NTN、2027年3月期第2四半期決算(中間決算)、営業利益35%増で通期予想を修正
NTNの2027年3月期第2四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比2.8%増の4,135億円、営業利益は35.0%増の173億円、純利益は76.2%増の54億円となりました。売価転嫁や固定費削減が利益を押し上げ、営業利益率は前年同期の3.2%から4.2%へ改善しました。NTNは通期業績予想を修正し、年間配当予想も前期比2円増の13円としています。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,136億円 | +2.8% | 8,250億円 | 50% |
| 営業利益 | 174億円 | +35.0% | 330億円 | 53% |
| 純利益 | 55億円 | +76.2% | 150億円 | 36% |
| 営業利益率 | 4.2% | |||
この決算のポイント
- 1軸受他事業の売上高は前年同期比6.9%増、営業利益は42.5%増の64億円
- 2日本のセグメント利益は前年同期比280.4%増の72億円、米州は38.1%減の18億円
- 3欧州のセグメント損失は前年同期の12億円から8億円に縮小
- 4年間配当予想は前期の11円から13円へ増額、通期業績予想も修正
- 5営業キャッシュフローは前年同期比45.2%増の419億円、借入金は減少
業績のポイント
NTN(NTN株式会社)の2027年3月期中間期は、売上高が前年同期比2.8%増の4,135億円、営業利益が35.0%増の173億円、親会社株主に帰属する中間純利益が76.2%増の54億円でした。売上高の増加額は113億円、営業利益の増加額は45億円、純利益の増加額は23億円です。
- 売価転嫁: 販売規模が縮小した影響はあったものの、価格転嫁が利益を押し上げました。
- 固定費の削減: 生産再編を含む事業構造改革を進め、固定費を抑えました。
- 為替の影響: 為替も売上高や損益に影響し、事業形態別では軸受他事業の増収にも寄与しました。
- 営業外損益: 経常利益は前年同期比39.8%増の122億円でしたが、為替差損19億円などが利益を抑えました。
増収を上回る利益成長となり、営業利益率は前年同期の3.2%から4.2%に上昇しました。会社は「DRIVE NTN100」Finalのもと、事業構造の変革と「稼ぐ力」の向上を進めています。利益改善が続くかは、価格転嫁と固定費削減を需要の弱い地域でも維持できるかが焦点です。
セグメント別動向
地域別では、日本とアジア他が利益を伸ばし、欧州は赤字幅を縮めました。一方、米州は販売規模の縮小が響き、増収減益となった日本とは対照的に減益でした。
| 地域 | 売上高前年比 | セグメント利益の前年比 | 主な動き |
|---|---|---|---|
| 日本 | +2.5% | +280.4% | 売価転嫁、為替の影響 |
| 米州 | -0.7% | -38.1% | OEM需要の低下 |
| 欧州 | +3.9% | 損失縮小 | 変動費・固定費を削減 |
| アジア他 | +6.0% | +5.3% | 為替、変動費削減 |
日本は自動車・産業機械向けOEM販売やCVJアクスルの需要回復を背景に、セグメント利益が72億円へ大きく増えました。米州は自動車・産業機械向けOEMとCVJアクスルの需要が弱く、売価転嫁や固定費削減だけでは販売減を補えませんでした。
欧州は売上高に為替の押し上げがあった一方、OEM販売は減少しました。コスト削減によりセグメント損失は前年同期の12億円から8億円に縮小しています。アジア他は産業機械向けやアフターマーケット向けの販売増と変動費削減が支えとなりました。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 1,085億円 | 26% | 72億円 | 6.7% |
| 米州 | 1,318億円 | 32% | 18億円 | 1.4% |
| 欧州 | 939億円 | 23% | -9億円 | -0.9% |
| アジア他 | 794億円 | 19% | 87億円 | 11.0% |
通期見通し
NTNは2027年3月期の連結業績予想を修正し、売上高8,250億円、営業利益330億円、親会社株主に帰属する当期純利益150億円を見込みます。売上高は前期比0.2%減、営業利益は6.3%増、純利益は16.5%増の計画です。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 本短信に記載なし | 825,000(前年比-0.2%) | 826,344 |
| 営業利益(百万円) | 本短信に記載なし | 33,000(前年比+6.3%) | 31,034 |
| 親会社株主に帰属する純利益(百万円) | 本短信に記載なし | 15,000(前年比+16.5%) | 12,871 |
短信は業績予想の修正があったことを示していますが、修正前の数値や変更理由は本文に記載せず、別途公表した「業績予想の修正に関するお知らせ」を参照するよう案内しています。そのため、今回の表では前回予想との修正幅を比較できません。
中間期の営業利益は173億円で、通期予想330億円に対する進捗率は約52.6%です。上期の利益成長を下期も維持できるかに加え、米州の需要や欧州の採算改善が通期計画の達成を左右します。
財務状況と資本政策
2026年9月末の総資産は前期末比4.9%減の8,358億円、自己資本比率は前期末の33.8%から35.4%に上昇しました。営業活動で資金を確保する一方、借入金の返済を進め、年間配当予想は前期より増やします。
| 項目 | 2027年3月期中間期・末 | 前期末または前年同期 | 比較 |
|---|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 835,795 | 878,676 | 前期末比-4.9% |
| 自己資本比率 | 35.4% | 33.8% | +1.6ポイント |
| 営業キャッシュフロー(百万円) | 41,911 | 28,866 | 前年同期比+45.2% |
| 投資キャッシュフロー(百万円) | -17,214 | -14,592 | 使用額が増加 |
| 財務キャッシュフロー(百万円) | -46,431 | -7,680 | 借入返済などで支出増 |
| 1株当たり年間配当 | 13円予想 | 前期11円 | +2円 |
現金及び現金同等物は期末に1,090億円となり、前期末から222億円減りました。財務活動では短期借入金の減少や長期借入金の返済に資金を充て、借入金と社債などの有利子負債合計は補足資料ベースで前期末の3,191億円から2,773億円に減少しています。
中間配当は前年の1株5円50銭から6円50銭へ増額し、期末配当予想も6円50銭としました。自社株買いの実施については短信に記載がありません。資金を借入返済と成長・生産基盤への投資に振り向けながら、株主還元も引き上げる方針がうかがえます。
研究開発・成長投資
中間期の設備投資は前年同期比10.2%増の144億円、研究開発費は3.1%増の99億円でした。売上高に対する研究開発費の比率は前年同期と同じ2.4%を維持しています。
- 設備投資: 有形固定資産の取得による支出は157億円で、投資キャッシュフローの主な内訳となりました。
- 研究開発: 研究開発費は前年同期の96億円から増加し、技術開発を継続しています。
- 経営の重点: 中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalでは、事業構造改革と「S,Q,C,C,D」の強化を掲げています。
設備投資を続ける一方で、NTNは生産再編や固定費削減も進めています。単純な能力増強ではなく、品質・コスト・納期などの改善を通じて、投資を収益力の回復につなげられるかが重要です。
リスクと課題
上期は利益率が改善しましたが、地域ごとに需要や採算の差が残り、為替や事業再編に伴う費用も損益を左右します。通期計画の達成には、弱い市場での販売回復と改革効果の継続が必要です。
- 自動車・産業機械の需要: 米州ではOEM向け販売が減少し、販売規模の縮小が利益を押し下げました。欧州でもOEM市場向けの販売が減少しており、需要低迷が続けば採算改善を遅らせる可能性があります。
- 中国などの景気: 会社は中国経済の緩やかな減速を挙げています。地域の景気や顧客の生産動向が変われば、軸受やCVJアクスルの販売に影響します。
- 為替変動: 為替は売上高や利益を押し上げる場合がある一方、為替差損も発生しています。為替の変化が販売面の効果を相殺する可能性があります。
- 事業再編費用: 中間期には米州と欧州を中心に事業再編損23億円を計上しました。構造改革が将来の固定費削減につながるかと、追加費用の発生が注目点です。
- 欧州での訴訟: ルノー側からの損害賠償請求を巡る控訴審が続いています。請求額は2024年に6,249万ユーロへ変更されており、訴訟の進展には引き続き注意が必要です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/30)
359.1円
最新終値(2026/10/30)
359.1円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
NTNをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて機械業界の今
掲載54社NTNは機械業界の掲載54社中、売上高で8位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +14.9%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +14.5%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 19社下方 4社
- 営業利益率(業界)
- 9.6%
- NTN+4.0%
- 機械(業界平均)+14.9%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第1四半期累計は27社合計で売上高+14.6%・営業利益+24.4%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は7社、下回る企業は18社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは19社、下方修正は4社。修正幅が最も大きいのはTHK(営業利益+84.6%)。






タグ#NTN#決算#決算分析#四半期決算#増収増益#自動車部品#構造改革#配当増額#営業利益率改善
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今回の決算は、売上の伸び以上に利益率の改善が目立ちます。売価転嫁と固定費削減が寄与した一方、米州では販売規模の縮小が利益を押し下げており、改善の広がりには地域差があります。
中間期の営業利益進捗は通期予想の約52.6%ですが、これだけで上振れを判断するのは早計です。下期に米州の需要が戻るか、欧州の赤字縮小が続くか、そして構造改革費用を吸収して利益成長を保てるかが注目点です。
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- 2027年3月期 第1四半期
- 2026年3月期 通期
- 2026年3月期 第3四半期




