システナ、2027年3月期第2四半期決算(中間決算)、増収も移転費用で営業減益

システナの2027年3月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比4.1%増の489億円となった一方、営業利益は0.5%減の75億円、純利益は2.9%減の53億円でした。拠点集約に伴うオフィス移転費用や株式報酬費用が利益を押し下げましたが、利益率の高い領域への人員配置やIT需要を背景に、実質的な稼ぐ力を示すEBITDA+Sは6.5%増。通期予想は据え置き、年間配当予想は前期比4円増の18円です。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 489億円 | +4.1% | 980億円 | 50% |
| 営業利益 | 76億円 | -0.5% | 160億円 | 47% |
| 純利益 | 53億円 | -2.9% | 106億円 | 50% |
| 営業利益率 | 15.5% | |||
この決算のポイント
- 1デジタルインテグレーション事業は金融システム需要や単価改善で、売上高が前年同期比23.4%増
- 2ビジネスソリューション事業はPC更新特需の一巡もあり、営業利益が前年同期比5.6%減
- 3中間期の受注高は前年同期比2.2%減の296億円、受注残高は2.6%増の234億円
- 4通期売上高予想は980億円、営業利益予想は159億円で、5月公表の予想を据え置き
- 5年間配当予想は前期の14円から18円へ増配、中間配当は前年の6円から9円に増加
業績のポイント
システナ(株式会社システナ)の2027年3月期中間期は、売上高が前年同期比4.1%増の489億13百万円、営業利益が0.5%減の75億58百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が2.9%減の53億44百万円でした。増収ながら、移転関連費用や株式報酬費用が利益を圧迫しました。
- 売上総利益: 130億65百万円と前年同期から8億60百万円増加。売上高の伸びに加え、付加価値の高い業務へのシフトが寄与しました。
- 販売費及び一般管理費: 55億6百万円と前年同期から8億95百万円増加。新旧オフィスの費用や株式報酬費用などが含まれます。
- 経常利益: 80億62百万円と前年同期比1.7%増。有価証券売却益など営業外収益の増加が営業利益の微減を補いました。
- EBITDA+S: 83億29百万円と前年同期比6.5%増。営業利益に減価償却費と株式報酬費用を加えた指標で、会社は本業の稼ぐ力が着実に拡大したと説明しています。
会社は、DXコンサルティングや実行型PMOなど高付加価値・高利益率の領域へ経営資源を寄せるとともに、安定収入につながるストック型ビジネスの積み上げを進めています。営業利益の減少は小幅で、売上総利益の増加が示す事業面の伸びに対し、全社費用や成長に向けた費用が短期的に利益を抑えた構図です。
セグメント別動向
売上の大きいビジネスソリューション事業が横ばい圏だった一方、デジタルインテグレーション事業が増収増益をけん引しました。前年同期比は、事業区分の変更とプロジェクト移管を反映した会社開示値です。
次世代モビリティ事業は、売上高40億80百万円(前年同期比7.5%増)、営業利益15億64百万円(同6.6%増)でした。国内完成車メーカーなどとの上流工程の取引を維持し、北米での案件創出やAIを使った開発効率化を進めています。第1四半期は受注の端境期でしたが、第2四半期には案件獲得が進みました。
プロジェクトマネジメントデザイン事業は、売上高65億86百万円(同8.3%減)、営業利益15億97百万円(同1.6%増)でした。一部案件を他事業へ移しながら、通信分野の移行支援やSDV、金融システム刷新、AI関連の上流工程へ人員を再配置。高水準の案件単価と収益性を保ちました。
デジタルインテグレーション事業は、売上高65億79百万円(同23.4%増)、営業利益16億82百万円(同31.9%増)と大きく伸びました。金融分野の基幹・業務システム刷新に加え、クラウドやSaaSの技術コンサルティングへのシフト、AI駆動開発による生産性向上が背景です。
IT&DXサービス事業は、売上高114億63百万円(同3.8%増)、営業利益17億17百万円(同10.1%増)でした。伴走型PMOやセキュリティ支援、DX検証サービスを広げ、グループ会社の連携でBPOの受託体制も強化しました。
ビジネスソリューション事業は、売上高181億86百万円(同0.7%増)、営業利益14億79百万円(同5.6%減)でした。PC更新特需の一巡が響く一方、クラウド移行やゼロトラスト関連の需要を取り込み、物販から高付加価値のSIへ軸足を移しています。
- DX&ストック型ビジネス事業: 売上高17億25百万円(前年同期比7.2%増)、営業利益1億87百万円(同40.0%増)。自社ノーコードDX基盤「Canbus.」のサブスクリプションや導入後の定着支援が伸びました。
- オンラインソリューション事業: 売上高5億18百万円(前年同期比583.4%増)、営業利益78百万円(同339.0%増)。ゲーム開発会社の連結や開発ライン拡充が寄与し、3D・UI/UXの知見を他事業にも展開しています。
デジタルインテグレーションの伸びは、金融IT投資やクラウド、AI開発への対応力が売上と利益の両方に表れたものです。これに対し、最大の売上規模を持つビジネスソリューション事業では、従来型のPC販売に依存しない事業構成への転換が課題です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 次世代モビリティ事業 | 41億円 | 8% | 16億円 | 38.3% |
| プロジェクトマネジメントデザイン事業 | 66億円 | 14% | 16億円 | 24.2% |
| デジタルインテグレーション事業 | 66億円 | 14% | 17億円 | 25.6% |
| IT&DXサービス事業 | 113億円 | 23% | 17億円 | 15.0% |
| ビジネスソリューション事業 | 182億円 | 37% | 15億円 | 8.1% |
| DX&ストック型ビジネス事業 | 17億円 | 4% | 2億円 | 10.8% |
| オンラインソリューション事業 | 5億円 | 1% | 78百万円 | 15.1% |
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は前期末比11億69百万円増の622億49百万円、自己資本比率は67.6%と前期末から2.7ポイント上昇しました。営業活動によるキャッシュ・フローは黒字を確保し、配当は増額する計画です。
| 項目 | 2027年3月期中間期 | 比較・前期実績 |
|---|---|---|
| 総資産 | 622億49百万円 | 前期末比11億69百万円増 |
| 自己資本比率 | 67.6% | 前期末比2.7ポイント上昇 |
| 営業活動CF | 37億4百万円 | 前年同期の59億22百万円から減少 |
| 投資活動CF | マイナス3億90百万円 | 前年同期はマイナス2億87百万円 |
| 財務活動CF | マイナス28億42百万円 | 前年同期はマイナス21億57百万円 |
| 年間配当予想 | 18円 | 前期実績14円から4円増 |
現金及び現金同等物の中間期末残高は302億89百万円で、前年同期末の249億42百万円を上回りました。営業CFは前年同期より減少しており、法人税等の支払額が増えたことなどが影響しています。財務CFの支出には配当金の支払いが含まれ、中間配当は1株当たり9円と前年同期の6円から増えました。
自己株式の取得による支出は中間期に0百万円と、実質的な自社株買いの実施は確認できません。会社は、拠点集約やセキュリティ強化による生産性向上を進める一方、中長期の企業価値向上を目的とする株式報酬も導入しています。
通期見通し
2027年3月期の通期業績予想は、2026年5月に公表した内容から変更ありません。売上高980億円、営業利益159億60百万円を見込み、売上高は前期比3.8%増、営業利益は同3.9%増の計画です。
| 指標 | 2027年3月期予想 | 前期実績 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 980億円 | 約943億円 | +3.8% |
| 営業利益 | 159億60百万円 | 約153億61百万円 | +3.9% |
| 経常利益 | 159億60百万円 | 約161億37百万円 | -1.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 106億30百万円 | 約113億9百万円 | -6.0% |
中間期の売上高は通期予想の約半分に達していますが、営業利益はオフィス移転など一時的な費用を含んでいます。予想を据え置いた背景として会社は、現時点での計画変更を示していません。高付加価値領域への人員再配置やAI駆動開発による生産性改善が、下期の利益確保につながるかが注目点です。
リスクと課題
IT投資需要を取り込む一方、先行きの不透明さや受注の濃淡、費用増加が利益計画のリスクになります。中間期の受注高は前年同期比で減少しており、セグメントごとの受注動向にも差が出ています。
- 外部環境の不透明さ: 地政学リスク、原材料価格の高止まり、為替変動によるコスト増、世界の通商・サプライチェーンの動きが顧客企業の投資判断や経費に影響する可能性があります。
- 受注の変動: 全社の受注高は前年同期比2.2%減の296億97百万円でした。次世代モビリティ事業やプロジェクトマネジメントデザイン事業では、受注高が前年同期を下回っています。
- 事業構成の転換: PC更新特需の一巡を受け、ビジネスソリューション事業では物販依存からSIへの転換を進めています。クラウドやセキュリティなどの受注を継続的に拡大できるかが課題です。
- 成長投資と費用負担: オフィス移転関連費用や株式報酬費用は中間期の利益を押し下げました。生産性向上や拠点集約の効果が、今後のコスト負担を上回るかを見極める必要があります。
受注残高は前年同期比2.6%増の234億6百万円で、全体では今後の売上を支える水準を維持しています。ただし、受注高の減少や事業ごとの増減があるため、案件の獲得ペースと人員配置の適合が通期計画の達成を左右します。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/29)
440円
最新終値(2026/10/29)
440円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/29更新
システナをライバルと比較
年収・業績・株価を並べてITサービス業界の今
掲載31社システナはITサービス業界の掲載31社中、売上高で13位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +6.9%全業界 +16.0%
- 今期計画 営業利益
- +29.6%全業界 +11.7%
- 予想の上方修正
- 9社下方 0社
- 営業利益率(業界)
- 14.5%
- システナ−13.6%
- ITサービス(業界平均)+6.9%
- 全業界+16.0%
- 足元の業績今期第2四半期累計は13社合計で売上高+9.7%・営業利益+13.1%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は3社、下回る企業は11社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは9社、下方修正は0社。修正幅が最も大きいのはAppier(営業利益+16.7%)。





タグ#システナ#決算#決算分析#四半期決算#増収減益#ITサービス#DX#AI駆動開発#配当増額
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売上の伸びだけでなく、デジタルインテグレーション事業の増益や、利益率の高い領域へ人員を寄せる動きに、システナの成長戦略が表れています。PC更新需要の反動をクラウド・セキュリティ・SIで補う転換が進むかは、今後の焦点です。
中間期の営業減益は小幅ですが、費用を除いた指標の伸びだけで安心するのではなく、移転や株式報酬を含む費用を吸収して営業利益を伸ばせるかを確認したいところです。受注高が前年同期を下回るなか、据え置いた通期予想に対する下期の受注回復と利益の進捗が重要です。
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掲載企業

株式会社システナ
東証 2317
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4期- 2027年3月期 第2四半期(中間期)
- 2027年3月期 第1四半期
- 2026年3月期 通期
- 2026年3月期 第3四半期




