富士電機、2027年3月期第2四半期決算、営業利益40%増で通期予想を上方修正
富士電機の2027年3月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比9.2%増の5,933億円、営業利益が39.9%増の598億円となり、中間期として過去最高を更新した。電力設備やデータセンター向けの需要が伸び、純利益も政策保有株式の売却益を追い風に58.2%増の421億円。好調な上期を受け、通期業績予想を上方修正し、年間配当予想も40円引き上げた。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,933億円 | +9.2% | 1.4兆円 | 44% |
| 営業利益 | 598億円 | +39.9% | 1,680億円 | 36% |
| 純利益 | 421億円 | +58.2% | 1,170億円 | 36% |
| 営業利益率 | 10.1% | |||
この決算のポイント
- 1データセンターや電力設備向けが伸び、売上高は前年同期比9.2%増の5,933億円。
- 2営業利益は39.9%増の598億円で中間期の過去最高を更新、営業利益率は10.1%。
- 3エネルギー部門の営業利益は前年同期比58.2%増、インダストリーは89.2%増。
- 4通期営業利益予想を従来の1,565億円から1,680億円へ115億円引き上げ。
- 5年間配当予想は前期実績の200円から240円へ増額、自社株買いも実施。
業績のポイント
富士電機(富士電機)の2027年3月期中間期は、売上高が前年同期比9.2%増の5,933億円、営業利益が39.9%増の598億円、親会社株主に帰属する中間純利益が58.2%増の421億円となった。売上高、営業利益、経常利益、純利益はいずれも中間期の過去最高を更新した。
- 売上高: 前年同期から502億円増加。エネルギー、インダストリーでプラント・システムとコンポーネントの需要が増えた。
- 営業利益: 前年同期から171億円増加。需要増が人件費や原材料価格の上昇、自販機・電装分野の需要減を補った。
- 純利益: 前年同期から155億円増加。営業増益に加え、第1四半期に政策保有株式の売却益を特別利益として計上した。
中期経営計画「熱く、高く、そして優しく2026」では、利益重視の経営を掲げている。営業利益率11%超の目標は2025年度に前倒しで達成済みで、今回も需要増を利益につなげた一方、純利益の伸びには株式売却益も寄与しており、今後は本業の収益力が持続するかが焦点となる。
セグメント別動向
エネルギーとインダストリーが増収増益をけん引した一方、半導体と食品流通は減益だった。営業利益の前年同期比を比べると、インダストリーの伸びが最も大きく、半導体の落ち込みが目立つ。
エネルギーは、売上高が前年同期比18.2%増の1,964億円、営業利益が58.0%増の299億円。データセンター向け需要の拡大に加え、蓄電システムや変電・電源機器の大口案件、設備工事の需要増が業績を押し上げた。
インダストリーは、売上高が10.4%増の2,268億円、営業利益が89.2%増の209億円。FAコンポーネントや器具の需要が国内外で伸び、鉄鋼向け案件の増加や前年の大口案件に伴う費用増の反動も利益を押し上げた。
半導体は、売上高が0.2%減の1,085億円、営業利益が28.3%減の64億円。産業向けは底堅かったが、電動車向けパワー半導体の需要減、中国市場を中心とする価格競争、原材料高が響いた。
食品流通は、売上高が3.1%減の508億円、営業利益が12.9%減の51億円。コンビニ向けカウンター機材は伸びたものの、国内自販機の需要減が全体を押し下げた。その他部門の売上高は9.9%増の306億円、営業利益は9.3%増の17億円だった。
- エネルギー+58.0%
- インダストリー+89.2%
- 半導体-28.3%
- 食品流通-12.9%
- その他+9.3%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| エネルギー | 1,920億円 | 32% | 299億円 | 15.6% |
| インダストリー | 2,256億円 | 38% | 209億円 | 9.3% |
| 半導体 | 1,064億円 | 18% | 64億円 | 6.0% |
| 食品流通 | 492億円 | 8% | 51億円 | 10.3% |
| その他 | 200億円 | 3% | 17億円 | 8.7% |
通期見通し
富士電機は2027年3月期の通期業績予想を上方修正した。中間期の業績が7月公表の予想を上回ったことなどを踏まえ、売上高を500億円、営業利益を115億円引き上げた。
| 項目(億円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 13,000 | 13,500 | 12,276 |
| 営業利益 | 1,565 | 1,680 | 1,366 |
| 経常利益 | 1,570 | 1,665 | 1,393 |
| 親会社株主に帰属する純利益 | 1,115 | 1,170 | 980 |
今回予想は前回予想に対して、売上高が3.8%、営業利益が7.3%、純利益が4.9%の引き上げとなる。前期実績比では売上高10.0%増、営業利益23.0%増を見込む。エネルギーとインダストリーが予想引き上げの中心で、半導体の営業利益予想は据え置き、食品流通は減額した。第3四半期以降の為替前提は1ドル150円、1ユーロ175円、1人民元21.9円としている。
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は前期末比87億円減の1兆3,980億円、自己資本比率は前期末の56.9%から58.1%へ上昇した。営業活動による資金の増加と、自己株式取得・配当支払いを含む資本配分が同時に進んでいる。
- キャッシュフロー: 営業活動は828億円の収入、投資活動は247億円の支出で、フリー・キャッシュ・フローは581億円の黒字。前年同期は87億円の赤字だった。
- 有利子負債: 期末残高は742億円で、前期末から149億円減少。現金同等物を差し引いたネット有利子負債は3億円のマイナスだった。
- 配当: 中間配当は1株110円。年間配当予想は240円で、前期実績の200円から40円増える見込み。
- 自己株式取得: 中間期に210億円を取得。財務活動によるキャッシュフローは543億円の支出となった。
営業キャッシュフローの増加には、税引前利益の計上や売上債権・契約資産の減少が寄与した。データセンターや電力設備向けの生産能力増強、SiCパワー半導体への投資を進めながら、負債を抑え、増配と自社株買いを通じて株主還元も強める方針がうかがえる。
研究開発・成長投資
中間期の研究開発費は199億円で、前年同期比8.0%増加した。設備投資額は208億円で前年同期比32.1%減となったが、通期計画は544億円としている。
- 研究開発: エネルギー部門は44億円で前年同期比17.5%増、インダストリーは63億円で10.6%増。半導体は74億円で5.3%増だった。
- 設備投資: エネルギーは98億円で前年同期比約4倍に増加。インダストリーは35億円、半導体は53億円だった。
- 重点分野: 変圧器・開閉装置、電機盤・電源盤の国内生産能力を増強し、海外のデータセンター需要に対応する生産体制も強化する。
半導体ではSiCパワー半導体の市場拡大を見据えた設備投資計画を進める一方、当中間期の半導体設備投資は前年の大型投資の反動もあり減少した。設備を先行して増強する判断は、旺盛な受注を取り込み成長につなげられるかが重要であり、投資回収と需要の継続性を追う必要がある。
リスクと課題
電力・データセンター関連の需要は強い一方、原材料高や地政学リスクなど不確実性も残る。需要の強弱が事業ごとに異なるため、特に半導体と食品流通の回復、コスト上昇の価格転嫁が今後の業績を左右する。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/29)
13,385円
最新終値(2026/10/29)
13,385円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/29更新
富士電機をライバルと比較
年収・業績・株価を並べて電機業界の今
掲載59社富士電機は電機業界の掲載59社中、売上高で14位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +20.4%全業界 +16.0%
- 今期計画 営業利益
- +20.3%全業界 +11.7%
- 予想の上方修正
- 21社下方 2社
- 営業利益率(業界)
- 10.6%
- 富士電機+16.9%
- 電機(業界平均)+20.4%
- 全業界+16.0%
- 足元の業績今期第1四半期累計は32社合計で売上高+12.1%・営業利益+50.6%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は9社、下回る企業は21社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは21社、下方修正は2社。修正幅が最も大きいのはカシオ(営業利益+30.8%)。






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電力インフラやデータセンター向けの需要を、エネルギーとインダストリーの増益につなげた点は、富士電機の事業構成の強さを示しています。中間期の最高益だけでなく、営業キャッシュフローの改善とネット有利子負債の低さも、設備投資と株主還元を両立できる土台です。
一方、利益の勢いは全事業に広がっているわけではありません。半導体は電動車向け需要と中国での価格競争、自販機は国内需要の弱さが重荷で、純利益には政策保有株式の売却益も含まれます。通期予想の達成度を見るうえでは、下期にエネルギー・インダストリーの受注を利益へ結びつけながら、半導体の採算をどこまで戻せるかがポイントです。
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- 2027年3月期 第1四半期
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