減益となりました。回復が遅れれば、半導体事業への依存がさらに強まります。
- 運転資金と為替: 棚卸資産の増加などで営業キャッシュフローが赤字となりました。通期予想は第3四半期以降の為替を米ドル150円、ユーロ175円としており、実際の為替や運転資金の変化が業績を左右します。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/30)
11,375円
最新終値(2026/10/30)
11,375円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
SCREENをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて半導体装置業界の今
掲載15社SCREENは半導体装置業界の掲載15社中、売上高で4位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +26.0%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +79.4%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 4社下方 0社
- 営業利益率(業界)
- 31.3%
- SCREEN+54.9%
- 半導体装置(業界平均)+26.0%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第1四半期累計は8社合計で売上高+11.5%・営業利益−3.5%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は1社、下回る企業は5社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは4社、下方修正は0社。修正幅が最も大きいのは日本マイクロ(営業利益+155.3%)。





タグ#SCREEN#決算#決算分析#四半期決算#半導体製造装置#生成AI#増収増益#配当
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生成AI関連の半導体投資を背景に、主力の半導体製造装置が売上と利益の両方を伸ばし、営業利益率も改善しました。DRAMなどメモリー向けに加えてポストセールスが伸びた点は、装置販売後の継続収入を確保するうえで評価できます。
一方、中間期の営業キャッシュフローは赤字で、棚卸資産の増加が資金の重荷になりました。通期予想を据え置いたことで、後半に必要な売上・利益の積み上げは軽くありません。投資家はメモリーや先端パッケージ向け需要の持続性と、在庫が売上・現金回収に結び付くかを注視したいところです。
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掲載企業

株式会社SCREENホールディングス
東証 7735
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