関西電力、2027年3月期第2四半期決算、増収も営業利益が約7割減

関西電力の2027年3月期第2四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比11.3%増の2兆2,351億円となった一方、営業利益は69.9%減の832億円、純利益は21.4%減の1,829億円でした。電気事業などの収入が増えたものの営業費用の増加が上回り、営業利益を押し下げました。きんでん株式の売却益が純利益を下支えした一方、通期予想は据え置かれ、増収でも本業の利益が大幅減という内容です。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2.2兆円 | +11.3% | 4.5兆円 | 50% |
| 営業利益 | 832億円 | -69.9% | 2,500億円 | 33% |
| 純利益 | 1,830億円 | -21.4% | 3,100億円 | 59% |
| 営業利益率 | 3.7% | |||
この決算のポイント
- 1電気事業営業収益は前年同期比11.2%増の1兆7,737億円、その他事業も増収
- 2営業費用が前年同期から4,203億円増え、増収分を上回って営業利益が減少
- 3きんでん株式の一部売却で特別利益1,051億円を計上し、純利益の減少幅を抑制
- 4年間配当予想は80円で、前期実績の75円から5円増。中間配当は40円
- 5通期予想は据え置き、営業利益2,500億円は前期比42.9%減を見込む
業績のポイント
関西電力株式会社(関西電力)の中間期は、売上高が前年同期比11.3%増の2兆2,351億円となりました。一方、営業利益は69.9%減の832億円、親会社株主に帰属する中間純利益は21.4%減の1,829億円です。
- 売上高: 2兆2,351億円、前年同期比11.3%増
- 営業利益: 832億円、前年同期比69.9%減
- 経常利益: 1,115億円、前年同期比64.6%減
- 親会社株主に帰属する中間純利益: 1,829億円、前年同期比21.4%減
営業収益が2,270億円増えた一方、営業費用は4,203億円増加しました。売上の伸びより費用の増加が大きく、本業の採算が悪化した形です。
中間純利益の減少が営業利益ほど大きくないのは、きんでん株式の一部売却に伴う特別利益1,051億円を計上したためです。本業の利益と資産売却益を分けて見る必要があり、利益の回復力を判断するうえでは今後の営業利益の推移が焦点になります。
セグメント別動向
決算短信には報告セグメント別の売上高・営業利益が掲載されていないため、ここでは損益計算書に示された電気事業とその他事業の営業収益を確認します。両事業とも増収でしたが、全社では費用の増加が収益の伸びを上回りました。
| 事業別営業収益 | 当中間期(百万円) | 前年同期(百万円) | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 電気事業 | 1,773,731 | 1,594,458 | +11.2% |
| その他事業 | 461,375 | 413,660 | +11.5% |
電気事業は営業収益が前年同期から1,793億円増え、増収をけん引しました。ただし、電気事業営業費用も前年同期を上回っており、連結営業利益は大幅減となっています。
その他事業も営業収益が増加しましたが、短信の本文では事業ごとの利益や増減要因の詳細は示されていません。事業別の利益貢献や電力販売量、燃料費などの背景を特定するには、会社が案内する決算説明資料の確認が必要です。
通期見通し
関西電力は2027年3月期の通期業績予想を変更していません。売上高は前期比10.9%増を見込む一方、営業利益は42.9%減、親会社株主に帰属する当期純利益は18.4%減の予想です。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 4,500,000百万円 | +10.9% |
| 営業利益 | 250,000百万円 | -42.9% |
| 経常利益 | 290,000百万円 | -44.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 310,000百万円 | -18.4% |
会社は直近予想からの修正はないとしています。中間期の営業利益は通期予想に対して進捗していますが、上期実績だけで通期達成の確度を判断するのは難しく、下期の利益回復が重要です。
通期予想の売上高が増える一方で利益が減る見立ては、増収がそのまま採算改善につながらないことを示します。費用の動きや、きんでん株式売却益のような一時的な利益を除いた本業の収益力に注目したいところです。
財務状況と資本政策
2026年9月末の総資産は9兆9,613億円で、2026年3月末から1,067億円増えました。自己資本比率は36.3%となり、前期末の35.1%から上昇しています。
| 指標 | 2026年9月末・中間期 | 比較対象 |
|---|---|---|
| 総資産 | 9兆9,613億円 | 2026年3月末比 +1,067億円 |
| 純資産 | 3兆6,629億円 | 2026年3月末比 +1,602億円 |
| 自己資本比率 | 36.3% | 2026年3月末は35.1% |
| 年間配当予想 | 80円 | 前期実績75円 |
中間配当は1株当たり40円で、前年同期の30円から増額しました。期末配当予想も40円で、年間では前期実績を5円上回る見込みです。配当予想に変更はありません。
短信にキャッシュ・フロー計算書の数値は掲載されていないため、営業キャッシュ・フローや投資支出との比較はできません。自社株買いの発表もこの短信にはなく、資本政策では配当の増額と自己資本比率の改善が確認できるポイントです。
リスクと課題
中間期は増収にもかかわらず営業利益が大幅に減り、通期でも減益予想が続きます。利益の回復が売上の伸びに追いつくか、費用と一時利益を分けて見極める必要があります。
- 費用増加: 営業費用が前年同期比で4,203億円増え、営業収益の増加額を上回りました。費用の増加が続けば、本業の利益をさらに圧迫する可能性があります。
- 通期予想の達成: 営業利益の通期予想は前期比42.9%減です。中間期の利益水準を踏まえ、下期にどの程度収益性を戻せるかが焦点です。
- 一時利益への依存: きんでん株式の売却益1,051億円は特別利益として計上されました。継続的な営業活動による利益と切り分けて評価する必要があります。
- 金利負担: 支払利息は前年同期の206億円から258億円に増加しました。金利負担の変化が今後の利益に与える影響にも注意が必要です。
- 業績予想の不確実性: 会社は予想が一定の前提に基づき、実際の業績はさまざまな要因で異なる可能性があると説明しています。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/29)
2,754円
最新終値(2026/10/29)
2,754円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/29更新
関西電力をライバルと比較
年収・業績・株価を並べて電気・ガス業界の今
掲載19社関西電力は電気・ガス業界の掲載19社中、売上高で2位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +16.6%全業界 +16.0%
- 今期計画 営業利益
- −22.6%全業界 +11.7%
- 予想の上方修正
- 2社下方 1社
- 営業利益率(業界)
- 7.8%
- 関西電力+21.5%
- 電気・ガス(業界平均)+16.6%
- 全業界+16.0%
- 足元の業績今期第1四半期累計は8社合計で売上高+6.4%・営業利益+11.6%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は7社、下回る企業は7社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは2社、下方修正は1社。修正幅が最も大きいのは中部電力(売上高+7.7%)。




タグ#関西電力#決算#決算分析#四半期決算#電力会社#営業利益減少#中間配当#きんでん株式売却益
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売上高が2桁増でも営業利益が約7割減という結果は、電力事業の収入規模だけでは収益力を測れないことを改めて示しています。短信では費用増の内訳が十分に説明されていないため、決算説明資料で燃料費や販売条件などの詳細を確認したいところです。
中間純利益にはきんでん株式の売却益が含まれます。投資家はこの一時利益を除いた本業の利益と、下期に営業利益をどこまで戻せるかを分けて追うのが有効です。就職活動中の学生にとっても、電力会社の業績は売上の拡大だけでなく、費用管理や設備投資、資本効率が重要だと分かる決算です。
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4期- 2027年3月期 第2四半期(中間期)
- 2027年3月期 第1四半期
- 2026年3月期 通期
- 2026年3月期 第3四半期




