アルプスアルパイン、中間営業利益132億円に上振れも前年同期比減益、品質問題で89億円の特別損失
アルプスアルパインは2027年3月期中間期の営業利益が132億600万円となり、4月時点の予想を上回った。一方、前年同期の212億2200万円からは減益で、中間純利益も前年同期を下回る。車載電動パワーステアリング用トルクセンサーの品質問題で88億8900万円の特別損失を計上したが、通期業績予想と期末配当予想は据え置いた。

開示の要点
- 中間営業利益
- 132.06億円
- 中間純利益
- 29.52億円
- 特別損失
- 88.89億円
- 通期経常利益予想
- 455億円、変更なし
- 通期純利益予想
- 300億円、変更なし
中間期は予想を上回るも、利益は前年割れ
中間期の売上高、営業利益、経常利益、中間純利益はいずれも4月公表の予想を上回った。 ただ、各利益は前年同期の実績を下回っており、予想超過と前年割れが併存する決算となった。
| 項目 | 前回予想(億円) | 今回実績(億円) | 前期中間期実績(億円) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,080 | 5,429.64 | 5,057.11 |
| 営業利益 | 90 | 132.06 | 212.22 |
| 経常利益 | 75 | 138.04 | 247.09 |
| 中間純利益 | 10 | 29.52 | 132.84 |
- 売上高: モビリティ事業で北米を中心に主要顧客の生産・販売が計画を上回り、円安も寄与した。全セグメントで予想を上回った。
- 営業利益: メモリー価格の上昇によるコスト増があった一方、増収効果と円安の影響で予想を上回った。
- 経常利益・中間純利益: 為替を受けた外貨建資産の評価額の変動などで経常利益が伸びた。純利益は政策保有株式の売却益も寄与し、市場措置関連費用などの特別損失を計上しながら予想を上回った。
売上高は前年同期を上回ったが、営業利益、経常利益、中間純利益はいずれも前年同期実績を下回った。予想との差だけでなく、前年との利益水準の違いも確認したい。
車載センサーの品質問題で特別損失
車載電動パワーステアリング用トルクセンサーの特定製造ロットに品質問題が判明し、その製品を搭載した車両でリコールが実施された。会社は関連費用の一部を負担する契約を結び、88.89億円を中間期の特別損失として計上した。特定ロットに限った品質問題であり、会社は製品全般に及ぶものではないとしている。
- 原因の判断: 調査の結果、使用部品の製造委託先における製造工程の不備に起因すると判断した。
- 費用の回収: 顧客からの請求額などについて、製造委託先に責任に応じた負担を求める方針。
- 保険の適用: 保険会社とも協議を進めている。回収額や保険金額、受領時期は未確定で、重複して補填を受けることはない。
製造委託先への請求や保険適用による回収額は、中間決算と通期予想に反映されていない。今後の回収が確定すれば業績に影響する可能性がある一方、現時点では金額や時期を見通せない。
通期予想と期末配当予想は据え置き
会社は2027年3月期の通期連結業績予想と期末配当予想を変更しなかった。中間期の上振れと特別損失を織り込んだうえで、下期の事業環境などを慎重に見極めるとしている。
| 通期業績予想 | 金額(億円) |
|---|---|
| 経常利益 | 455 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 300 |
受取保険金や製造委託先からの回収額は、現時点で金額と受領時期が確定していないため、通期予想にも含めていない。会社は、今後予想の修正が必要になれば速やかに公表するとしている。
中間期の利益は会社予想を上回ったものの、前年同期からは大きく減少している。品質管理や製造委託先の監査体制を強化し、再発防止を進める方針も示しており、投資家は下期の需要・為替動向に加え、品質問題への対応と費用回収の進展を見極めることになる。
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/10/30)
2,085円
最新終値(2026/10/30)
2,085円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
アルプスアルパインをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて電機業界の今
掲載59社アルプスアルパインは電機業界の掲載59社中、売上高で17位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +15.4%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +22.9%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 23社下方 3社
- 営業利益率(業界)
- 10.6%
- アルプスアルパイン+7.1%
- 電機(業界平均)+15.4%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第1四半期累計は25社合計で売上高+9.2%・営業利益+57.8%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は13社、下回る企業は21社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは23社、下方修正は3社。修正幅が最も大きいのは村田製作所(営業利益+36.8%)。






タグ#アルプスアルパイン#業績予想#中間決算#特別損失#品質問題#車載部品#トルクセンサー
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中間期は会社予想を上回った一方、利益は前年同期を下回り、通期予想も据え置かれた。したがって、上振れだけを業績の改善と捉えず、下期の需要や為替、メモリー価格の影響を追う必要がある。品質問題では委託先への請求と保険適用を進めるが、回収額は未確定で予想に含まれていない。費用回収の確度と時期が、今後の業績をみるうえでの注目点となる。
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