合同製鐵、2027年3月期第2四半期決算(中間決算)、増収も営業赤字転落で年間配当100円
合同製鐵の2027年3月期第2四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比2.8%増の961億円となった一方、営業損益は1億57百万円の赤字に転落しました。建設用鋼材の需要低迷で販売価格の引き上げが遅れる中、鉄スクラップや電力などのコストが上昇。通期予想を修正し、年間配当は100円とする方針です。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 961億円 | +2.8% | 2,000億円 | 48% |
| 営業利益 | -2億円 | -102.9% | 18億円 | -9% |
| 純利益 | 4億円 | -91.8% | 16億円 | 24% |
| 営業利益率 | -0.2% | |||
この決算のポイント
- 1輸出拡大などで売上高は前年同期比2.8%増の961億円、営業損益は55億88百万円悪化し赤字に転落
- 2鉄鋼事業の売上高は881億80百万円で17億61百万円増えたが、セグメント利益は59億5百万円減少
- 3農業資材事業は売上高が前年同期比23.1%増の59億83百万円、損失は1億45百万円から89百万円に縮小
- 4通期予想を修正し、売上高2000億円、営業利益18億円を計画。前回予想の具体的な数値は短信に記載なし
- 5中期ビジョン2030の5年間は年間配当100円を下限とする方針。中間配当40円、期末予想60円
業績のポイント
合同製鐵(正式社名:合同製鐵株式会社)は、2027年3月期中間期に増収となったものの、営業損益が赤字に転じました。売上高は前年同期比2.8%増の961億9百万円、営業損益は前年同期の54億31百万円の黒字から1億57百万円の赤字、親会社株主に帰属する中間純利益は3億83百万円で前年同期比91.8%減でした。経常利益も前年同期比95.9%減の2億58百万円です。
- 売上を下支え: 国内需要が弱い中、出荷数量の確保に向けて輸出拡大に取り組みました。
- 鋼材需要の低迷: 建設現場の人手不足や資機材価格の高騰で、案件の延期・中止やゼネコンの選別受注が発生しました。
- 原料・エネルギー費の上昇: 鉄スクラップが高値圏で推移し、円安や中東情勢などを背景にエネルギーコストも上昇しました。
- 販売価格への転嫁に遅れ: 需要が弱い異形棒鋼を中心に価格引き上げが浸透せず、コスト増を吸収できませんでした。
売上増でもコスト高が利益を圧迫。連結売上高は前年同期から25億94百万円増えましたが、売上原価は前年同期の767億18百万円から850億86百万円へ増加し、営業損益を押し下げました。輸出で数量を補う一方、原料・電力費を販売価格に反映できるかが、収益回復の焦点です。
セグメント別動向
鉄鋼事業は増収を確保したものの、セグメント利益は大きく縮小しました。農業資材事業は増収で損失が縮まりましたが、なお赤字が続いています。
| セグメント | 売上高の前年比 | セグメント利益・損失の前年差 |
|---|---|---|
| 鉄鋼事業 | +2.0% | -59億5百万円 |
| 農業資材事業 | +23.1% | +56百万円 |
| その他 | -11.6% | -1億10百万円 |
鉄鋼事業は売上高が881億80百万円で前年同期比17億61百万円増え、セグメント利益は3億3百万円でした。輸出拡大などが売上を支えた一方、建設用鋼材の荷動きが弱く、鉄スクラップや電力費の上昇に販売価格の引き上げが追いつきませんでした。
農業資材事業は売上高が59億83百万円で前年同期比11億21百万円増加し、損失は89百万円と前年同期から55百万円縮小しました。その他事業は売上高21億27百万円、利益1億51百万円で、前年同期に比べ売上高と利益がともに減少しました。短信のセグメント利益は、連結損益計算書の経常利益と調整する基準で示されています。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 鉄鋼事業 | 882億円 | 92% | 3億円 | 0.3% |
| 農業資材事業 | 60億円 | 6% | -89百万円 | -1.5% |
| その他 | 21億円 | 2% | 2億円 | 7.1% |
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は前期末から22億42百万円減の2532億64百万円、自己資本比率は55.8%でした。営業キャッシュフローは前年同期のプラスからマイナスに転じ、現金及び現金同等物も減少しています。
| 項目 | 2027年3月期中間期末・中間期 | 前期末・前年同期 | 増減・前年差 |
|---|---|---|---|
| 総資産 | 2532億64百万円 | 2555億7百万円 | -22億42百万円 |
| 自己資本比率 | 55.8% | 56.3% | -0.5ポイント |
| 営業キャッシュフロー | -8億81百万円 | +99億68百万円 | -108億49百万円 |
| 投資キャッシュフロー | -31億69百万円 | -54億50百万円 | +22億81百万円 |
| 財務キャッシュフロー | -40億21百万円 | -59億97百万円 | +19億76百万円 |
営業キャッシュフローのマイナスには、棚卸資産の増加31億55百万円などが影響しました。中間期末の現金及び現金同等物は184億33百万円で、前年中間期末の269億20百万円を下回っています。
| 配当 | 2027年3月期 | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 中間配当 | 40円 | 100円 | -60円 |
| 期末配当 | 60円(予想) | 80円 | -20円 |
| 年間配当 | 100円(予想) | 180円 | -80円 |
合同製鐵は中期ビジョン2030の対象期間である2027年3月期から2031年3月期まで、年間配当の下限を100円とする方針です。中間配当40円は従来予想どおりで、期末配当予想も60円を据え置きました。中間期には自己株式を7億71百万円取得しており、利益還元と財務体質の改善、再投資資金の確保を並行させる考えです。
通期見通し
2027年3月期の通期業績予想は修正され、売上高は前期比4.3%増の2000億円、営業利益は81.7%減の18億円を見込みます。親会社株主に帰属する当期純利益は80.1%減の16億円を予想しています。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 2026年3月期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 短信に数値記載なし | 200,000 | 191,754 |
| 営業利益(百万円) | 短信に数値記載なし | 1,800 | 9,823 |
| 当期純利益(百万円) | 短信に数値記載なし | 1,600 | 8,043 |
会社は前回予想から修正したとしていますが、修正前の予想値や修正理由の詳細は、この短信本文には掲載していません。中間期の営業損益が赤字となるほど原料・電力費の負担が重く、通期では利益回復を見込むものの、需要の回復や価格転嫁の進み方が計画達成を左右します。
リスクと課題
業績の回復には、低迷する建設用鋼材需要とコスト上昇の双方への対応が必要です。会社が示した市場環境や当期の実績から、主なリスクは次のとおりです。
- 建設需要の低迷: 人手不足や資機材価格の高騰で建設案件の延期・中止が生じ、鋼材の引き合いや出荷が伸び悩む可能性があります。
- 原料価格の上昇: 鉄スクラップが高値圏で推移しており、上昇分を製品価格に転嫁できなければ鉄鋼事業の採算を圧迫します。
- 電力・エネルギー費の高止まり: 円安や中東情勢に加え、電力会社の市場価格調整制度による値上がりが、製造コストを押し上げるおそれがあります。
- 現場稼働の変動: 施工休止の長期化や夏季の熱中症対策による生産性低下が、鋼材の荷動きや需要の回復を遅らせる可能性があります。
国内需要が弱い局面では、輸出で数量を確保しても、原料費とエネルギー費の上昇を吸収できるとは限りません。需要に見合った生産を続けながら、再生産可能な販売価格を実現できるかが重要です。
戦略トピック
合同製鐵は「合同製鐵グループ中期ビジョン2030」に基づき、収益力の回復・向上と財務体質の改善を目指しています。鋼材市場の縮小や生産年齢人口の減少を前提に、成長投資、人的資本投資、サステナビリティの推進を掲げました。
- 需要に合わせた生産: 複数の製造拠点を生かし、販売・購買環境や生産条件の変化を捉えて生産を調整します。
- 再生産できる価格の実現: 原料やエネルギー費の変動を販売価格に反映し、採算を確保することを目指します。
- 財務と株主還元の両立: 必要な再投資資金を確保しながら、配当の予見性を高める方針です。
中間期はコスト上昇に価格転嫁が追いつかず、ビジョンが掲げる収益力の回復が課題として表れました。生産調整だけでなく、販売価格の改善が実際の利益につながるかを今後の決算で確認したいところです。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/30)
2,628円
最新終値(2026/10/30)
2,628円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
合同製鐵をライバルと比較
年収・業績・株価を並べて鉄鋼業界の今
掲載15社合同製鐵は鉄鋼業界の掲載15社中、売上高で10位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +6.9%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +71.1%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 6社下方 4社
- 営業利益率(業界)
- 3.5%
- 合同製鐵−28.2%
- 鉄鋼(業界平均)+6.9%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第2四半期累計は8社合計で売上高+11.8%・営業利益+16.5%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は2社、下回る企業は5社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは6社、下方修正は4社。修正幅が最も大きいのは東京製鐵(営業利益+125.0%)。




タグ#合同製鐵#決算#決算分析#四半期決算#鉄鋼業界#電炉メーカー#建設用鋼材#配当#中期ビジョン2030
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売上高が伸びても営業赤字に転じた点は、建設用鋼材の需要低迷と、鉄スクラップ・電力費の上昇を価格に転嫁しきれない電炉メーカーの難しさを示しています。輸出拡大で出荷を補う動きはあるものの、数量の確保だけでは収益改善に直結しにくい局面です。
年間配当の下限を100円とする方針は株主にとって分かりやすい一方、利益が大きく落ち込む中では、配当と設備投資・財務改善をどう両立するかも注目点です。下期に販売価格への転嫁が進み、通期の営業利益予想を達成できるかが焦点になります。
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