大阪ガス、2027年3月期第2四半期決算、増収も営業利益32.8%減

大阪ガスの2027年3月期第2四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比6.9%増の1兆253億円と増収でしたが、営業利益は32.8%減の602億円、純利益は29.8%減の666億円でした。国内エネルギー事業で原料価格の変動が販売単価に反映されるまでの時間差が利益を押し下げました。通期予想は売上高を上方修正する一方、利益予想を据え置き、増収と利益減が並ぶ決算となりました。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1.0兆円 | +6.9% | 2.3兆円 | 45% |
| 営業利益 | 603億円 | -32.8% | 1,500億円 | 40% |
| 純利益 | 666億円 | -29.8% | 1,450億円 | 46% |
| 営業利益率 | 5.9% | |||
この決算のポイント
- 1国内エネルギーの営業利益は前年同期の黒字から赤字に転じ、原料価格と販売単価の時間差が響いた
- 2海外エネルギーは持分法投資利益を含む利益が拡大し、海外事業の収益を支えた
- 3通期売上高予想を前回比840億円上方修正、営業利益など利益予想は据え置いた
- 4年間配当予想は前期比10円増の130円で、中間配当も5円増の65円
業績のポイント
大阪ガス(大阪瓦斯)は中間期に増収となった一方、営業利益と純利益は前年同期を下回りました。売上高は6.9%増、営業利益は32.8%減、親会社株主に帰属する中間純利益は29.8%減で、経常利益も21.6%減でした。
売上高が増えた主な背景は国内エネルギー事業での電力販売量の増加です。一方、売上原価の増加が売上総利益を押し下げ、販売費及び一般管理費も増えました。営業利益の前年差は、売上総利益の減少と販管費の増加に分けて見ることができます。
原料価格や燃料価格の変動が、原料費・燃料費調整制度に基づく販売単価へ反映されるまでには時間差があります。会社はこのずれを一時的な増減益要因と説明しており、売上の伸びがそのまま利益につながらなかった点が今回の決算の焦点です。
- 前年同期897億円
- 粗利益減-256億円
- 販管費増-37.6億円
- 当中間期603億円
セグメント別動向
セグメント別では、国内エネルギーの利益が大きく落ち込む一方、海外エネルギーとライフ&ビジネス ソリューションは増益でした。売上高の伸びも海外エネルギーが最も高く、事業ごとの明暗が分かれています。
| セグメント | 売上高前年比 | 営業利益の前年差(億円) |
|---|---|---|
| 国内エネルギー | +5.1% | -387.06 |
| 海外エネルギー | +15.6% | +94.98 |
| ライフ&ビジネス ソリューション | +13.3% | +36.56 |
国内エネルギーは増収ながら営業損失となりました。国内電力の販売量は卸等の増加で全体として伸びた一方、原料価格などの変動が販売単価に反映されるまでの時間差が利益を圧迫しました。国内ガス販売量は合計で前年同期を下回り、家庭用と業務用等で動きが異なりました。
海外エネルギーは増収増益で、持分法による投資利益も前年同期を上回りました。ライフ&ビジネス ソリューションも増収増益となり、国内エネルギーの落ち込みを一部補いました。利益の回復には、国内の価格反映のずれがどの程度解消するかが重要です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 国内エネルギー | 8,151億円 | 77% | -49百万円 | 0.0% |
| 海外エネルギー | 804億円 | 8% | 417億円 | 51.8% |
| ライフ&ビジネス ソリューション | 1,659億円 | 16% | 203億円 | 12.2% |
通期見通し
大阪ガスは2027年3月期の売上高予想を前回発表から3.9%引き上げました。国内エネルギー事業で、原料費調整制度に基づくガス販売単価が高く推移する見込みを反映したもので、営業利益、経常利益、純利益の予想は変更していません。
| 指標(億円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 21,700 | 22,540 | 20,303.02 |
| 営業利益 | 1,500 | 1,500 | 1,748.09 |
| 経常利益 | 1,900 | 1,900 | 2,045.22 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,450 | 1,450 | 1,527.51 |
今回の修正は売上高のみで、前期実績との比較では売上高が11.0%増となる一方、営業利益は14.2%減の見通しです。売上高の上方修正を利益の上方修正と取り違えず、原料費と販売価格の反映時期や下期の利益回復を確認する必要があります。
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は前期末から1,992億円増の3兆5,206億円となり、自己資本比率は52.3%でした。現金及び預金の増加と投資の進捗に伴う有形固定資産の増加が、総資産を押し上げています。
- 総資産: 前期末比1,992億円増。現金及び預金はコマーシャル・ペーパーの発行などを背景に増加
- 自己資本比率: 前期末の54.4%から52.3%へ低下。純資産は増えたものの、総資産の伸びが上回った
- キャッシュフロー: 中間期のキャッシュフロー計算書の数値は、今回の短信に記載されていない
- 配当: 中間は65円で前年同期比5円増。期末予想も65円とし、年間では前期比10円増の130円を見込む
- 自己株式取得: 2026年5月の取締役会決議に基づく取得があり、10月以降の取得分は通期EPS予想の計算に含めていない。取得額や株数の詳細は短信に記載されていない
配当予想は据え置かれ、利益が減る局面でも年間配当を増やす計画です。一方、投資の進捗で資産が膨らみ、自己資本比率は前期末より低下しました。株主還元と成長投資を続けながら、国内エネルギー事業の利益変動を吸収できる財務余力が保たれるかが注目点です。
リスクと課題
今回の利益減少には、原料価格の動きが販売価格に反映されるまでの時間差が表れました。会社の業績予想も原油価格や為替など一定の前提に基づいており、実績が想定と異なる可能性があります。
- 原料価格と販売単価の時間差: 原料・燃料価格の変動が料金に反映されるまでのずれが、短期的に利益を押し下げたり押し上げたりする
- 原油価格・為替の変動: 下期の予想前提は原油価格100ドル/バレル、為替155円/ドル。前提からの変化は仕入れコストや販売単価に影響する
- 国内エネルギーの利益回復: 中間期に国内エネルギーの営業利益が大きく落ち込んでおり、価格反映のずれが解消する時期と幅が通期達成の焦点となる
- 業績予想の不確実性: 会社は将来予測が入手可能な情報と一定の前提に基づくと説明しており、実際の業績はさまざまな要因で予想から変わる可能性がある
売上高予想の引き上げだけでは収益力の改善を判断できません。下期の国内エネルギー利益と、原料価格・為替の変化が料金へ反映されるタイミングを合わせて見る必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/29)
5,820円
最新終値(2026/10/29)
5,820円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/29更新
大阪ガスをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて電気・ガス業界の今
掲載19社大阪ガスは電気・ガス業界の掲載19社中、売上高で8位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +16.6%全業界 +16.0%
- 今期計画 営業利益
- −22.6%全業界 +11.7%
- 予想の上方修正
- 2社下方 1社
- 営業利益率(業界)
- 7.8%
- 大阪ガス+30.6%
- 電気・ガス(業界平均)+16.6%
- 全業界+16.0%
- 足元の業績今期第1四半期累計は8社合計で売上高+6.4%・営業利益+11.6%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は7社、下回る企業は7社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは2社、下方修正は1社。修正幅が最も大きいのは中部電力(売上高+7.7%)。




タグ#大阪ガス#決算#決算分析#四半期決算#2027年3月期#国内エネルギー#原料費調整制度#配当増額
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売上高予想の上方修正は、販売単価の上昇見通しが主因で、利益予想の引き上げを伴っていません。したがって、増収の見出しだけで業績の勢いを判断するより、国内エネルギーの利益が価格反映の時間差からどれだけ戻るかを重視したい決算です。
海外エネルギーとライフ&ビジネス ソリューションの増益は事業分散の強みを示しますが、国内エネルギーの利益悪化を補い切れていません。次の焦点は、下期の利益回復と年間配当130円を支える収益の確度です。
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4期- 2027年3月期 第2四半期(中間期)
- 2027年3月期 第1四半期
- 2026年3月期 通期
- 2026年3月期 第3四半期




