塩野義製薬、27年3月期業績予想を上方修正、年間配当86円で15期連続増配を決定
塩野義製薬は2027年3月期の連結業績予想を上方修正し、売上収益を7,200億円、営業利益を2,300億円に引き上げた。営業利益は前期比35.1%増となる一方、税引前利益は同9.1%減の2,205億円を見込む。年間配当は従来予想の76円から86円に増額し、前期比15円増、15期連続増配となる予定。成長投資の成果や国内外の製品の伸長が背景にある。

開示の要点
- 売上収益
- 7,200億円
- 営業利益
- 2,300億円
- 年間配当
- 1株86円
- 増配継続
- 15期連続
業績予想、売上収益と営業利益を上方修正
塩野義製薬は2027年3月期の通期連結業績予想を引き上げた。売上収益は前回予想から200億円、営業利益は100億円それぞれ上積みする。
| 指標(億円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 7,000 | 7,200 | 4,996.8 |
| 営業利益 | 2,200 | 2,300 | 1,703.1 |
| 税引前利益 | 2,200 | 2,205 | 2,425.0 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 2,100 | 2,125 | 2,092.4 |
前期実績と比べると、売上収益は46.1%増、営業利益は35.1%増、税引前利益は9.1%減、親会社の所有者に帰属する当期利益は1.6%増の見通しだ。前回予想からは全ての利益項目を上方修正したが、税引前利益は前期実績を下回る計画となる。
国内外の製品伸長、成長投資の成果が寄与
上期に売上収益と全ての利益項目が予想を上回ったことを受け、会社は通期予想を見直した。2025年度に実施した成長投資の効果に加え、既存事業も堅調に推移している。
- 海外事業: ALS治療薬「RADICAVA」の事業承継が円滑に進み、希少疾患領域の事業基盤づくりが進展した。感染症領域では、欧米でセフィデロコルの販売が順調だった。
- 国内事業: 不眠症治療薬「クービビック」や鳥居薬品関連製品、ALSなどの治療薬「ラジカット」が伸長した。COVID-19の流行が想定を下回る中でも、感染症流行に左右されにくい収益基盤の構築が進んだ。
- HIV事業: ヴィーブ社で「Dovato」に加え、長時間作用型注射製剤「Cabenuva」「Apretude」の販売が好調に推移し、ロイヤリティー収入と持分法投資利益の増加につながった。
今後はIntraBio社の買収を通じ、希少疾患を新たな成長領域と位置付ける。取引完了後には、ニーマン・ピック病C型や毛細血管拡張性運動失調症の治療薬「AQNEURSA」の販売開始を予定し、米国に加えて欧州でも事業基盤の構築を目指す。
費用面では、買収に伴う無形資産の償却費や米国事業への投資で販売費・一般管理費が増える見込みだ。研究開発費は開発パイプラインの優先順位付けを進め、会社はコスト管理と成長投資を両立させる方針。
年間配当86円、前期比15円増で15期連続増配へ
2027年3月期の中間配当予想は1株40円、期末配当予想は46円に引き上げた。年間配当は前回予想の76円から10円増え、前期実績からは15円増となる。
| 1株当たり配当(円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 中間 | 38 | 40 | 33 |
| 期末 | 38 | 46 | 38 |
| 年間合計 | 76 | 86 | 71 |
会社はDOE(株主資本配当率)4%以上を目安に、安定配当を基本方針としている。成長投資の成果が収益基盤とキャッシュ創出力の強化につながったことを、株主還元にも反映する。キャピタルアロケーションや株主還元の方針は、来年度公表予定の次期中期経営計画で改めて示すとしている。
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/10/29)
2,989円
最新終値(2026/10/29)
2,989円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/29更新
塩野義製薬をライバルと比較
年収・業績・株価を並べて製薬業界の今
掲載24社塩野義製薬は製薬業界の掲載24社中、売上高で9位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +9.1%全業界 +16.0%
- 今期計画 営業利益
- +10.9%全業界 +11.7%
- 予想の上方修正
- 5社下方 1社
- 営業利益率(業界)
- 13.9%
- 塩野義製薬+20.4%
- 製薬(業界平均)+9.1%
- 全業界+16.0%
- 足元の業績今期第1四半期累計は12社合計で売上高+14.6%・営業利益+48.3%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は8社、下回る企業は7社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは5社、下方修正は1社。修正幅が最も大きいのは大塚HD(営業利益+30.3%)。






タグ#塩野義製薬#業績予想修正#増配#医薬品#希少疾患#HIV事業
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今回の上方修正では、国内製品や海外事業、HIV関連収入など複数の収益源が寄与している点が注目される。前期比では営業利益が大きく伸びる一方、税引前利益は減益予想で、利益項目ごとに濃淡がある。年間配当の増額は業績の進展を還元に結びつける判断だが、IntraBio社の買収後の費用増や米国事業への投資を踏まえ、今後は成長投資と利益・キャッシュ創出の両立が焦点となる。成長投資の成果を配当にも反映
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